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◎高齢者事故への対応は? 第115回トヨタ株主総会

 トヨタ自動車の第115回株主総会が6月13日(木)午前10時からトヨタ本社本館ホールで開かれた。朝から夏を思わせるような日差しだった。いつものように早めに出かけた。9時過ぎに会場に着いたが、すでに第一会場はいっぱいだった。

 なんと過去最高の5546人が参加した。玄関前の広場に新型のセンチュリー、スープラなど3台が展示されていた。多くの人が写真を撮っていた。


12 トヨタ株主総会 カンバン


スープラ
(展示されていたスープラ)

 大型バスが次々と入ってくる。すごい数だ。受付には長い行列ができ、並んでから受付が終わるまで20分ぐらいかかった。ディズニーランドのアトラクションに並んでいる気分だった。本社2階の第5会場の会議室に入ったが、ここも満員だ。

 10時から豊田章男社長の議長で総会が始まった。映像による事業報告から始まり、第1号議案から4号議案までの提案があった。

 4号議案には驚いた。取締役9人の現金報酬枠を「年額30億円以内」(うち、社外取締役は年額3億円以内)とした上で、新たに株式報酬枠を設け「年間40億円以内」とする議案だった。合わせて「年額70億円以内」(うち、社外取締役は年額3億円以内)という報酬を2倍以上にする議案だったが可決された。

 豊田社長は、「自動車産業は100年に1度の大変革期を迎えている。モビリティ―社会を株主と築いていきたい」などとのべた。質疑応答では13人が発言した。経営問題、EV化、株価問題、豊田章男社長に関する質問などが出た。

 今年は3人がプリウスについて質問したのが印象に残った。東京・池袋で87歳の高齢者が運転するプリウスによって、12人が死傷(4月19日)するなど、高齢者の運転事故が次々と起き、社会問題になっている。

 質問では、プリウスの安全に関する技術開発はどうなっているのかとたずねる株主がいた。別の株主はブレーキとアクセルの踏み間違いを防ぐために、メーターパネルにブレーキ表示を付けたらどうか、技術的にもすぐにできるはずだ、などと提案があった。

 株主としても、トヨタに早急に対策を求めたのだろう。それに対する会社の回答は、「後付けの踏み間違い加速制御システムを拡大していく」などに留まった。自動運転の車を市場に出す前に、自動車メーカーとしてもっと具体的な手立てを打つ必要があるのではないか?

 自動運転車の頭脳にあたるAI(人工知能)の専門家としてトヨタがヘッドハンティングしたギル・プラット氏が通訳をまじえながら発言した。同氏は、トヨタが米シリコンバレーに設立した「TRI」(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)の最高経営責任者(CEO)だ。

 同氏は、トヨタに入った理由として、自分が子供の頃、目の前で友達が自動車事故で死んだこと。その事故を起こしたドライバーが歩道で泣いていたことなどをあげ、安全な車をつくりたいと思い、努力しているという話だった。高齢者の事故が問題として出されただけに、技術的に踏み込んだ、具体的な話を聞きたかった。

株主総会 記念品 (1)
(総会の記念品)

 豊田社長は、質問が終わるたびに自分の考えや会社の方針をアピールしていた。全体として、「大変革期」といってもトヨタは大丈夫だという印象を持った株主が多かったのではないかと思う。

 総会の雰囲気と、「生きるか死ぬか」と激しい言葉が飛び交う職場の雰囲気とは大きなギャップがあると思った。外部の人には、なかなかわからないと思う。研究・開発に携わる技術労働者は、どう思っているのかが気になった。
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決算・経営計画 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/06/14 15:10
コメント
何か社員かのようなコメント・・・
あなたも外部の人でしょ?
でも開発費とかには廻さず
給料を上げることに使えとか
言っているんじゃないの?

違うの?
研究開発減税で国内に研究開発を誘致して雇用を生むことは共産党に都合が悪いですからね。
共産党の望みは国民を貧しくする事ですから。
No title
1兆円近くも儲かってるのに
75歳以上の車にオートバックスが販売している様な
装置を無償取付して下さいよ。
そうする事によってトヨタ車が売れる事になる。

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