◎稲田防衛相の白紙領収書問題 他紙誌も報道

 このブログ「トヨタで生きる」では、「しんぶん赤旗」日曜版(8月14日号)が報じた、稲田朋美防衛相の白紙領収書問題を取り上げました。「領収書 金額は白紙! 稲田防衛相」(8月12日アップ)です。

 稲田氏の政治資金収支報告書にある領収書の写し(2012~14年分)の中に金額、宛名、年月日が同じ筆跡の領収書が、3年間で計約260枚、約520万円もあり、白紙の領収書に書きこんだというものです。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2234.html

 この問題について、「日刊ゲンダイ」や写真週刊誌「FLASH(フラッシュ)」が報じています。

 「日刊ゲンダイ」(26日付)は、「着物だけじゃない 小池都知事は報告書の領収書も“真っ白”」との見出しです。同紙は、24日付で稲田防衛相の「白紙領収書」問題を取り上げ、これが小池都知事に拡大したといいます。

……
 写真は開示請求で入手した、小池知事の資金管理団体「フォーラム・ユーリカ」の政治資金収支報告書に添付された領収書の写しだ。12年9月に、自民党の梶山弘志衆院議員が開いた政治資金パーティーの会費を払ったことを証明するものだが、宛名も金額も空欄のまま。余白に金額を記し、会計責任者の印を押しただけだ。
……

 リオ五輪の閉会式で五輪旗の引継ぎをした際、白い着物姿で登場した小池知事とだぶらせ、「真っ白なのは、リオ五輪の着物だけにした方がいい」と強烈な皮肉を浴びせています。

30 領収書
(領収書)

 「FLASH」(9月6日号)は、「稲田防衛相『同じ? 筆跡の領収書260枚』か? 発覚」との見出しです。

 同誌は、日曜版の記事を引用しつつ、「政治資金オンブズマン」共同代表で神戸学院大学の上脇博之教授のコメントを掲載しています。

 「仮に4万円を支出したと書いて、実際は2万円しか支出していなかったら、差額の2万円は裏金にできます。白紙の領収書は、裏金作りの温床になりかねません」

 そのうえで、「『ポスト安倍』と言われても、白紙の領収書にちまちまと書き込むその姿は、宰相の器にはほど遠い」と痛烈に批判しています。

 しかし、「政治とカネ」の問題で、稲田氏ら閣僚の重大疑惑が浮上するなか、大手新聞やテレビは取り上げていません。メディアへの攻撃を強める安倍政権のもとで、政権批判が弱くなっています。政権への忖度(そんたく)があるとすれば、ゆゆしき事態です。
安倍政権 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/08/29 09:00

◎続続続 あまりにもひどい 政治家の“美学”、検察の判断

 安倍首相の盟友といわれる自民党の甘利明・前経済再生相(衆院議員)の口利き疑惑。検察は8月16日、市民が入った検察審査会が元秘書2人について「不起訴不当」と議決し、再捜査を求めていたが、ふたたび不起訴にした。甘利氏の不起訴も決まっており、捜査は終結した。

甘利事務所は、「不起訴に安堵した」とのコメントを出した。甘利氏や元秘書だけでなく、捜査をした検察もあまりにもひどいではないか。甘利氏本人も、建設会社から2回にわたって50万円ずつ受け取っていたことを認め、元公設秘書は500万円もらっていた。

 それでも不起訴である。この国に正義はあるのか? どうなっているのだ、この国は。こうした前例をつくれば、「甘利さんも秘書も無罪になった。これからは、いくらでもできる」と大臣や国会議員などが大手を振って動くことができるだろう。

12 甘利氏 HP
(口利き疑惑の報道以来、甘利明氏のホームページはほとんど更新されていません)

 検察審査会の議決は、元秘書がアポイントも取らずに都市再生機構(UR)を訪問し、補償交渉への対応を確認した経緯について指摘した。「有力な国務大臣の秘書で、URの判断に影響を与えうると判断しているからだ」と強調した。UR側が応対したのも、「不利益を受ける恐れがあると判断した」とのべ、再捜査を求めていた。

 ところが検察は、「総合的に判断」して、ふたたび不起訴にした。市民らが求めたのに、こんな判断では検察がいかに政治家に甘いかを示した。国民のだれもがやりきれないだろう。

 週刊「文春」が1月に報道すると、甘利氏は経済再生相を辞任(1月28日)した。説明責任を果たすといいながら、2月15日付で「睡眠障害」の診断書を国会に提出してから3カ月以上国会に出席しなかった。

甘利氏 構図
(甘利明氏の金銭授受構図=日経新聞、5月31日付から)

 参院選が終わった後の臨時国会に、「睡眠障害」が治ったとして出席し、安倍首相と談笑する写真が新聞に掲載された。辞任記者会見では、「秘書に責任転嫁することはできない。それは政治家としての美学、生きざまに反する」などとのべ、“矜持”という言葉まで使った。

 病気が治ったのであれば、黙して語らずでは済まない。約束していた調査結果を明らかにするために、国会で質問に答えたり、記者会見して、名前の通り真実を明らかにすべきだ。それが、自ら語った政治家の“美学”、“矜持”のはずだ。
安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/08/19 10:01

◎何と損失5兆円超! 年金運用

 今年正月の財界の賀詞交換会。トヨタ自動車の豊田章男社長は、メディアの質問に応え、今年の日経平均株価の予想は2万3000円とボードに書きました。円相場は、具体的数字は書かず、「安定」としました。

 年初の日経平均株価は、1万8000円台でスタートしましたが、8月1日現在で1万6635円です。トヨタの株価も7337円(1月4日)から5797円(8月1日)へと大きく下落しています。

 世界のトヨタの社長でも、株価や円相場は予想が難しいものです。

12 豊田社長 株価予想
(今年の日経平均株価を予想する豊田章男社長=16年1月のテレビ朝日系から)

 公的年金の積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が、2015年度の決算で5兆数千億円にのぼる巨額の運用損失を出したことが先月、明らかになりました。

 安倍政権は14年秋から、12%(+-6%)だった国内株式の比率を25%(+-9%)に引き上げ、外国株式と合わせて株式運用を50%に倍増させました。

 その結果、15年7―9月期に、四半期ベースで過去最大となる7兆8899億円の損失を計上。16年1―3月期も大幅損失を出したとみられていました。

 赤字は、10年度以来5年ぶりです。「アベノミクス」で、株高をつくるために、危険な株式運用を倍増させ、巨額損失を生み出した安倍政権の責任は重大です。

 年金積立金は、国民が払った保険料です。少ない年金で、四苦八苦の暮らしをしているお年寄りが大部分です。GPIFは、安定的に運用するのが当然です。

 高リスク、高リターンと、まるで博打のように運用し、損失が出れば、年金削減や保険料引き上げで国民にツケ回しをするなどは許されないものです。

40 GPIF 保有株式


 GPIFが2015年3月時点で保有していた国内外の株式・債権の銘柄や時価総額は、表のようです。時価総額トップは、トヨタの1兆5499億円です。年金積立金で大企業の株式を買い支えていることがわかります。

安倍政権 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2016/08/02 16:54

◎続続・あまりにもひどい 検察に正義はあるのか

 5月31日の新聞、テレビは、安倍首相の盟友の自民党・甘利明前経済再生相が建設業者から金銭を受け取っていた問題で、東京地検特捜部が甘利氏に任意で事情を聴いたものの、元秘書とともに不起訴処分とする方向との報道をいっせいに流しています。

 えっ! 不起訴! 理由は、業者と都市再生機構(UR)との道路工事をめぐるトラブル事件で、甘利氏はあっせん利得処罰法違反などで告発されていたものの、同法は適用に厳格なハードルを設けており、これまでに国会議員に適用された例はなく、甘利氏の現金授受に適用は難しいからだといいます。

 甘利氏本人も、口利きの謝礼として建設会社から2回にわたって50万円ずつ受け取っていたことを認め、元公設秘書は500万円ももらっていたのです。庶民感覚からいえば、“政治家や秘書は役得があっていいな。これで犯罪にならないとは”と考えてしまいます。

甘利問題 日経20160531
(甘利明氏の金銭授受構図=日経新聞、5月31日付から)

 週刊文春で報道され、甘利氏は大臣を辞任(1月28日)しました。説明責任を果たすといいながら、2月15日付で「睡眠障害」の診断書を国会に提出してから3カ月以上国会に出席せず、黙して語らずです。

 衆参同日選挙がささやかれるなかで、甘利氏は自分の選挙区の神奈川県大和市などで、参院神奈川選挙区の自民党・三原じゅん子候補とのツーショットポスターを張り出しています。

 支援者には、「アベノミクスも道半ばであり、断腸の思い」「道半ばで倒れる分けには行かない」との直筆手紙を送っています(「しんぶん赤旗」、5月29日付)。

 辞任記者会見で、「秘書に責任転嫁することはできない。それは政治家としての美学、生きざまに反する」などと大見得を切った甘利氏。こんなに元気なら、国会に出てきて説明責任を果たすべきです。

 検察も巨悪を逃すようなことがあったなら、“あまりにもひどい”と国民から総スカンをくらうでしょう。仮に検察が起訴しなくても、市民参加の検察審査会で「起訴相当」と2回議決すれば強制的に起訴されます。この国の正義を守るには、起訴以外にありません。
安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/05/31 09:53

◎自民党の改憲草案は、国民の基本的人権を縛る

 参院選を3カ月後に控えた4月3日、NHKは各党党首による日曜討論を行いましたが、日本共産党の志位和夫委員長と自民党の高村正彦副総裁との間で論争になった重大問題を、朝日新聞が改めて取り上げています(4月14日付)。

 志位委員長は、安倍首相自身が、「憲法を改正していく。自民党は憲法改正草案を決めている」と明言していること。参院選挙では、「自民党改憲案」の是非が争点になると指摘しました。

自民憲法改正草案 表紙


 その上で、「憲法によって権力を縛る」という立憲主義が「自民党改憲案」の12条では、「公益及び公の秩序」のために基本的人権を制約できるという内容が入っており、立憲主義の全面破壊だと強調しました。

 12条には、「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」とあります。このことについて両者で激しい議論になりました。

……
 高村 それから、何ですかその、公の秩序、私も正確なことは…。
 志位 「公益及び公の秩序」です。
 高村 「公益及び公の秩序」、そのことは、今の憲法の「公共の福祉」という言葉を置き換えただけです。

 志位 それはまったく違います。
 高村 「公共の福祉」が(人権の)制約要因にしている。そのことは分かりにくいからそれを置き換えただけです。

 志位 「公共の福祉」を言い換えたものだとおっしゃいましたが、「公共の福祉」というのは、いろんな人権がぶつかり合ったときにそれを調整する概念なんですよ。あなた方が出している、「公益及び公の秩序」というのは、上からの、国家目的のために、人権を縛るというもので、まったく違う。そういう意味でも立憲主義の破壊です。

 高村 それはまったく違います。「公益」というのは、まさにそれぞれの人権の衝突を…。

 志位 それは「公共の福祉」という概念なんですよ。
 高村 「公共の福祉」なんていう言葉はね。分かりにくいですよ。いままでの日本語からいってね。

 志位 いやいや、人権がぶつかりあったときに調整するという概念です。
 高村 われわれの概念も同じです。
 志位 違います。
 高村 われわれが作ったものを、われわれが言っているわけだから。
……

自民憲法改正草案 12条
(自民党の憲法改正草案は、自民党のホームページで読むことができます)

 朝日新聞は、4月14日付のシリーズ「憲法を考える」で、自民改憲草案のなかの公の秩序について取り上げています。このなかで志位・高村の論争を紹介した後、次のように指摘しています。

……
 議論は平行線をたどったが、さて、単に言葉が置き換わっただけだろうか。
 私たち一人ひとりの顔かたちが違うように、考え方も価値観も違う。人も国も自分が正しいと思うことを他人に押しつけたくなるもので、ゆえにそれぞれの大切な権利がぶつかり合うこともある。

 そんな時、「公共の福祉」という考え方を用いて、全体のバランスの中で調整していくというのが、憲法の知恵だった。そのものさしが「公益や公の秩序」に変われば、状況は大きく動きかねない。

 世の中には、社会に迷惑をかけてでも、守らなければならないものがある。
 例えば、デモ。石破茂・地方創生相はかつて、特定秘密保護法反対デモをテロに例え批判を浴びたが、うるさくても、交通の邪魔になっても、議会制民主主義を補完する、主権者に認められた大事な手段だ。
……

 志位委員長が指摘した、自民党憲法改正草案がいう「公益や公の秩序」というものは、立憲主義を壊すものであることをわかりやすく説明しています。自民党憲法改正草案の危険性がよくわかる記事です。

           ◇

 この記事は、4月15日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/04/14 16:10

◎甘利氏秘書 「蛇口」にたかる

 甘利明・前経済財政担当相と秘書の「口利き疑惑」で、東京地検特捜部の強制捜査(4月8日)を機に、底なしの金の動きがしだいに明らかになってきました。甘利氏は、政治家として説明責任を果たす義務があります。

 日経新聞(10日付)は、「甘利氏の元秘書が都市再生機構(UR)と補償交渉していた建設会社の総務担当者を『(金銭支払いの)蛇口』と呼び、頻繁に飲食接待を受けたり、現金を受け取ったりしていた」と伝えました。

 そして、「飲食代は総務担当者が負担し、会合後には元秘書に現金を渡したとされる。関係者によるとこうした形での現金授受は合わせて数十回、計数百万円に上ったという。現金の一部は別の元秘書にも渡ったとされる」といいます。

 その上で、「元秘書は総務担当者から500万円を受領。一部を献金として処理し、300万円は自らの遊興費などに使ったという。甘利氏も同年11月と14年2月に50万円ずつ受け取り、関連政治団体の政治資金収支報告書に寄付として記載した」としています。

甘利 テレビ朝日系
(テレビ朝日系、11日放送から)

 日経新聞はまた、10日付の社説「甘利氏は国会に出て説明せよ」で、「(甘利氏は)2カ月以上も国会に登院していない。公の場に姿をみせない状況が続くならば、衆院議員を名乗る資格はない」と厳しく批判しています。

 そして、「甘利氏の事務所は国会欠席の理由として衆院に医師の診断書を提出している。そこに書かれた『睡眠障害』がどういう病状なのかはよくわからないが、全く出歩けないほど重いのか。自民党の説明もあやふやである」と病気に対しも疑問を呈しています。

 その上で、「自ら出てこないならば、参考人招致や証人喚問も検討すべきである」と証人喚問などを主張しています。

 このブログ「トヨタでいきる」の「続・あまりにもひどい」を4月10日にアップしたところ、「まだ睡眠障害で悩み苦しむ人をに公の場で証言させて、命を削ろうとするなんて。やっぱり共産党は、人命を軽んじてますね。絶対に政権は任せられません」と日本共産党を批判するコメントが寄せられました。

 ブログでの主張と日経の社説は、基本的に同じです。政治家・甘利氏には説明責任があり、「睡眠障害」を理由に行わないことは政治家として許されないことです。日本共産党が甘利氏の「命を削る」ようなことをしようとしているのではないことは、日経の社説からも明らかでしょう。

安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/04/11 08:41

◎続・あまりにもひどい

 安倍首相の盟友といわれる甘利明・前経済再生担当相の「口利き疑惑」で、東京地検特捜部は4月8日、甘利氏側に現金を渡していた建設会社「薩摩興業」(千葉県白井市)やUR=都市再生機構=などの強制捜査に乗り出しました。

 週刊文春が1月にスクープしてから約3カ月、やっと強制捜査が始まりました。甘利氏は、2月15日付で「睡眠障害」の診断書を国会に提出してから国会に出席せず、「口利き疑惑」についてまったく明らかにしていません。

 「薩摩興業」には2013年8月に、立ち退きの補償金としてURから2億2000万円が支払われています。甘利氏と公設秘書がその交渉に関わりました。

 口利きの見返りとして「薩摩興業」側から現金を受け取ったとされます。甘利氏は、1月の釈明会見で、13年1月に大臣室で、14年2月には神奈川県大和市の地元事務所で各50万円を受け取っていたと説明しています。

 秘書も計500万円を受け取りながら、300万円を私的に流用していましたが、政治資金報告書に記載していませんでした。

 こうした報道に接しながら、ある大企業で働く女性からこんな話を聞きました。その女性の親類に岡山県の倉敷民商の事務局員として働く女性がいるといいます。

 事務局員は、確定申告の際、申告者が作成した決算書の数字を税務ソフトに入力する手伝いをしました。国税局・検察は、申告者を脱税で逮捕・起訴し、事務局員を脱税の「ほう助犯」に仕立てあげ、約1年2カ月間(428日)も勾留しました。

 事務局員を支援する人々は、長期勾留は憲法違反の重大な人権侵害であり、拷問禁止条約が禁止する拷問にあたるとして抗議しています。

 政治家・甘利氏の疑惑に対しては、約3カ月もたってやっと強制捜査が始まったにすぎないのに、1人の国民にすぎない事務局員に対しては428日も勾留する国家権力の異常さ。

50 tpp 黒塗り
(全面黒塗りにされたTPP資料=ネットから)

 甘利氏が大臣任期中に担当したのがTPP交渉。そのTPPの国会審議が始まりましたが、安倍政権が国会に提出したのは、全面黒塗りにした交渉資料です。タイトルしかわからず、内容はまったくわかりません。

 黒塗りの資料を見ながら、甘利氏の「口利き疑惑」も黒塗りにされるようなことがあってはならないと思いました。

 憲法は、国民ではなく、国家権力を縛るものだということは、昨年来の戦争法(安保法制)のたたかいで、痛感させられました。甘利さん、だんまりはあまりにもひどいですよ。「口利き疑惑」を名前の通り、すべて明らかにしてください。
安倍政権 | コメント(9) | トラックバック(0) | 2016/04/10 09:24

◎国内の新車販売 4年ぶり500万台割れ

 2015年度の国内の新車販売台数は、前年度比6.8%減の493万7734台で、500万台割れは4年ぶりになりました。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が1日発表(概況)したものです。

 500万台割れの背景には、労働者・国民の購買力が伸びないというアベノミクスの破たんがあります。日本の新車販売は、リーマン・ショック(08年)時から4年連続して500万台割れになりましたが、このままではその水準に落ち込む可能性があります。

新車販売推移 時事
(時事通信社の資料から)

 安倍政権発足(12年12月)後は、3年連続して500万台を突破しましたが、実質賃金は4年連続してマイナスです。消費支出も伸びず、月28万円台で横ばい状態です。

 名目賃金は、春闘で3年連続で賃上げがあって上昇したものの、パートや契約社員など賃金が低い非正規労働者の労働者比率が38%にもなって、労働者の平均賃金を全体に押し下げたからです。

 アベノミクスは、大企業が儲かれば、その利益が下へしたたり落ちるというトリクルダウンの政策でした。円安、株高でトヨタをはじめ大企業は、史上最高益を更新してきましたが、労働者・国民へのトリクルダウンは起きませんでした。

 高額商品の自動車が売れなくなるのは当然でしょう。しかも、14年4月からの17年ぶりの消費税増税(5%から8%へ)や軽自動車への増税(15年4月)が追い打ちをかけました。

 TBS系の「サンデーモーニング」(4月3日放送)で、日本総合研究所理事長の寺島実郎氏は、アベノミクスは「政治主導のマネーゲーム」であり、「格差と貧困」をただすこと、「大切なのは産業政策」と主張しました。

寺島実郎 サンデーモーニング
(寺島実郎氏の分析=4月3日の「サンデーモーニング」から)

 円安や株高などで、大企業に内部留保をため込ませただけのアベノミクスは、破たんしました。来年4月からの消費税10%への増税は、さらに新車販売を冷え込ませるもので、きっぱり中止すべきです。

 今やるべきは、じっとしている内部留保を、労働者の賃上げや非正規労働者の正規化に使うなどして労働者・国民の購買力を上げることです。そのことなしに、新車販売は増えないでしょう。
安倍政権 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/04/03 11:21

◎橋下徹氏 高く売り込む機会ねらう?

 橋下徹氏が15年10月に結成した「おおさか維新の会」(代表=松井一郎大阪府知事)は3月26日、大阪市内で党大会を開きました。「憲法改正原案」を前面にかかげるなど、夏の参院選で自民党などと改憲勢力3分の2以上の議席確保をめざす意向を表明しました。

 安倍自民党の“補完勢力”を鮮明にしました。昨年5月の住民投票で否決された大阪市を解体する「大阪都」構想=副首都化=に再挑戦することなどを盛り込んだ活動方針を決めました。

 参院選では、15人の比例区候補、大阪、兵庫、広島、神奈川、奈良の地方区候補を決めましたが、地方区でさらに増やす方向です。民主党や日本共産党など野党5候補の統一候補が次々と決まるなかで、安倍自民党を手助けする役割を果たそうとしています。

 大会では、都構想を否決されたことから政界から“引退”し、法律政策顧問になった橋下氏が出席するかどうかが注目されましたが、出席しませんでした。橋下氏は現在、週1回の割合で講演会を開いています。200万円ともいわれる高額な講演料です。

30 橋下 ツイッター
(ツイッターで、米軍基地をなくそうとする人々を攻撃する橋下徹氏)

 4月からはテレビ朝日の番組にレギュラー出演します。フリージャーナリストは、語ります。

 「安倍首相は、夏に衆参の同日選挙をねらっている。大阪市長を辞めたその翌日の15年12月19日に安倍首相と会談した橋下氏は、立候補するだろう。それも告示ぎりぎりにサプライズ立候補し、自分とおおさか維新を高く売り込むのではないか」

 その橋下氏が大阪市長時代に行った市職員への憲法違反の「思想調査アンケート」(市職員への労使関係アンケート調査)が大阪高裁で3月25日、ふたたび断罪されました。

 職員とOB計59人が市に、「精神的苦痛をうけた」として、1900万円余りの賠償を求めた控訴審判決で田中敦裁判長は、アンケートの一部を違憲と断定。大阪市に1人当たり5000円の賠償を命じました。

 田中裁判長は、アンケートの四つの設問について、勤労者の団結権(憲法28条)やプライバシー権(同13条)を違法に侵害したと認めました。橋下氏は、弁護士でありながら、憲法の意味もよくわからないようです。

 こんな人物が改憲を主張するおおさか維新を引っ張っていくと思うとぞっとします。日本共産党や民主党など野党5党は、「国政選挙で現与党およびその補完勢力を少数に追い込む」ことで合意しています。
安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/03/27 09:47

◎「自民って感じ悪いよね!」

 安倍自民党の放言、疑惑、低劣・卑劣な言動が止まりません。国会議員の資格が疑われる人物ばかりです。日経新聞(2月14日付)は、「若手も古参も自民失態続々」の記事を掲載しています。

 国民をあっといって驚かせ、憤慨させたのは宮崎謙介衆院議員(京都3区)。国会議員が育休を取るといって一躍時の人になっていたのが、一転して国会議員の妻の妊娠中に、タレントとの不倫が週刊誌によって発覚。12日に国会議員辞任に追い込まれました。

 島尻安伊子沖縄・北方担当相は、9日の記者会見で「歯舞」の字が読めず、「えー、何だっけ…」などと言葉を詰まらせ、側にいた秘書官が「はぼまい」と伝えました。北方担当相の知的レベルにあきれてものがいえません。

 丸川珠代環境相は、福島第一原発事故で被曝線量の目標の年間1ミリシーベルトについて、「何の科学的根拠もない」などと7日の講演で発言したことを撤回(12日)し、「福島の皆様には誠に申し訳ない」と陳謝しました。

 甘利明経済再生相は、建設会社への口利きの見返りとして大臣室で50万円を受け取った疑惑が週刊誌で報道されました。あまりにも露骨な口利きに、経済再生相の辞任(1月28日)に追い込まれましたが、いまだに疑惑の全容を明らかにしていません。

60 日経 自民失態続々
(日経新聞、2月14日付から)

 高市早苗総務相は、放送局が政治的な公平性を欠いた番組をくり返し放送し、改善しない場合は、放送法4条違反だとして電波法76条にもとづいて電波停止を命じる可能性があると発言したり、国会で答弁しています。

 戦前の侵略戦争時、ラジオや新聞は政府の検閲のもとで国民を戦争に駆り立てる報道をくり返し、日本を滅ぼすことに手を貸しました。放送法は、その教訓から放送局の自律規範として1950年に設けられたものです。

 高市総務相の発言は、“安倍チャンネル”と揶揄(やゆ)されるNHKにではなく、安保法制(戦争法)で安倍政権批判を強めたテレビ朝日やTBSテレビへの萎縮をねらったものです。

 大学生たちでつくる安保法制反対のシールズ。そのコールでは、「自民って感じ悪いよね!」が盛んに使われました。そのコール通り、感じ悪い政党へ安倍自民党はまっしぐらです。こんな安倍政権を、退陣に追い込む以外にはありません。

安倍政権 | コメント(10) | トラックバック(0) | 2016/02/14 09:54

◎疑惑の人が「賢人会議」に出る皮肉

 建設会社から大臣室で裏金を受け取ったとして、あっせん利得罪の疑いがもたれている甘利明経済再生担当相は1月23日、国会での追及を逃げるかのように、スイスで開かれているダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)に出席しました。

 ダボス会議のまたの名は、「賢人会議」。その討論会で、「安倍内閣の重要閣僚の1人として、総理にご迷惑をおかけしているというのは、本当にじくじたる思いがある」と語りました。

 出発前に、日本共産党の志位和夫委員長は記者会見で、「ダボス会議ってのは賢人会議でしょ? その会議の名にふさわしいかどうかという根本的な資質が問われている」と強烈に皮肉られました。

 産経ニュースが伝えているものです。志位委員長は、「甘利氏に対し『(ダボス会議出席よりも)国民に対する説明責任を果たすことを優先すべきだ』と訴えた」と報道しています。

 さらに、「志位氏は甘利氏について『閣僚の資格はない』と辞任を要求。首相についても『任命権者として真相究明に責任を負う必要がある』と強調した」と伝えました。

 しかも甘利氏が、賢人会議で謝罪したのは安倍首相に対してであり、国民に向けてではありませんでした。朝日新聞は、次のように伝えました。

ダボス会議 甘利氏
(ダボス会議で語る甘利明氏=左から2人目、NHKテレビから)

……
 日本経済に関する約45分の討論会の最後に、司会者の外国人ジャーナリストが、疑惑は安倍政権の経済政策アベノミクスなどに影響を与えないかと尋ねた質問に答えた。甘利氏は「週刊誌報道でたいへんお騒がせしている。もう少し明るい気持ちでここに来たかった。しっかり調査をかけており、来週中には何らかの会見ができるようにしたいと思う」とも述べた。
……

 自民党内にも、「アウトだ」という声が上がる中、24日に帰国した甘利氏。疑惑についてどう釈明するのでしょうか?
安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/01/25 07:21

◎「同一労働同一賃金」というが

 安倍首相は1月22日の施政方針演説で、「本年取りまとめる『ニッポン1億総活躍プラン』では、同一労働同一賃金の実現に踏み込む考えであります」とのべました。

 歴代首相が「同一労働同一賃金」を主張するのは初めてのことで、反響を呼んでいます。日経新聞はさっそく23日付で、「同一賃金 見えぬ具体像」の記事を掲載しています。

 注目するのは、「正規・非正規社員の格差解消に関する首相と主な団体の考え方」という表を掲載し、安倍首相や経団連、連合とともに民主党、共産党の考え方を取り上げていることです。

 日本共産党は、「『同一労働同一賃金』の法定化」を掲げていること、具体的には「正規雇用を基本にし、非正規や女性への不当な差別をやめ、均等待遇を保障」と簡潔に紹介しています。

 日経が取り上げたように日本共産党は、「同一労働同一賃金」をはじめとする均等待遇を長年にわたって掲げてきました。たとえば2014年12月の総選挙政策では、次のように主張しています。

 「ヨーロッパでは、有期雇用は、臨時的・一時的業務、合理的理由のある場合に限定し、正社員との均等待遇を保障しています。日本共産党は、正社員が当たり前の社会をめざし、有期雇用については、臨時的・一時的業務、合理的な理由がある場合に限定し、賃金や有給休暇などの労働条件について正社員と均等待遇にするよう法改正をおこないます」

日経 同一労働同一賃金
(日経新聞、1月23日付から)

 私たちが働くトヨタ自動車には、7万37人の社員とともに9947人の臨時従業員(期間従業員、パートタイマー、派遣社員)が働いています(2015年3月期の有価証券報告書)。

 非正規労働者の割合は12・4%にのぼります。正社員と期間従業員は、同じ仕事をしています。期間従業員の日給は、経験回数によって9500~1万300円です。

 社員の昨年の賃金は、EX級、技能4等級、技能職で月35万7030円です。1日当たり約1万7000円です。単純に比較しても、期間従業員の1・7倍です。

堤工場 期間従業員
(トヨタのバスで独身り寮へ帰る期間従業員ら=堤工場で)

 また、60歳以降の再雇用者(スキルド・パートナー、SP)は、定年前と同じ「1人工」扱いで、同じ仕事をしていても賃金は6割ほどです。正社員と期間従業員、SPとはこれだけの差があります。

 「同一労働同一賃金」とは、期間従業員などの賃金と正社員の賃金を同じにするということです。ヨーロッパでは、正社員と非正規労働者も時給換算で同じ賃金を支払うことは一般的です。

 日本共産党は、「雇用は正社員が当たり前」にし、ヨーロッパと同じように同じ仕事なら同じ賃金を支払うことを法律で決めるとしています。

 日経は、萩生田光一副官房長官が、「何をもって同一(労働)とするかなど、検討すべきことが数多くある。直ちに法案作成や制度設計に入るわけではない」として、具体策は今後としています。

 安倍首相が施政方針演説で口にしたのなら実行すべきでしょう。トヨタ自動車など大企業は、コスト論、国際競争力論などを口実に抵抗するでしょうが、非正規労働者が4割に達した日本で、「同一労働同一賃金」はまったなしです。
安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/01/24 10:37

◎あまりにひどい! 大臣室で裏金

 安倍首相の盟友といわれる甘利明経済再生大臣が、建設会社への口利きの見返りとして大臣室で50万円を受け取った、と1月21日発売の「週刊文春」が報じました。安倍政権を直撃する激震が永田町を襲っています。

 ロッキード疑惑で逮捕された田中角栄・元首相は、秘書が東京・英国大使館裏に止めた自動車の中などで5億円を受け取ったものですが、甘利氏は大臣室でした。白昼堂々と! あまりにもひどい!

 日本共産党の田村智子参院議員は21日の参院決算委員会で追及。甘利氏は「精査させてください」と、現金の受け取りを否定せず、疑惑が深まった形となりました。

 「週刊文春」は、甘利氏が都市再生機構(UR)とのトラブルについて口利きをする見返りに千葉県の建設会社・S興業から、大臣室と地元事務所(神奈川県)で50万円ずつ、計100万円を直接受け取っていたと伝えています。

 甘利氏の秘書を含め、計1200万円以上の供与を受けていたといいます。S興業の総務担当、一色武氏が証言しているものです。

甘利疑惑
(甘利明大臣の疑惑の構図=テレビ朝日系、1月22日から)

 田村議員は、甘利大臣に対し、「あっせん利得罪に当たり得るとの認識はあるか」「50万円を受け取ったことは否定しないのか」とただしました。

 甘利大臣は「私の熱烈ファンだからという連絡があって、3、4人が大臣室にきた」と答え、建設会社側と大臣室で面会した事実を認めました。

 また、田村議員以外のこれまでの追及でも、甘利大臣は一色氏が作成した資料を大臣秘書官に渡すよう、甘利大臣の事務所長に指示したといいます。丸川珠代環境大臣は、環境省の課長が甘利大臣の秘書とS興業関係者と面会した事実を認めました。

 甘利大臣が金を受け取っていたならば、あっせん利得罪になります。あっせん利得罪は、国会議員や公設秘書、地方議員などが、公務員や“みなし公務員”に対して口利きをして、たとえ正当な行為をさせたとしても、見返りに利益を得れば、処罰されます。

 口利き・あっせん行為の範囲は、行政処分の許認可、競争入札、売買などの契約にわたります。政治家は最高で3年以下、秘書は2年以下の懲役。2011年に処罰法が施行されました。

 政府4演説が行われた22日の衆院本会議では、甘利大臣が疑惑を説明していないとして、日本共産党、民主党、維新などの野党が甘利大臣の経済演説の前に本会議場を退席しました。

 甘利大臣は23日、ダボス会議に安倍首相の名代としてスイスに向けて出発しました。2月4日には、ニュージーランドでのTPP参加国の署名式を控えています。

 甘利明大臣、名前の通りなら、疑惑をすべて明らかにすべきです。
安倍政権 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2016/01/23 09:07

◎浜矩子教授の痛快な批判


 経済学者で同志社大学の浜矩子教授は、安倍首相のアベノミクスを“アホノミクス”と批判するなど痛快な批判者として知られています。その浜教授、2月15日に京都市内で開かれた日本共産党の府民集会にメッセージを寄せました。

……
 富国強兵を目指す「取り戻したがり病」におかされた人々から、平和を取り戻そう!
 諸国共生の世界を取り戻そう!
 人のために涙する思いを取り戻そう!
 そのために今、政治を変えよう!
……

ポスター 日本を取り戻す
(豊田市内で2014年12月)

 “日本を、取り戻す。”とは、衆院選挙で安倍首相の顔写真とともに掲げられたスローガンです。何を取り戻そうとしているのか、はっきりしないスローガンですが、さすが浜教授、痛快です。

 侵略戦争に突き進んでいった戦前の富国強兵をめざすものであり、その具体化が、歴代自民党首相でもできなかった集団的自衛権行使の閣議決定です。今通常国会では、その法制化をしようとしています。

 京都出身の自民党の野中広務・元幹事長は、15日放送のTBS番組「時事放談」に出演し、「私は戦争を経験した生き残りの一人だ。どうか現役の政治家に“戦争は愚かなものだ”“絶対やってはならない”ということを分かってほしい」と訴えるなど、安倍晋三首相の政治姿勢を厳しく批判したほどです。

浜教授の著作
(浜矩子教授の著書)

 浜教授は、批判だけではなく、「人のために涙する思いを取り戻そう!」と呼びかけています。そうです。安倍首相、安倍政権に必要なのは、「人のために涙する思い」のはずです。

 そうしたことができないのなら、「政治を変えよう!」と訴える浜教授。むずかしい経済学を、わかりやすく語る浜教授の講演を次のアドレスで読むことができます。

 日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)で語ったもので、「人間不在で貧困放置するアベノミクス=ドーピング経済学が日本を壊す」というタイトルです。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/inoueshin/20140705-00037110/

安倍政権 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2015/02/17 11:39
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