◎「過労死家族の終わらぬ闘い」 内野さんに密着取材

 安倍政権と自民党、公明党は、労働者を過労死ライン(月80時間)を超えて働かせる「働き方改革」一括法案を、今国会(6月20日まで)で成立させようとしています。

 「全国過労死を考える家族の会」は、強く反対しています。トヨタ自働車で夫を過労死で亡くした内野博子さん(48)も、その1人。内野さんに1年間密着して取材し、「職場で死なせない――過労死家族の終わらぬ闘い」を大阪の毎日放送が作成しました。

 5月28日に放送されましたが近畿圏だけだったために、知人が録画したDVDを送ってくれました。内野さんの夫の健一さんは、堤工場で2交代で働き、2002年2月に過労で亡くなりました。30歳でした。

 番組では、亡くなる前に、幼い長女の亜美ちゃんを肩車して工場を歩く健一さんの映像が流れました。豊田労基署で労災と認められませんでしたが、2007年11月、名古屋地裁は亡くなる1カ月前の残業が、QCサークル活動などもふくめて106時間だったとして労災と認めました。

 裁判で勝利し、支援者とともに喜ぶ内野さんの姿が印象的です。番組では一転して、今度は、支援者として運動に携わるようになった内野さんの姿を追いかけます。

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(毎日放送の番組「職場で死なせない――過労死家族の終わらぬ闘い」に映し出された内野博子さん)

 夫がトヨタ系の会社で過労死した三輪香織さん(41)が、名古屋高裁で労災と認められた映像もその1つです。内野さんは、名古屋・過労死を考える家族の会の代表になったのです。

 昨年9月、東京の国会議員会館。一括法案反対集会で、内野さんは「過労死家族は言い続けなければならない」と語り、過労死ラインを上回る残業の上限規制や「残業代ゼロ制度」(高度プロフェッショナル制度)を廃案にと訴えます。

 同じ9月、安倍首相は突然、「国難突破解散」に打って出ます。名古屋駅前で雨の中、傘を差して安倍首相の街頭演説を聞く内野さん。「一言も『働き方改革』に触れなかった」と指摘します。

 自民党勝利にもめげず、街頭に出て「働き方改革」一括法案を批判する内野さん。「上限を100時間にする、100時間OKというのは過労死認定の時間です!」

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(過労死の労災認定を求める運動の先頭に立つ内野博子さん=番組から。前列左端)

 今年2月。内野さんは健一さんの17回忌の墓参りをします。内野さんに付き添う亜美さんは大学生に、長男の雄貴さんは高校生に成長しました。「16年たってもあまり変わっていない」と語る内野さん。

 過労死と過労自殺で認定される労働者は、合わせて年間200件前後で推移しているからです。それなのに、さらに過労死を促進する一括法案――。

 過労死家族の会の声にも耳を貸さず、安倍政権と自民党、公明党は衆院厚生労働委員会で5月25日、一括法案を強行採決しました。内野さんは、強行採決に怒りの涙を浮かべながら語ります。次の参院では、必ず廃案にと――。

 「裁量(労働制の拡大)は流れたけれど、まだ高プロ、残業規制の上限100時間は(参院での審議が)あります。ゆとりを持って、生きる喜びを感じながら仕事、生活できる世の中にしたい。子どもたちを(そういう)社会に出してやりたいと思います」

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内野過労死認定 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/06/08 11:32
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