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◎シリーズ「うたのある風景」 「太郎の屋根に雪ふりつむ」

 三好達治の「雪」という詩があります。

……
 太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。

 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
……

 たった2行の詩。どの語彙も削ることができないほどの完璧な詩。しかも、そのイメージの豊かさは、どんな長い詩にも負けないほどです。

 雪が深々とふりつづけ、屋根に静かに積もっていく。シーンとし、冷気がピーンと張りつめたなかで、太郎、次郎が眠っている。どんな顔をして? そばに母親がいる。そっと微笑む……。

10 測量船


 この詩は、三好達治が1930年(昭和5年)12月にまとめた詩集『測量船』に収められています。「乳母車」や「甃のうえ」など教科書に掲載される名詩とともに。

 手元には、『測量船』の復刻版があります。『測量船』に収められた詩は、意外に散文詩が多く、この「雪」は例外的に短い詩です。詩の要素は、鮮烈なイメージであることを教えてくれます。

12 富士山 (1)
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「うたのある風景」 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2019/01/25 08:53
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