◎軍事費を考える③ 突出する日本

 通常国会が1月20日から始まりました。安倍政権が提出した17年度予算案の審議が3月にかけて行われます。一般会計で過去最高の97兆4547億円になります。

 予算案の特徴は、安保法制(戦争法)の施行を受けて、いっそうの軍拡に乗り出していることです。社会保障費を1400億円も削減する一方で、軍事費は5兆1251億円で16年度当初予算と比べ710億円も増額しました。5年連続で増え、過去最大を更新しました。

 三沢基地(青森県)にF35ステルス戦闘機「臨時飛行隊」を新設します。17年度中に実戦配備を開始し、18年度末に10機態勢にする見通しです。1機あたりの単価は147億円としています。

 トランプ米大統領が、「高すぎる」と批判したF35。ロッキード社は引き下げるとしましたが、日本が購入するF35はどうなるのでしょうか?

 オスプレイは、沖縄県名護市の浅瀬に墜落し、大問題になっていますが、4機を購入しますが、391億円にもなります。

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地本体工事費として、16年度並みの536億円(歳出ベース。契約ベースで1704億円)を再計上しています。護岸工事や土砂の採取・運搬・埋め立て費用などが含まれています。

12 辺野古の海
(沖縄県名護市の辺野古の海)

 辺野古新基地の建設を含む米軍再編関係経費(「地元負担軽減」を口実に基地強化などを図る分)は、2011億円(16年度比245億円増)で、過去最高額を大きく更新しました。

 在沖米海兵隊のグアム移転経費265億円(同年度比125億円増)や、岩国基地への米空母艦載機移転902億円(同190億円増)など大幅に増やしています。米軍への「思いやり」予算も1946億円(同26億円増)を計上しています。

 防衛省が大学などに武器開発に応用可能な研究費を出し、軍事研究の下請け機関に変質させる「安全保障技術研究推進制度」に110億円を計上しています。何と16年度の6億円から一気に18倍増です。

 これが憲法9条を持つ国なのでしょうか。自衛隊を海外で戦争させる戦争法のもとで、安倍政権の危険な軍拡路線にストップをかけることは急務となっています。

戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/01/28 08:03

◎軍事費を考える② F35、岩国配備へ

 NHKは1月11日、次のようなニュースを伝えました。

……
 アメリカ海兵隊は最新鋭ステルス戦闘機F35、10機がアメリカ国外で初めての配備先となる山口県の岩国基地に向けて出発したと発表しました。これはアメリカ海兵隊が10日に発表したものです。それによりますと、最新鋭ステルス戦闘機F35、10機が西部アリゾナ州の基地から配備先となる山口県の岩国基地に向けて今月9日、出発したということです。

 F35がアメリカ国外の基地に配備されるのはこれが初めてで、今週中にも岩国基地に到着し、FA18戦闘攻撃機などと交代する予定だということです。今回、配備されるF35はレーダーに映りにくいステルス性能に加え、海兵隊の作戦用に垂直に離着陸できる能力も備えており、海兵隊の当局者によりますと、一部は沖縄の第31海兵遠征部隊の指揮下に入り、訓練などを行う計画だということです。
……

30 NHK F35 岩国へ
(NHKから)

 F35はレーダーに映りにくいステルス性能を持ったものです。アメリカには、陸海空の3軍の他に、“なぐり込み部隊”といわれる海兵隊がありますが、その遠征部隊に使われるといいます。安倍政権が15年に強行した安保法制(戦争法)のもとで、日米の軍事強化は着々とすすめられています。

 「しんぶん赤旗」(1月12日付)は、「沖縄ではすでに、F35配備を想定して、①嘉手納基地に格納庫・駐機場を整備②伊江島の離着陸訓練場を拡張③沖縄本島北部の訓練空域を拡大―が推進・計画されています」と指摘しています。

 また、「IHI瑞穂工場(東京都)と三菱重工小牧南工場(愛知県)へのF35リージョナルデポ(整備拠点)設置に伴い、隣接する横田基地(東京都)、小牧基地への飛来も予想されます」とのべています。

 愛知県に飛来するというのです。昨年10月に、アメリカで飛行中に出火し、最も深刻な「クラスA」に分類される事故が発生。爆音や大気汚染などへの影響を調べるために、複数の州で環境影響評価(EIA)が実施されているのに、日本では関係自治体へのまともな説明はないといいます。

 オスプレイが、わがもの顔で飛び回る日本。F35をそのようにさせてはならないでしょう。

戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/01/27 08:51

◎軍事費を考える① ロッキード社3つの驚き

 「ロッキードの社長って女性なの?」
 妻がテレビを見ていて驚いた。トランプ氏が米大統領に就任する前の1月13日、ロッキード社のマリリン・ヒューソン最高経営責任者(CEO)がトランプ氏と会談した。

 戦闘機などを生産する軍需会社のヒューソン氏が女性であることに、妻は驚いたのである。命を産み育てる女性は、男性と違い平和主義者だという思いが頭にあるからだ。

 トランプ氏は、ツイッターでロッキード社のF35ステルス戦闘機が高すぎる、と得意のツイッターで批判したことから会談になったものである。トヨタ自動車など自動車メーカーをツイッターで批判したことと同じ手法だった。

20 ロッキード CEO F35


 日経新聞(1月14日夕刊)によると、米国防総省は、F35を2400機以上購入する予定だが、開発の遅れで経費は当初計画の倍近い4000億ドル(約46兆円)になるという。1機当たり191億円(1ドル=約115円で)ほどにもなる、史上最高額の航空機といわれる。

 ヒューソン氏は会談後、契約間近の90機については、「大幅に価格を下げた」という。その上で、米国内で雇用を増やすことを明らかにした。どれくらい価格を引き下げたかは明らかではない。

 このニュースを聞いたり、読んだりして3つのことを考えた。①軍事会社のCEOが女性であったこと、②F35に約46兆円も投じる、そのばく大な金額のこと、③大統領になる人間の一声で、価格が下がったこと――である。

 トランプ氏は、大統領選で在日米軍の撤退や駐留経費の増額要求にふれた。就任するとマティス国防長官(元米中央軍司令官)が早速、2月に日本を訪れる。安倍首相は1月25日の国会答弁で、「日米同盟は外交安全保障政策の基軸」とのべ、トランプ大統領との信頼関係の構築をすすめるとのべた。

 メキシコとの国境に壁をつくる大統領令に署名するなど、その異常な政策にトランプ大統領は世界から総反発をくらっている。これを機に、軍事費について考えてみたい。
戦争と平和 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/01/26 16:12

◎正月に「3日」行動

 作家の沢地久枝さんが呼びかけた毎月3日の「アベ政治を許さない」の行動が1月3日、豊田市駅前で行われ18人が参加した。全国各地で午後1時を期していっせいに行われた。

3日行動1 201701


 正月三が日とあって、ペデストリアンデッキは、閑散としていた。トヨタ自動車の企業城下町・豊田市には全国から多くの労働者が集まっている。故郷で正月を過ごしているのだろう。

3日行動3 201701


 行動では、参加者がリレートーク。「安倍政権を倒して国民のための政治を」と訴えた。参加者の1人は、「アベ政治ノー」と書いたゼッケンを付けて訴えていた。

 ・安保法制=戦争法は廃止!
 ・自衛隊は南スーダンから撤退せよ
 ・「格差と貧困」広げるアベノミクスは中止!

3日行動2 201701


 ・原発再稼働をやめよ!
 ・核兵器禁止条約の交渉に反対するな!
 ・ロシアには領土返還を迫れ!
 ・沖縄辺野古基地建設は中止!

 参加者は、今年も頑張ろうと誓い合って午後1時30分に行動を終えた。
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/01/03 18:21

◎沖縄はいまだに米の植民地か?

 沖縄には、アメリカの陸海空の3軍の他に、海兵隊があり4軍が常駐しています。その海兵隊が13年にまとめた「戦略展望2025」では、「最大で約51%の使用不可能な北部演習場を日本政府に返還する間に、限られた土地を最大限に活用する訓練場が新たに開発される」と明記しています(琉球新報、7月27日付)。

 12月22日、沖縄県名護市で安倍政権は、米軍北部訓練場(7800ヘクタール)のうちの約4000ヘクタールが日本に「返還」されとして、ケネディ米大使や米軍幹部らを呼んで「返還式」を行いました。菅義偉官房長官や稲田朋美防衛相らが北部訓練場の地図を掲げてアピールしました。

 日本の米軍基地のうちの沖縄県が占める割合は約74%から約70%に減ったことを安倍政権は、「負担軽減」になったと持ち上げています。実態は、「戦略展望2025」が指摘しているように、谷など「使用不可能」なところを「返還」しただけで、オスプレイ発着に必要なヘリパッドが「新たに開発」されただけのことです。

首相専用機に
(12月22日の抗議集会で=ネットから)

 「返還式」と同じ日、名護市では「オスプレイの墜落抗議と撤去を求める緊急抗議集会」(県内の政党や経済界有志、市民などでつくる「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」主催)が開かれ、約4200人の沖縄県民らが参加しました。

 オスプレイの墜落で、「返還式」への出席を拒否した翁長雄志沖縄県知事が、集会であいさつしました。

翁長知事あいさつ
(12月22日の抗議集会であいさつする翁長雄志沖縄県知事=ネットから)

 「重大事故を起こしたオスプレイの着陸帯を造り、返還式典を強行した政府には、県民に寄り添う姿勢が全く感じられない。県民は新基地建設を断念させるまでたたかい抜くものと信じている。建白書の精神に基づき、辺野古新基地は絶対に造らせない、オスプレイの配備撤回の公約実現に向け、不退転の決意で取り組む」

 安倍政権との対決で一歩もしりぞかず、毅然とした知事のあいさつに会場からは、鳴りやまぬ手拍手が続いたといいます。

 オスプレイの墜落事故では、海上保安庁が捜査の申し入れをしたにもかかわらず、米軍は何も回答しないままに機体の撤収作業を一方的に行いました。日米安保条約に基づく屈辱的な地位協定で、アメリカ軍の同意が必要だからです。

 それにもかかわらず、事故から1週間もたたないうちのオスプレイの飛行再開を、菅義偉長官や稲田防衛相は、「理解できる」として認めたのです。オスプレイ墜落の一連の安倍政権の動きを見ると、沖縄県には日本の主権が及ばず、アメリカの植民地状態になっているのか、と思わざるをえません。

 植民地主義は、20世紀で終わったはずです。その植民地主義が沖縄県では、いまだに跋扈(ばっこ)しています。県民が選んだ翁長知事が、毅然として米軍と安倍政権に対峙する姿には、日本の明るい未来を感じさせるものがあります。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/12/25 11:47

◎だらしない外交だった

 プーチン・ロシア大統領に振り回されて、領土問題で1mmもすすまなかった安倍政権は、米軍のオスプレイの飛行再開でも「理解できる」(菅義偉官房長官、稲田朋美防衛相)と屈辱的な外交を続けています。

 日本共産党の志位和夫委員長は、12月18日放送のNHK日曜討論で、日ロ首脳会談(15~16日)について、「一言で言って、大変だらしのない外交だったと思います。肝心の領土問題ではまったく進展がなかった」と批判しました。

 その上で、プーチン大統領は首脳会談を前に、(旧)ソ連への「千島列島の引き渡し」を取り決めた米英ソ3国による1945年のヤルタ協定を念頭に、「しかるべき国際的な文書によって確定している」とのべており、領土問題は存在しないとの態度だと指摘しました。

 それなのに安倍首相は、「新しいアプローチ」の名で、領土問題を脇に置き、まずは経済協力だという態度をとったと指摘。「これ(で)は一歩も前進しません」と批判しました。

 志位委員長は、日ロ領土問題の根本には、「領土不拡大」という第2次世界大戦の戦後処理の大原則に背いて、1945年のヤルタ協定で「千島列島の引き渡し」を勝手に決めたこと。1951年のサンフランシスコ平和条約で、ヤルタ協定に拘束されて、日本政府が「千島列島の放棄」を宣言してしまったことにあると強調しました。

 そして、この戦後処理の不公正を是正することを領土問題の解決の中心に据えなくてはならないのに、日本政府は70年余、一度もこの戦後処理の不公正の是正を求めたことがないために領土問題が一歩も進まなかったとのべました。

 こうした外交姿勢を改め、「全千島列島の返還を堂々と求める交渉をやる。その過程のなかで初めて、国後、択捉を取り戻す道も開けてくる。それから、歯舞、色丹については北海道の一部ですから、中間的な友好条約で速やかな返還を求める。ここに(交渉方針を)切り替える必要があると思います」と指摘しました。

30 日曜討論 志位 大変だらしない外交だった
(NHK日曜討論で発言する志位和夫委員長=12月18日放送から)

 志位委員長がのべたように、相手がどんな国であろうとも、大義をかかげて堂々と交渉することこそ、問題が解決する道でしょう。相手に気に入られるような姑息な方法では、こちらの姿勢を見透かされ、一歩もすすまないでしょう。

 日本共産党は来月開く第27回大会決議案で、ロシアには、国連憲章、国際法の原則を踏みにじったクリミアの併合などにみられるようにスターリン時代の覇権主義が復活していると指摘しています。

 また、中国に対しても、核兵器禁止条約に背を向けたり、東シナ海と南シナ海での力による現状変更をめざす動きなど、新しい大国主義・覇権主義があらわれていると指摘しています。

 毛沢東時代の日本共産党への無法な干渉で、32年余にわたって両党間は断絶状態でした。中国共産党は、干渉の反省のうえに、「日本共産党と中国共産党との関係正常化についての合意」(1998年)をしました。そこで表明した両党関係を律する基準の原則とは現在、まったく相いれない態度になっているとのべています。

 そして中国に対し、「大国主義、覇権主義の誤りを真剣に是正し、国際社会の信頼をえる大道に立つことを求める」と強調しています。決議案は次のアドレスで読めます。
http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/26th-7chuso/27taikai-ketsugi-an.html


 日本共産党は、相手がどんな国であろうとも、大国主義、覇権主義には断固としてたたかってきました。日露首脳会談やオスプレイの飛行再開問題を見ると、日本外交にはこうした姿勢が決定的に欠けていることを痛感します。
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/12/21 08:59

◎米軍と安倍政権を擁護するのですか?

 米軍のオスプレイの飛行再開(12月19日)は、沖縄県民ばかりか全国民から怒りが高まっています。しかも、それを「理解できる」と語った菅義偉官房長官や稲田朋美防衛相の卑屈極まりない外交姿勢にはあきれます。

 このことを伝えた、このブログ「トヨタで生きる」には、米軍と安倍政権を擁護するコメントが寄せられ、唖然としました。

……
赤旗の報道トリック
1)新聞掲載時はタイベックスーツを着ていない写真があるのにネットでは意図的にタイベックスーツでの作業風景を掲載
2)ガラス繊維やカーボンなどの解体時の作業風景を放射性物質があると捏造
3)遠く離れた海上に不時着して沿岸に漂着したのを沿岸に墜落したと捏造。
……

 写真をよく見てください。防護服に、いわゆるガスマスクをしています。福島第一原発に入る人や作業者と同じスタイルです。単なる作業時の服装とは思えないでしょう。

 それも、海上保安庁が捜査の申し入れをしたにもかかわらず、米軍は何も回答しないままに機体の撤収作業を一方的に行ったからです。事故原因がわからず、なぜ防護服で作業したかも理解できないからです。“事故隠し”といわれても仕方がないでしょう。

 日米安保条約の地位協定で、捜査には米軍の同意がいるからです。今回のオスプレイの墜落事故で、翁長雄志沖縄県知事が指摘するように、日本は果たして「法治国家」でしようか? アメリカの属国です。

 実際、内田樹神戸女学院大名誉教授は、日本とアメリカの関係について論じる中で、日本はアメリカの「属国、衛星国」と断定。安全保障も外交も、エネルギーも食料などあらゆるものが「アメリカの許諾がいる」とのべています。

60 オスプレイ墜落 共同通信


 さらにこのコメント者は、「遠く離れた海上に不時着」とのべていますが、メディアはいっせいに「海岸から約80mの浅瀬」に墜落したと報道しています。共同通信の写真を見れば、これも一目瞭然です。

 何がなんでも「しんぶん赤旗」のトリックに仕立て上げようという意図が見え見えです。米軍と安倍政権を応援しようという何物でもないでしょう。アメリカいいなりは、もうやめましょう。

戦争と平和 | コメント(8) | トラックバック(0) | 2016/12/20 10:43

◎オスプレイ飛行再開 核防護服姿で撤去作業も

 沖縄県名護市安部の浅瀬に墜落(12月13日)した米海兵隊普天間基地のオスプレイ。1週間もたたない19日午後2時ごろ、米軍は普天間基地からオスプレイの飛行再開を強行しました。

 稲田朋美防衛相は同日、「米側の対応は合理性が認められる。空中給油以外の飛行再開は理解できる」とのコメントを発表。翁長雄志沖縄県知事は、「言語同断だ。法治国家か」とアメリカいいなりの安倍政権を厳しく批判しました。

オスプレイ 飛行再開 NHK
(普天間基地で飛行を再開した米軍オスプレイ=19日、NHKから)

 米軍は、オスプレイの設計や構造が事故原因ではないなどと説明しています。しかし、米軍は、海上保安庁の捜査申し入れにも何も回答せず、機体の撤収作業を一方的に行っています。日本の領土内で、事故原因の究明を何もできないのです。日米安保条約の地位協定で、米軍の同意がいるからです。

 これに異議も申し立てず、「米側の対応は合理性が認められる」などと語る防衛相。アメリカいいなりの姿勢は、翁長知事が批判するように法治国家のかけらもなく、独立国としての誇りも何もありません。

 しかも撤収作業では、白い防護服にガスマスクをしてオスプレイを切断する作業をする米兵の姿が確認され、核物質への対応か、と衝撃を与えています。

米兵 防護服姿
(防護服姿で墜落したオスプレイの撤収作業をする米兵=ネットから)

 16日から17日にかけてのことで、その姿が写真に撮られています。沖縄国際大に、普天間基地所の大型輸送ヘリが墜落(2004年)した時も、米兵が防護服姿で作業、土壌も掘り起こしていました。

 「しんぶん赤旗」は18日付で、「2004年8月に米空軍ライトパターソン基地第88航空団環境管理部の公式ホームページ上の『航空機放射性物質データベース』(現在は削除)によれば、回転翼監視システムに放射性物質のストロンチウム90を使用している」と伝えています。

 墜落現場からは歩いて10分ほどに住宅街があり、大惨事になるところでした。今回判明したように、核防護服姿で米兵が作業するのは、通常の飛行機やヘリコプター事故では考えられないことです。

 米軍は、オスプレイを住宅密集地の東京・横田基地など全国で飛ばす計画をたてています。沖縄県だけの問題ではなく、全国民の問題になっています。欠陥機オスプレイは、2度と日本で飛ばすな、の声をあげましょう。
戦争と平和 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2016/12/19 17:28

◎やっぱり! 墜落したオスプレイ

 事故をくり返し、“未亡人製造機”とも呼ばれてきたオスプレイ(垂直離着陸機MV22)が12月13日午後9時30分ごろ、沖縄県名護市安部の沿岸から約80メートルの浅瀬に墜落、機体が大破しました。

 墜落現場は、民家が並ぶ集落から数百メートルのところでした。当初、「不時着」などとの報道や「パイロットの意思で着水した」(菅義偉官房長官)などと墜落事故を小さく見せかける動きがありました。

 米軍の準機関紙「スターズ・アンド・ストライプス」は「crssh」(墜落)と、はっきり伝えています。

 事故機は、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のもの。夜間訓練でKC130空中給油機から、オスプレイが給油を受ける際、給油のホースにオスプレイのプロペラが接触。飛行が不安定になったために、普天間基地に戻らず、名護市辺野古のキャンプシュワブへ向かう際に墜落したものです。

オスプレイ墜落 沖縄


 オスプレイは、開発段階の1990年代から墜落などの重大事故をくり返してきました。日本国内での事故は、2012年10月の配備以来、初めて。住宅密集地の米空軍横田基地(東京都)をはじめ、本土でも訓練・配備計画があります。

 沖縄県の翁長雄志知事は14日、外務省沖縄事務所と沖縄防衛局の担当者を県庁に呼び、厳しく抗議。オスプレイの飛行中止と配備撤回を求めました。

 安慶田光男副知事は、在沖縄米軍トップのニコルソン4軍調整官(第3海兵遠征軍司令官)に抗議しましたが、「住宅上空を飛ばなかったことを感謝されるべきだ」などと県民を逆なでするような発言をしました。

 「ニコルソン氏は机をたたく勢いで、感情的になっていた。植民地意識丸出しだと感じた」(安慶田副知事)というひどい対応だったといいます。

 米軍は14日、事故機の機体の回収作業を一方的に実施。那覇の第11管区海上保安本部が捜査に着手しようと米軍に要請していましたが、回答をしないままでの回収作業でした。

 日米安保条約に基づく地位協定で、米軍の同意がない場合には捜査もできないからです。事故原因を日本側が明らかにできず、日本の国家主権を侵害されることが、また起きました。
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/12/15 14:40

◎遠いアフリカで 「殺し、殺されるのか」

 グーグルマップは、宇宙から地球の隅々まで、その場所がどういうところかを明らかにしてくれます。たとえばアフリカの南スーダン。日本人にとって、ほとんどなじみのない国です。

 その国の首都、ジュバをグーグルマップで見つけ、上空からの写真を見てみました。ジュバ空港の滑走路、森林に住宅地…。アメリカのグーグルらしく、アメリカの南スーダン大使館を明記しています。

直し 南スーダン ジュバ
(南スーダンの首都、ジュバ=グーグルマップから)

 同大使館の近くには日本大使館があり、滑走路のそば近くに陸上自衛隊の宿営地があります。ここに、陸上自衛隊第11次隊がいます。第11次隊は、第9師団(青森駐屯地)を中心とした約350人で編成されています。

 安倍政権が昨年9月に国会で強行成立させた安保法制=戦争法に基づく「駆けつけ警護」の新任務が12月12日午前0時(日本時間午前6時)から可能になりました。

 南スーダン政府軍との交戦や他国軍の「警護」も可能です。武器使用が認められたために、自衛隊員が「殺し、殺される」ことになる可能性があります。戦後71年、憲法9条のもとで、戦争によって日本人のだれ1人が殺されず、殺しもしなかったことが終わることになりかねません。

 青森市では、自衛隊を家族に持つ人々の不安が高まっています。「孫が『南スーダン派遣を打診された』と言ったとき、しばらく娘と一緒に泣きました。なんで銃を持って、外国に行かなきゃならないんですか」――と。

 安倍政権は、その危険な道に踏み込んだのです。朝日新聞は、南スーダンの主要都市ワウに入った記者のルポを掲載しています(13日付)。

……
 砂嵐が吹き荒れる市街地を、南スーダン政府軍兵士を乗せたトラックや国連の装甲車がひっきりなしに行き交う。西部の主要都市ワウ。6月に戦闘があり、40人以上が死亡した。地元メディアは、最大民族ディンカと少数民族が衝突したと伝えた。

 衝突後にできた国内避難民保護区では、約4万人がテントで暮らす。

 「私が男なら報復したい」。少数民族のハワ・フランシスさん(29)は泣き叫んだ。夫がディンカの政府軍兵士に足を撃たれ、軍施設に監禁された末に餓死したという。ジュマ・アシャナさん(20)の自宅もディンカの政府軍兵士に襲われ、兄が射殺された。「同じ南スーダン人なのになぜ殺そうとするのか。理解できない」
……

 12月7日の党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長は、安倍首相にこう迫りました。

 「憲法違反の武力行使につながる新任務付与はただちに撤回し、自衛隊をすみやかに撤退させ、日本の支援は非軍事の人道支援、民生支援に切り替えるべきだ」
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/12/13 12:17

◎アベ政治の強行採決許さない 「3日行動」

 作家の沢地久枝さんが呼びかけた、毎月3日午後1時の「アベ政治を許さない」のボードを掲げる全国でのいっせい行動。豊田市では12月3日、豊田駅前のペデストリアンデッキで行われた。

 昨年9月、戦争法=安保法制を国会で強行採決し成立させた安倍自公政権。暴走政治に歯止めがなくなり、これに日本維新の会が加わって、いっそう凶暴化し、▽環太平洋連携協定(TPP)承認案・関連法案、▽「年金カット法案」、▽カジノ法案の3つを衆参で強行したり、しようとしている。

許さない 20161203の1


 「3日行動」の前日の2日には、衆院内閣委員会でカジノ法案を強行した。たった2日間、わずか6時間で。全国紙5紙がそろって、その異常さを社説で批判するほどだ。

 維新は、大阪に2回目の万博を呼び込み、その目玉にカジノをかかげている。カジノに経済効果があるのか? 人の金を集めて博打をするだけだ。ギャンブル依存症の怖さは言うまでもない。

許さない 20161203の2


 安倍政権は、維新を引き込んだ上に、憲法9条改悪の手助けをさせようとしている。維新の本質がはっきりしてきた。

 20人の参加者は、交代でリレートークし、衆院選挙では、「市民と野党の共闘で安倍政権を打倒しよう」と訴えた。この日は、久しぶりに晴れ渡り、暖かい日だった。

許さない 20161203の3
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/12/05 11:44

◎駆けつけ警護で殺し、殺される 豊田駅前で「19日行動」

 戦争法(安保法制)が安倍政権や自民党、公明党によって昨年9月19日に強行採決されたが、以来、毎月19日に“月命日”のようにスタンディング行動が全国で行われている。

 豊田市では、11月19日が土曜日になったので、午後6時からの行動を午後3時にくり上げた。豊田駅前のペデストリアンデッキに20人が集まりプラカードをかかげ、リレートークした。

19行動3 20161119
(豊田市)

 安倍政権は、戦争法にもとづいて、自衛隊に駆けつけ警護の新任務を与えた。南スーダンPKO(国連平和維持活動)に参加する陸上自衛隊員が20日に、首都ジュバの宿営地に到着するという。

 リレートークでは、安倍政権の駆けつけ警護付与によって、自衛隊員が戦後初めて“殺し、殺される”事態に追い込まれる、と厳しい批判の声が出された。

19行動2 20161119
(豊田市)

 戦争法廃止を求める署名を呼びかけたところ、若い人が次々応じてくれた。なかには署名用紙をもらって、周囲の人々に訴えると語ってくれた人もいた。

 戦争法廃止のポケットティッシュ1000個を配ったところ、こころよく受け取ってくれ、1時間のスタンディング行動の終了前にすべてなくなった。これからも毎月、粘り強く続けて、世論を広めなくてはと思った。

19行動1 20161119
(豊田市)

 夕方、忘年会のために刈谷駅に行くと、ここでも30人以上の人たちがゼッケンをしてスタンディング行動をしていた。励まされる。日本の隅々で行われていると思うと心強い。

知立 19行動 20161119
(刈谷市)
戦争と平和 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2016/11/21 14:32

◎「殺し殺される」危険 駆け付け警護 閣議決定 南スーダンPKO

 知っていますか? 外務省のホームページを見ると、南スーダンは「退避勧告」の国です。外務省は、渡航する際、「レベル1」の「十分注意してください」から「レベル4」の「退避してください。渡航は止めてください」まで4段階の目安を示していますが、南スーダンは最悪の「レベル4」です。

 その南スーダンへ、安倍政権は自衛隊を送り込もうとしています。安倍政権は11月15日、自衛隊初の任務として「駆け付け警護」を盛り込んだ実施計画の変更を閣議決定しました。

南スーダン 退避
(最悪の「レベル4」の南スーダン=外務省のホームページから)

 昨年9月の参院で、憲法違反の集団的自衛権の行使などを盛り込んだ戦争法(安保法制)を安倍政権と自民党、公明党などが強行し、今年3月に施行されました。閣議決定は同法にもとづくものです。

 具体的には、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)で、自衛隊は任務遂行に必要な武器使用が認められるため、南スーダンで「殺し、殺される」最初の例となる危険があります。

 戦後71年、日本は戦前の侵略戦争の深い反省にもとづいた憲法9条のもとで、日本人は戦争でだれ1人殺さず、だれ1人も殺されないできました。憲法違反の安倍政権がこれを壊そうとしているのです。

 戦前、発刊禁止の弾圧を受けるなかでも戦争反対をつらぬいてきた「しんぶん赤旗」(16日付)は、次のように伝えました。

……
 陸上自衛隊第9師団第5普通科連隊(青森市)を基幹とする次期派遣部隊(第11次隊)の要員約350人は20日から順次現地に送られます。第10次隊と交代する12月12日に新任務が実施可能となる予定です。

 政府は駆け付け警護について、①自衛隊から離れた場所で襲撃を受けている国連職員やNGO(非政府組織)関係者などの要請を受けた場合、武器を持って救出に向かう②他国軍の警護は想定されない―と説明。また、自衛隊の宿営地を他国部隊と連携して守る「共同防護」の任務も付与されます。

 政府が発表した「新任務付与に関する基本的な考え方」によると、新任務の対象地域を首都のジュバとその周辺に限定するとしています。

 また、実施計画には①南スーダン政府の受け入れ同意が安定的に維持されている②紛争当事者間の停戦合意などPKO参加5原則が満たされていても、安全を確保しつつ有意義な活動を実施することが困難な場合は「部隊を撤収する」―ことを加えました。

 政府はこうした措置により自衛隊員の安全が確保されるとの立場です。しかし、南スーダンでは2013年12月に大統領派と副大統領派との内戦が勃発して以降、武力による対立が深刻になりました。

駆けつけ警護の訓練
(駆けつけ警護の様子を公開した自衛隊=テレビ朝日から)

 今年7月にはジュバで大規模な戦闘が起こり、300人を超える死者が出るなど、治安が悪化。政府軍が国連施設を攻撃し、国連や援助関係者をレイプ、暴行する事態も発生しています。

 自衛隊が新任務を実行すれば、政府軍との交戦も想定され、憲法が禁じる「海外での武力行使」につながる危険があります。
……

 安倍政権の閣議決定に対し、労働組合などでつくる「総がかり行動実行委員会」が15日、首相官邸前で「戦争法の発動を止めよう」などと抗議行動。国会議員会館前でも、「戦争をさせない1000人委員会」などが抗議し、戦争法廃止の取り組みを強めようと呼びかけました。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/11/17 09:57

◎どこまでアメリカいいなりなのか

 あきれて物が言えないほどです。どこまでアメリカいいなりなのか! 国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)が、核兵器禁止条約について交渉する国連の会議を来年に招集するとした決議案に、唯一の戦争被爆国の日本が反対したからです。

 10月27日のことです。これまで少なくとも棄権していましたが、今回は米国など核保有国と歩調を合わせて反対に回ったからです。オバマ大統領をヒロシマに呼び、核廃絶を表明した安倍晋三首相の言動は何だったのでしょうか。

 決議案は、賛成123カ国、反対38カ国、棄権16カ国で、圧倒的な賛成多数で採択されました。核保有国5カ国(米英仏中ロ)のうち、中国は棄権し、他の4カ国は反対しました。韓国、北大西洋条約機構(NATO)諸国などは反対や棄権に回りました。

 “核抑止論”の立場から、段階的削減に立つアメリカの圧力があったといわれ、日本は棄権から反対に回ったのです。日本の被爆者はもちろん、世界の国々から日本を批判する声があがっています。

 決議は、「核兵器を禁止し、完全廃絶につながるような法的拘束力のある措置」について交渉するとしています。ヒロシマ、ナガサキへの原爆投下から71年。“法的拘束力”を持つという核兵器禁止へ向けて、大きな、大きな一歩となるものです。

 年内に国連総会の本会議でも賛成多数で採択される見込みです。会議は、来年3月27日から31日、6月15日から7月7日の2会期、ニューヨークで開くと明記しています。

 国際機関や非政府組織(NGO)など市民社会も参加するとしています。日本が反対したことについて佐野利男軍縮大使は、「実効的な核軍縮は核保有国と非保有国の協力の下で進める必要がある」などと言い訳しました。

東アジア地図


 ちょうどこのころ、フィリピンのドゥテルテ大統領が初めて来日し、安倍首相らと会談しました。ドゥテルテ氏は、過激な言動でひんしゅくを買っていますが、一方ではまともなことを率直に語っています。

 「軍事的にも経済的にもアメリカと決別する」「2年以内に外国軍に出ていってもらいたい」「(フィリッピンは)植民地ではない」などとアメリカにはっきりと語っています。

 安倍首相との会談でも、「犬のように(米国に)パンを遠くに投げられる。問題があるたびに『援助を止める』と言われる」(朝日新聞、10月28日付)と語ったといいます。

 アメリカいいなりの日本とアメリカに物を申すフィリッピン大統領。東アジアの独立国で、これほどの違いがあるのです。
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/11/01 09:03

◎大震災と「鉄人28号」

 鳥取で震度6弱の地震があった(10月21日)。熊本では震度7の地震が2回もあった(4月)。改めて地震列島・日本を考える。大都市を襲った阪神淡路大震災(1995年)からは21年にもなる。

 阪神淡路大震災で、火災による大きな被害を受けた1つが神戸市長田区である。1月17日の震災の朝、ヘリコプターから映し出された高速道路の倒壊、あちこちから燃え上がる火の手…衝撃的だった。

 その長田区にある「鉄人28号」像のお色直しが10月17日、始まったという。鉄人28号は、神戸出身の横山光輝さんが月刊誌『少年』に1956年から連載したもので、5年前にデビューした鉄腕アトムと並ぶほどの人気漫画となった。

 リモコンを握れば、正義のためにも悪のためにも利用される。少年探偵の金田正太郎の活躍と合わせ、はらはらドキドキして読みふけったものだ。その「鉄人28号」の像が、震災復興のシンボルとしてJR新長田駅南側の若松公園につくられたのは2009年。

 NPOによってつくられたもので、高さ約15mという巨大なものだ。その像の痛みが目立つようになり、原作に近い明るいコバルトブルー色に塗り替えられるという。

12 写真 鉄人28号
(「鉄人28号」=神戸市長田区)

 トヨタ自動車では、生産ラインで溶接ロボットが活躍する。トランペットを吹くロボットは、おなじみになった。この冬、コミュニケーションロボット「KIROBO mini」を3万9800円(消費税別)で発売するという。

 スマホと連携するもので、高さ10cmで、手のひらにおさまるという小ささだ。人工知能(AI)が急速に発展し、子どもたちの夢だったアトムや鉄人28号が現実のものになる時代がやってきた。

 一方で、ロボット兵器が登場している。ロボット同士の戦争なんて、想像するだけでも恐ろしい。SF作家アイザック・アシモフが唱えた、ロボットは人間に危害を加えてはならないなどという「ロボット3原則」の適用も現実のものになってきた。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/10/26 05:51

◎益川敏英自伝 『僕はこうして科学者になった』

 今年の正月明けから3月まで、中日新聞・東京新聞に、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さん(名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構機構長)の自伝が掲載されました。読みやすく、痛快な益川さんの自伝が『僕はこうして科学者になった』(文芸春秋)として出版されました。

 益川さんが小林誠(高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授)さんともに、クオークが6種類あることを予言した「CP対称性の破れ」の論文で受賞したのは、2008年。リーマン・ショックで、日本が派遣切りの嵐が吹き荒れた暗い時代でした。

 冒頭、思わず爆笑するのは、受賞後、駅のホームの中央を歩くようになったというエピソード。日本中に顔が知られ、突然、握手を求められることが多く、ホームの端を歩くとレールに転落しそうになるからといいます。

 英語が苦手で、唯一の英文の博士論文を書いたものの、指導教授から真っ赤に直された原稿を秘書にタイプを打ち直ししてもらいますが、そのタイピストと恋人になり、やがて結婚にこぎつけます。

益川自伝
(『僕はこうして科学者になった』=文芸春秋=から)

 自伝には、ノーベル賞受賞記念講演が掲載されています。冒頭、英語が話せない、というところだけ英語で話し、後は日本語で「CP対称性の破れ」について語ります。

 物質と反物質のわずかな性質の違いが「CP対称性の破れ」といいますが、講演では方程式も引用して語るために、極めて難解で、いくら読んでも理解ゼロです。

 この講演で、戦前、父親の小さな家具工場が「自国が引き起こした無謀で悲惨な戦争で無に帰した」とのべたところ、「学問の場で戦争の話をするのはいかがなものか」と批判されたといいます。

 益川さん、ノーベルがダイナマイトの発明で財をなした人であることにふれ、「何が悪いのか分からない」とのべ、「むしろ科学と戦争のかかわりについて考える大切な機会」と反論します。

 自伝の最後の方で、「戦争はあと200年後でなくなる」と語っています。安倍政権の安保法制(戦争法)に反対し、学者の先頭にたった益川さんの思いが詰まった言葉と感じました。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/10/24 10:00

◎豊田市伝統の10・21市民集会、デモ

 今年も「10・21」がやってきた。アメリカのベトナム侵略戦争に反対して世界的規模で統一的に開かれた10月21日の「10・21国際反戦デー」。豊田市では、1966年から欠かさず、一貫して続けている。それから半世紀、いまでも10・21を続けているのは全国でも極めて珍しいという。

 豊田駅前のマック前広場に約40人が参加して集会を開いた後、市内中心部をデモ行進した。手作りのプラカードやのぼり、鳴り物、ペンライトなどの光る物をかかげて市民に訴えた。

1021集会1 2016

1021集会2 2016


 「安倍政権打倒 市民と野党の共闘で暴走政治転換を」――むしろ旗を思い起こさせるような大きなプラカードも登場した。

 安倍政権が昨年9月に戦争法(安保法制)を強行し、戦闘が行われている南スーダンへ自衛隊をPKOの駆けつけ警護で送ろうとしている。戦後71年、“殺し、殺される”ことが初めて起きる可能性がある。

 伝統の10・21集会・デモで、自衛隊の派遣反対を訴えた。同時に、介護保険改悪や年金カット法案反対など暮らしを破壊する安倍政権をやめさせようと訴えた。

1021集会3 2016

1021集会4 2016


 この日は、週末の金曜日。トヨタ自動車でなどで働き、電車で通勤している人たちが1週間の疲れをいやそうと、駅周辺の飲食店に集まり、どこもいっぱいだ。「安倍政権をやめさせよう!」とのシュプレヒコールに、店の中からも手を振ってくれる人がいた。

 この日は、また午後2時過ぎに鳥取県で震度6弱の地震が起きた。名古屋市でも震度2を記録した。「すわー、原発は?」 島根原発(島根県松江市)、伊方原発(愛媛県伊方町)は、異常はなかったという。地震のたびに、原発がどうなったかを考える。こんなことを心配することがないよう、原発はやめる以外にない。

戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/10/22 11:01

◎豊田駅前で「19日行動」 沖縄での差別発言

 豊田駅前で10月19日、毎月の「19日行動」が行われた。昨年9月19日に強行採決された戦争法(安保法制)を忘れず、1日も早く廃止しよう、とペデストリアンデッキで、ブラスターや横断幕を掲げ、リレートークした。

 午後6時、約20人が集まった。今日は、同じ時刻に名古屋の若宮スポーツ広場で集会とデモが行われているのをはじめ、全国各地でもさまざまな行動が行われた。

 リレートークでは、「戦争は突然始まるものではありません」と訴えた。「今すでに戦争は始まっているのではないでしょうか。安倍政権は、戦争法にもとづいて自衛隊を南スーダンに送ろうとしています。マスコミは安倍政権にものを言うのは控えています」。

 さらに、「沖縄県の高江では戦争に使うためのヘリパッド建設のために、全国の機動隊員を動員し、反対する人々を暴力的に排除しています。これらの事態を止められるのは、皆さん方一人ひとりの力です」と訴えた。

19日行動1


 実際、高江では大阪から派遣された機動隊員が、抗議する人々に「土人」「シナ人」などと差別発言していたことが18日にネットの動画サイトに流れた。翁長雄志沖縄県知事が抗議し、菅義偉官房長官が「残念だ」と認めた。

 ところが日本維新の会の代表の松井一郎大阪府知事は、「出張ご苦労様」とツイッターした。これには厳しい声が上がった。日本維新の会は、憲法9条を改悪する改憲勢力の一翼を担っている。

19日行動2

19日行動3

 こんな勢力に負けるわけにはいかない。日本の未来と自分の未来に希望を持てるようにするにはどうしたらいいのか――。一人ひとりが考えることでしか政治を変えることはできない。

 1人から2人、3人と賛同者を増やし、国民の多数の賛同が得られよう、トヨタ自動車の職場で、豊田市で、全国で訴え続けよう。
戦争と平和 | コメント(9) | トラックバック(0) | 2016/10/21 11:59

◎アベ政治を許さない! 豊田駅前で3日行動

 豊田駅前で10月3日、「アベ政治を許さない!」と、「3日行動」が行われた。戦争法(安保法)を強行した安倍政権に対し、作家の沢地久枝さんが提唱した行動で、毎月3日の午後1時に全国いっせいに、「アベ政治を許さない!」のボードをかかげるスタンディング行動だ。

 豊田市駅のペデストリアンデッキに18人が集まった。1時直前に猛烈な雨が降ってきた。10分ぐらいでおさまり、すぐに日差しが戻ってきた。

3日行動3


 参加者は、交代でリレートークをして市民に訴えた。今開かれている臨時国会で、野党の質問に対し、「そういう指摘は当たらない」などという答弁をくり返している安倍首相らを批判した。

 実際、日本共産党の志位和夫委員長の代表質問(9月28日)で、4回も「当たらない」をくり返した。

 志位 リニア新幹線は、JR東海が民間資金でおこなうとしていたものだ。巨額の公的資金投入は、採算が取れなくなった場合に国民にリスクを肩代わりさせるだけではないか。
 安倍 国民が負担を肩代わりするという批判は全く当たらない。

 志位 介護保険で、「要支援1、2」と「要介護1、2」をあわせれば、「要支援」「要介護」と認定された人全体の65%以上を超える。高い保険料を徴収しながら65%以上の人から保険給付を取り上げるといのは「国家的詐欺」というほかない。
 安倍 国家的詐欺との批判は全く当たらない。

3日行動4


 志位 長時間労働をなくすというなら、「残業代ゼロ法案」を撤回すべきだ。この法案は、成果で賃金を払うことと一体に、労働時間規制をなくし、残業代支払い義務をなくしてしまうものだ。長時間労働が強制され、「過労死」をひどくすることは明らかだ。
 安倍 「残業代ゼロ法案」との批判は当たらない。

 志位 沖縄県高江で、全国から500人もの機動隊を動員して、米軍のオスプレイの着陸帯の建設を強行した。警察が生活道路を封鎖する、自衛隊ヘリが空から重機を運び込む、防衛局が無断で国有林を大量伐採する――どれも違法行為そのものだ。
 安倍 一部手続き上の問題があったが、違法とのご指摘は当たらない。

3日行動1


 「当たらない」をくり返し、暴走するアベ政治。国の政治を変えるのは一人ひとりの国民だ。「3日行動」は、野党共闘などをすすめ国民の過半数の支持を集めるために、豊田市をはじめ全国で同時に行われている。これからもこの輪を広げるために不断の努力が必要だ。

 うれしいことに、この日の行動には、通りすがりの若い女性が、「私もいいですか」と言って行動に加わってくれた。家に帰ってテレビをつけたら、国会中継をやっていた。日本共産党の質問に、安倍首相は「それは当たらない」を連発していた。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/10/04 10:44

◎壮絶な最期 「真田丸」展を見る

 NHKの2016年・大河ドラマ「真田丸」が快調だ。関ヶ原のたたかいで、石田三成方についた真田昌幸・信繁(幸村)親子は、家康の命令で高野山の麓、和歌山の九度山に幽閉される。

 「幸村は 閉じ込められて 鬱々と」の気分だったろう。14年も耐え忍んだ後、豊臣秀頼の大阪城から使者が来る(10月2日放送)。いよいよ主人公の見せ場になる真田丸の砦でのたたかい――大阪・冬の陣が始まる。

 真田氏の資料を集めた「真田丸」展が、4月に東京で始まり、真田氏の故郷の上田に続いて大阪歴史博物館で開かれている。先日、大阪へ足を延ばし、真田丸の現場視察を兼ねて「真田丸」展を見た。

 250点を超える資料は見ごたえがあった。なかでも2つの展示に心をひかれた。1つは、戦国武将の書状だ。秀吉や三成が上杉にあてた手紙などは国宝になっていて驚いた。もちろん、達筆な筆さばきを簡単に読めない。

 なかでも薩摩藩の島津家久と思われる人物が、国許にあてた書状に見入った。大阪の陣の顛末を書いており、信繁を「真田日本一の兵(さなだひのもといちのつわもの)」と指摘し、後世の真田伝説を作り出す元資料になった。

真田丸 頭蓋骨
(「真田丸」展のチラシと発掘された頭蓋骨=図録から)

 その一方で、1つの頭蓋骨に動けなくなった。大阪冬の陣で埋められた堀を発掘したところ出てきた。歯から20歳前後の若武者と推定されるという。頭蓋骨には、刀創が残っていた。

 頭の頂の部分と後ろ側に4カ所あり、56mm、61mm、80mmの長い刀創だ。テレビドラマでの戦闘シーンは、バッタ、バッタとかっこよく描かれることが多い。

 しかし、発掘で明らかになったのは、大阪の陣の戦闘の激しさと残虐さを物語っている。戦国時代を終わらせる最後のたたかいとなったとはいえ、家康の勝利の陰にどれだけの命が奪われたことか。

 お茶の間で見るテレビドラマでは、残酷なシーンを放送することはできないだろう。大阪の陣から400年、残酷な戦争は、いまだに世界からなくなっていない。あの頭蓋骨が何か訴えてくる気がする。
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/10/03 18:52

◎南スーダンからの自衛隊撤退を要求 志位委員長の代表質問

 参院選後の本格的な論戦になる臨時国会が始まりました。日本共産党の志位和夫委員長は9月28日の衆院本会議で代表質問に立ち、安保法制(戦争法)や「残業代ゼロ」法案などの労働問題、TPP問題などで暴走を続ける安倍首相を追求しました。

 このなかで国民に隠して進められる戦争法の運用の危険を明らかにし、同法の発動中止と南スーダンPKO(国連平和維持活動)からの自衛隊撤退を要求しました。

 安倍首相は、国民多数が納得していない戦争法について、参院で強行採決(昨年9月19日)してから1年になるのに、所信表明演説(9月26日)で一言もふれませんでした。

 安倍政権は、南スーダンPKOに派兵する自衛隊に「駆け付け警護」など戦争法に基づく新任務付与を想定し、訓練を開始しましたが、武器使用基準などを定めた「部隊行動基準」も訓練内容も一切、明らかにしていません。

 代表質問で志位委員長は、国民の理解を得ることなく戦争法を強行可決した上、運用まで「すべて国民に隠して事を進めるつもりか」と厳しく批判しました。

 その上で、内戦がいよいよ深刻となり、「PKO参加5原則」が総崩れとなっている南スーダンの実態を示して「『殺し、殺される』初めてのケースとなる深刻な危険がある」と指摘しました。

地球儀 南スーダン
(地球儀。中央に南スーダンがあります)

 実際、南スーダンでは、7月に首都ジュバで大規模な戦闘が起き、国連安保理は8月に4000人の増派を決めています。事実上、この部隊に先制攻撃の権限を与えています。

 ところが安倍首相は答弁で、「現地の情勢は比較的落ち着いている」などとまったく根拠のない楽観論をふりまいた上に、「『殺し、殺される』などというおどろおどろしいレッテル貼りは的外れだ」などと強弁しました。

 志位委員長が南スーダンからの自衛隊撤退、憲法9条に立った非軍事の人道・民生支援の抜本的強化へと転換するよう主張したことに対し、一顧だにしない姿勢を示しました。

 所信表明演説で、「100を超える国・地域を訪れ、地球儀を俯瞰する視点で積極的な外交を展開してきた」と胸を張った安倍首相。南スーダンの情勢は何1つわからないようです。

 こんな首相のもとでは、戦後初めて日本人が「殺し殺される」ことになりかねないでしょう。
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/09/29 12:07

◎きょうは、はじまりの日 「京大有志の会」がビデオクリップ

 集団的自衛権の行使など違憲の戦争法(安保法制)を、安倍政権と自民党、公明党が参院で強行して9月19日で1年。国会前で、豊田市など全国440カ所以上で1周年の行動が行われました。

 「自由と平和のための京大有志の会」は強行採決された1年前に、「あしたのための声明書」を発表しています。詩のような声明書は、このブログ「トヨタで生きる」で紹介しました。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-1911.html

……
(略)
 きょうは、はじまりの日。
 憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
 賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
 人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
 自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。
……

50 京大有志の会 ビデオクリップ


 「声明書」とともに、心に残る画像と組み合わせたビデオクリップ(2分半程度)を作成しています。次のアドレスで見ることができます。ビデオクリップで、戦争法廃止の思いを新たにしようではありませんか。

http://www.kyotounivfreedom.com/news/manifestofortomorrow_video/

              ◇

 この記事は、9月23日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/09/22 18:22

◎戦争法強行1年 豊田で、名古屋で、国会前で行動

 戦争法(安保法制)が安倍政権によって参院で強行採決されて9月19日で1年。国会前で2万3000人が、名古屋市で2000人が、豊田市で30人が、全国440カ所以上で戦争法廃止と憲法9条の改悪反対の行動を行った。

              ◇

 安倍政権は、戦争法にもとづいて、自衛隊に国連平和維持活動(PKO)での「駆けつけ警護」の訓練を開始することを命じた。最初のケースとして想定されているのが南スーダンだ。

 名古屋市中区の白川公園で、「安倍内閣の暴走を止めよう! あいち集会 9・19戦争法強行1周年大集会・デモ」に2000人が参加。午後1時30分から集会が始まった。パラパラ小雨が落ちてくる。

1周年1

1周年2

1周年3
(日本共産党の本村伸子衆院議員=左=と民進党の近藤昭一衆院議員)

1周年4


 安倍内閣の暴走を止めよう共同行動実行委員会の長峯信彦共同代表はあいさつで、「私たちがばらばらにされてはいけない。衆院選でも野党共闘をすすめていこう」と語りました。

 日本共産党の本村伸子衆院議員と民進党の近藤昭一議員が、壇上で並んで、これからも国民との共闘で戦争法を廃止に追い込む、とあいさつした。集会後、高校生のコールに合わせて、繁華街の栄に向かってデモ行進した。

              ◇

 豊田市では、夕方5時から豊田市駅前のペデストリアンデッキで、1周年のスタンディングアピールをした。横断幕やプラカードをかかげてリレートークした。

 戦争法廃止署名には、若い人も積極的に応じてくれた。これからも毎月19日には、豊田市でも全国でも戦争法廃止の行動は続くだろう。

1周年5

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 リレートークで、ある女性の訴えが印象に残った。その女性の友人の息子は自衛官で、最近、南スーダンから日本に戻ったという。自衛官は、人が変わったように神経質になり、精神的にも不安定になったと報告していた。

 まだ“駆けつけ警護”が始まっていないのに、相当緊張を強いられているのではないかと感じた。戦争法で、自衛官が「殺し、殺される」ことがないようにするには、廃止する以外にない。

戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/09/20 15:38

◎「9条が日本の平和を守っているんだよ」

 加藤紘一元自民党幹事長(77)が9月9日、亡くなりました。思想・信条の違いを超えて死を悼む声があがっています。日本共産党の志位和夫委員長は、ツイッターで発信しました。

「加藤紘一さんの訃報に接し、とても寂しい思いです。90年代後半、加藤さんが自民党幹事長時代、テレビ討論などでたびたび一騎打ちの討論を行ったこと、立場は違っても議論をかみあわせての丁々発止の論戦は、終わった後にある種の爽やかさを感じたことを思い出します。心からお悔やみを申し上げます」

 自民党と加藤家の合同葬儀が9月15日、東京で行われました。加藤氏と「YKKトリオ」を結成した山崎拓元党副総裁が読み上げた弔辞が話題になっています。

 山崎氏は、弔辞のなかで、次のように加藤氏との思い出を語りました(産経新聞の要旨から)。

……
 2年前、君がミャンマーに旅発つ直前に天ぷらそばを食べましたね。そのとき、僕はずっと懐疑的に思っていたことを思い切ってききました。それは「君は本当に憲法9条改正に反対か」という問いでした。

 君は「うん」と答えました。「一言一句もか」と、またききました。「そうだよ。9条が日本の平和を守っているんだよ」と断言しました。振り返ってみると、これは君の僕に対する遺言でした。まさに日本の政界最強最高のリベラルがこの世を去ったという思いです。
……

80 加藤紘一 リベラル本
(加藤紘一氏と姜尚中の共著)

 加藤氏が、山崎氏に「9条が日本の平和を守っているんだよ」と語ったことは、安倍政権に衝撃を与えるでしょう。しかも、山崎氏は加藤氏を「日本の政界最強最高のリベラル」とほめたたえているからです。

 かつての自民党は、保守リベラルと呼ばれていた政治家が大きな存在を示していました。加藤氏が所属していた派閥・宏池会は、その典型です。しかし、宏池会を引き継いだ岸田文雄外相には、リベラルのかけらもなくなっています。

 岸田氏は、憲法違反の集団的自衛権の行使を盛り込んだ安保法制(戦争法)を、安倍首相とともに強行しました。自衛隊員を、アメリカが戦争するあらゆる場所-地球の裏側にまで送り込もうとしています。

 加藤氏や山崎氏は、集団的自衛権の行使は認めず、憲法9条を守る側にいた自民党のリベラルな政治家でした。そうした政治家が自民党に育たなくなったのは、衆院に小選挙区制が導入され、政党助成金制度が設けられて、自民党総裁が人事権を一手に握るようになったからだといわれています。

 かつての自民党は、幅広い考えを認め、異論も飲み込むような大人の風貌を持っていました。しかし、2、3世が圧倒的になり、戦争体験が継承されず、同質な政治家ばかりになっています。こんな政党に未来があるのでしょうか。
戦争と平和 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/09/19 11:26

◎核兵器問題 中国は平和・進歩勢力の側にない

 日本共産党が中国共産党に厳しく抗議した――マレーシのアクアラルンプールで開かれていたアジア政党国際会議(ICAPP)第9回総会(9月1~3日に開かれ、37カ国から与野党合わせて87党の代表が出席)でのことです。

 「クアラルンプール宣言」の採択をめぐって、日本共産党代表団(団長・志位和夫委員長)は、核兵器問題の項目に関して、中国共産党がとった態度について、志位和夫委員長は次のように語っています。

 「少なくとも核兵器問題については、中国はもはや平和・進歩勢力の側にあるとはいえないということです。核保有国の代弁者として『核兵器のない世界』を求める動きを妨害する。これが中国の立場です」

 「中国はもはや平和・進歩勢力の側にあるとはいえない」という厳しい批判をしています。何があったのか? 「核兵器禁止条約のすみやかな交渉開始を呼びかける」という、大多数の国連加盟国と市民社会が求めている核兵器廃絶をめぐる焦眉の課題が、中国によって削除されたからです。

 しかも、宣言案に入っていたのが、採択の直前になって、中国共産党代表団がこの部分の削除を強硬に求めたことから、同部分を削除した草案が配布され、採択されるという結果になったからです。

 日本共産党代表団は採択のさい、総会の民主的運営を乱暴に踏みにじる中国共産党のやり方で、宣言の内容が変更・後退させられたことを厳しく批判。宣言の部分的保留を表明する文書を議長団に提出しました。

アジアの地図


 なぜ、中国共産党はこんな態度をとったのか? 志位委員長は次のように指摘します。

 「中国はある時期まで、核兵器禁止条約の国際交渉を主張してきました。ところがこの数年、変化が起きています。とくに際立ったのは、昨年秋の国連総会で、核兵器の禁止・廃絶に関する法的措置を議論する作業部会(OEWG)を設置する決議案が採択されたときのことです」

 「このとき核保有五大国―P5(米国、ロシア、英国、フランス、中国)は頑強に反対する態度をとりました。国際社会の圧倒的多数で核兵器禁止条約に向けて動きだしているときに、それに逆らう動きに中国は加わった。今回の中国のふるまいの根底には、こうした中国の深刻な変質があります」

40 核実験


 アジア政党会議での中国共産党の問題について、志位委員長は詳細に語っており、次のアドレスで読むことができます。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-08/2016090801_01_0.html

             ◇

 この記事は、7月18日にアップする予定でしたが、都合により15日にアップしました。
戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/09/15 19:29

◎戦争法強行1年 全国300カ所で行動

 安倍政権が戦争法(安保法制)を参院で強行採決したのが2015年9月19日。それから1年になります。名古屋市で19日に集会、デモが行われるのをはじめ、全国300カ所以上で戦争法廃止を求めた行動が行われます。

 安倍政権は、戦争法にもとづいて、自衛隊に国連平和維持活動(PKO)での「駆けつけ警護」の訓練を開始することを命じました。参院選後に先送りしていたものです。最初のケースとして想定されているのが南スーダンです。

 南スーダンは、事実上の内戦状態です。PKOの参加原則である停戦の維持も、当事国の同意ができるかどうか、危うい状況です。憲法9条で禁止されている武力行使となる可能性があります。

豊田駅 20150917
(戦争法を廃止せよと豊田駅前でスタンデング=2015年9月17日)

 江戸時代が終わり、近代日本が始まった1867年から終戦までの78年間。侵略戦争の口火になった日清戦争から日露戦争、朝鮮の植民地化、「満州国」というかいらい政権のでっちあげ、アジア・太平洋戦争へて終戦。日本の78年間のほとんどは、戦争状態でした。

 戦争をもう2度としないと誓ったのが憲法9条です。戦後71年間、日本人はだれ1人戦争で殺さなかったし、殺されもしませんでした。9条こそが最大の戦争への抑止力になってきました。

 戦争法によって、遠い、遠い南スーダンでのPKO活動は、「殺し殺される」初めてのケースになるのではないかといわれています。安倍政権は、それを実行しようとしているのです。

名古屋 20150918
(戦争法を強行するなと名古屋市栄でデモ行進=2015年9月18日)

 1年前の9月。愛知県では、戦争法を強行しようとする安倍政権に対し、豊田駅(9月17日)や名古屋市の栄(9月18日)などで集会、デモ、スタンデングなどを行って抗議しました。

 強行後も名古屋駅前では、シールズTOKAIの集会(9月27日、約1500人が参加)に、日本共産党の小池晃参院議員・副委員長=当時、現書記局長=と本村伸子衆院議員、民主党の近藤昭一、山尾志桜里(現民進党政調会長)の両衆院議員が参加。参加者の「野党は共闘」の声援に手をつないでこたえました。

名古屋 20150927
(シールズTOKAIの集会で、声援にこたえる=左から=本村、山尾、近藤、小池の各国会議員=2015年9月27日)


 あれから1年。9月19日を中心に、全国300カ所以上で行われる行動は、戦争法強行の怒りを、決して忘れない、廃案に追い込もうと行われるものです。名古屋市での19日(祭日)の行動は、中区の白川公園で午後1時半から行われます。

 「安倍内閣の暴走を止めよう! あいち集会 9・19戦争法強行1周年大集会&大デモ」(安倍内閣の暴走を止めよう共同行動実行委員会)の名称です。参加しようではありませんか。
戦争と平和 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2016/09/13 15:56

◎4野党共闘で議席2倍に 次期衆院選小選挙区

 東京新聞が、次期衆院選で295ある小選挙区で4野党(民進、共産、生活、社民)共闘が実現したなら、議席を現在の2倍になる可能性があるとの試算をしています(9月4日付)。安倍政権が改憲勢力を集めて憲法9条を改悪しようとしているだけに、野党共闘の必要性は高まっています。

 同紙の試算によると、2014年に行われた前回衆院選の4野党の得票を単純に合算したところ、野党の勝利は前回の43選挙区から、2・1倍の91選挙区になったといいます。

東京新聞 衆院野党共闘 試算
(東京新聞、9月4日付から)

 14年の衆院選の小選挙区では、自民党が222議席、公明党が9議席で、与党で8割近い議席を占めました。自公共闘している選挙区もあります。

 これに対し野党4党側は、当時の民主が38、共産1、生活2、社民1で、4党が統一候補とした沖縄4区での勝利を足しても、43にとどまりました。これは、4野党がばらばらに候補者をたてていたからです。

 今年7月の参院選では、32ある1人区ですべて4野党が共闘。11選挙区で勝利する大きな成果をあげました。野党共闘ができなかった3年前の参院選では、2選挙区しか勝利できませんでした。

 衆院選の小選挙区はもちろん1人区であり、東京新聞の試算のように野党共闘が実現したなら安倍政権を追い詰めることができます。参院選では、「1+1」以上の共闘効果がでています。衆院選で真剣に野党共闘を追求することは、国民の願いにかなうものです。
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/09/06 07:53

◎マンガ家たちの「私の8月15日展」

 「8月15日」といえば、お盆だけではなく、戦前の侵略戦争「アジア・太平洋戦争」が終わった日だ。戦争と平和の資料館「ピースあいち」でこの夏、「私の8月15日展 マンガ家・戦争体験者――あの日の記憶」が開かれたので、見に行った。

 ピース愛知は、2回目の訪問だった。名古屋市名東区よもぎ台2-820にあり、東名高速名古屋インターから15分ほどだ。1、2階は常設展示場で、3階が今回の企画展だ。

 マンガ家が絵とともに8月15日の記憶をつづったものが多数展示されていた。著作権があるので写真撮影はできなかった。ビラの表紙に、銃剣を持った水木しげるさんが描いた日本軍のマンガがある。

ピース写真2


 水木さんがパプアニューギニアやラバウルでたたかわされたことは、NHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で見た。戦争で左手を失ったものの、ビラに「助かった」と書かれているように、復員し戦後のマンガ界をリードした人だ。

 しかし、戦場へ行かされたマンガ家だけではない。まだ幼く、召集されなかったマンガ家も、育ち盛りなのにろくに食べるものはなく、飢えの体験などをつづっていた。戦争は戦場だけではなく、すべての人からすべてのものを奪いつくす。

 「個人」なんて、虫けらのように踏み潰された。現在の日本国憲法には、「すべて国民は、個人として尊重される」(13条)と書き込まれた。これは、戦前の痛切な反省から生まれたのだ。

ピース写真1
(「ピースあいち」の常設展)

 自民党は改憲草案で、「個人」を「人」に置き換えようとしている。戦争を進めるには、「個人として尊重」していたらできないことを安倍政権や自民党は知っているからだろう。

 現在、ネットにあふれている映像は、安倍政権が強行に強行を重ねている、米軍のための沖縄県高谷のヘリパッド建設での機動隊の暴力的排除の様子だ。愛知県警、福岡県警、警視庁機動隊などによる反対運動つぶしは、弾圧以外の何物でもない。

 沖縄県民の、平和な日常生活を送りたい――「個人」の願いから始まった高江での座り込みが県民全体の怒りとなっているのに、安倍政権は権力を最大限使って押しつぶそうとしている。戦前の日本と重なって見えるのは、私だけではないだろうと思う。

 ピースあいちの常設展にも寄ってみた。前回訪れた時、ロビーの机の上に置いてあったのが、金沢市に住む当時10歳の子どもが、豊田市に住む元トヨタマンのおじいさんから戦争体験を聞き書きしたスケッチブックだ。夏休みの宿題だった。

ピース写真3


 おじいさんは、召集されフィリッピンの戦場へ行かされたが、幸い復員できた。この話は、ブログ「トヨタで生きる」にも紹介した(2014年8月23日アップ)。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-1509.html

 その宿題が評判になり、本として出版された。中日新聞にも紹介された。図録『私の8月15日』と「おじいちゃん、戦争の話を聞かせてください。」の2冊の本を買った。

 ピースあいちは、維持するのはボランティアとカンパだと聞いた。「まだ大変ですのでカンパもよろしく」といわれたので、カンパしてきた。

            ◇

 この記事は、9月4日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
戦争と平和 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/09/03 15:44

◎さるすべりと憲法

 「暑い、暑い」を連発した8月が終わり、やっと9月になりました。8月の街をプリウスで走っていると街路樹のピンクのさるすべりが暑さを和ませてくれました。ハスのピンクといい、花はピンク色がいい。

 ある人がネットで書いていました。「娘(5歳)が、『ねぇママ! あのピンクのお花、食べられないの?!』。さるすべり、わたしも大好きですが、まさか食べたいとは思ったことありませんでした。活用法あるのかな~♪」

 心を和ませてくれるこの文章を書いたのは、「安保関連法案に反対するママの会」をフェイスブックで呼びかけた京都大学大学院生の西郷南海子さん。3人の子どもを育てながら教育哲学者・デユーイの研究をしています。

 その西郷さん、8月27日に岐阜で開かれた「哲学カフェdeぎふ」主催の「さて、これからどうするこの日本」のパネリストとして参加したといいます。名古屋にも何度も来ており、このブログ「トヨタで生きる」でも紹介しました。

 3人の子どものうち、1人を背中に背負い、もう1人を抱っこしてマイクを握り、安保法制反対を呼びかけた西郷さん。母親、いや、ママは強しを見て、感動しました。

 岐阜での集会では、同じようにブログで紹介した名古屋大学の愛敬浩二法学部教授もパネリストとして参加していました。愛敬教授は、憲法違反の集団的自衛権の行使を盛り込んだ安保法制に反対して「立憲デモクラシー」を呼びかけた1人でもあります。

 集会は、参院選挙で野党統一が実現し、大きな成果を上げる一方で、改憲勢力が3分の2を占める中で、「今後どう対処すべきか」を議論したといいます。

さるすべり2


 戦後70年の昨年-2015年の安保法制反対のたたかいは、日本の戦後史に大きな足跡を刻みました。その1つは、ママの会やシールズ、学者の会など、市民が政治を変えようと立ち上がり、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」を結成したことです。

 2つ目は、その「市民連合」の後押しで民進党、日本共産党、社民党、生活の党の野党4党が参院選で野党統一候補を立てるという戦後政治史で、初めての共闘体制ができたことです。1人区の11選挙区で勝利するという大きな成果をあげました。

 3つ目は、憲法、とりわけ9条が国民のなかにしっかりと足場を持っているということを改めて見せつけたことです。安倍政権が、歴代自民党政権がしなかった集団的自衛権の行使を認めたことに、国民から澎湃(ほうはい)として怒りの声があがりました。

 戦前の侵略戦争の多大な犠牲の上に花咲いたのが現在の憲法です。侵略戦争をすすめる柱となった、いかつく、恐ろしい戦前の大日本帝国憲法とは、まったく違った顔、形になりました。

 酷暑でへばりそうになりながら、この8月、けなげに咲くさるすべりの和やかさ、さわやかさ、力強さを感じながら考え続けました。
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/09/03 08:52

◎憲法学者が安倍政権にふたたび喝!

 安倍政権が提出した安保法制(戦争法)を国会で審議中の昨年6月、衆院憲法審査会で、自民党が推薦した3人の憲法学者は、同法が集団的自衛権の行使を認めていることについて憲法違反と断定し、同党にショックを与えました。

 その1人の長谷部恭男・早稲田大学教授が「しんぶん赤旗」日曜版(8月28日号)のインタビューに応じ、安倍政権がすすめようとする憲法改悪を厳しく批判しています。

日曜版 長谷部教授
(長谷部恭男教授のインタビューが掲載された「しんぶん赤旗」日曜版、8月28日号)

 長谷部教授は、安倍政権は参院選中に憲法にふれず、もっぱら「アベノミクス」を訴えていたことをあげ、改憲勢力が3分の2を占めたからといって、「改憲に向けて有権者のマンデート(信任)を受けたなどとはとてもいえません」と強調します。

 その安倍首相が開票日の翌日に、「いかにわが党の案(自民党改憲案)をベースにしながら3分の2を構築していくか。これがまさに政治の技術だ」とのべたことについて長谷部教授は、「民意とは尊重すべきものではなく、操作の対象だ」という国民を見下した考えがうかがえると指摘します。

 さらに、日本国憲法は「すべて国民は、個人として尊重される」(13条)とあるのは、「国民1人ひとりを、どう生きていくかを考える存在として国は扱いますよという考えです」と憲法のなかでも重要な条項だと強調します。

 ところが自民党の改憲草案は、「個人」を「人」に変えたように、憲法の「大事な原理を骨抜きするもの」だと批判しています。

 長谷部教授は、オーストラリアに本部を置く経済・平和研究所(IEP)が世界163カ国の安全度をランク付けした「2016年の世界平和度指数」を発表したことを紹介。

 日本は安全な方から9番目なのに、自衛隊が派遣されている162番目の南スーダンに、安倍政権は「駆けつけ警護」などの新たな任務を課し、武器使用の拡大をしようとしていることについて、痛烈に批判します。

 「安保法制で世界中に自衛隊を派遣してアメリカの戦争に協力するなんて愚の骨頂です」

15 集団的自衛権批判
(長谷部恭男教授らが共同執筆した『集団的自衛権の何が問題か 解釈改憲批判』=岩波書店)

 その上で、「憲法の平和思想、9条の思想は国民に根付いています」とのべ、新聞の世論調査でも憲法9条を変えるべきだという人がだんだん少なくなり、守るべきだと言う人は増えて、「朝日」(5月3日付)では約7割ですと指摘。「そう簡単に、安倍首相の思い通りにはいきません」とのべます。

 長谷部教授は、東大で21年間教鞭をとった後、早稲田大へ移りました。元・国際憲法学会副会長で「立憲デモクラシーの会」の呼びかけ人です。いわば憲法の大御所が、憲法9条を変えようとする安倍政権に、安保法制を違憲だと断じたのに次いで、ふたたび喝を入れたものです。
戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/09/01 14:33
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