◎定時に帰る仕事術 ドイツ在住27年のジャーナリストが書いた

 電通入社1年目の高橋まつりさん(24)の過労自殺につづいて、NHKの佐戸未和さん(31)が月159時間の残業で過労死--。日本の労働者の働きすぎ、過労死が改めて問題になっています。

 そのNHK記者を経験し、現在ではドイツに27年間住みながらフリーのジャーナリストとして多数の著書がある熊谷徹さん(58)。最近の新書本が、『5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人』(SB新書)です。

 熊谷さんは、NHK神戸支局で働き、夜討ち朝駆けで1日20時間近く働いたことも珍しくなかったといいます。朝日新聞阪神支局で、赤報隊を名乗る極右テロリストが、散弾銃で記者を殺害した事件(1987年)では、「3カ月間は、土日をふくめ1日も休むことができなかった」と著書に記しています。

熊谷徹 5時に帰るドイツ


 それだけに、5時に帰るドイツの労働者の働きぶり、時短は驚愕の事態だったといいます。熊谷さんは著書に、ドイツの年間労働時間は、OECDの調査によると1371時間(2015年)で、日本は1719時間(パート労働者をふくむ)との表をかかげています。

 トヨタの2000年代の総労働時間は、1900時間台で推移していますから、ドイツの労働者より約600時間も長く働いていることになります。トヨタと世界1を争っている独フォルクスワーゲンの資料を探していますが、個別企業の数字は残念ながら見つかりません。しかし、ドイツ最大の企業は当然、1300時間台でしょう。

 では、なぜドイツの労働者は、そんなに短いのか? 熊谷さんの著書から見てみましょう。「ドイツの労働時間の法的規制が日本よりはるかに厳しい」ために、「ほとんどの企業が1日10時間の上限規制を厳守している」といいます。つまり、1日2時間以上の残業はできないのです。

 トヨタの年間残業360時間超えの人数は、2015年度で5446人(そのうち事務・技術職が4528人=83・1%)を数えます。ドイツと比べ、いかに残業が多いかを示しています。

 もう1つが「効率を重視し、無駄を嫌うドイツ人のメンタリティー」と結びついた産業別労働組合と経営者団体との労働協約です。労働協約で、週当たりの所定労働時間を決めていることが時短につながっているのです。

 このため、「金属・電機メーカーでは旧西ドイツ35時間、旧東ドイツ38時間で、法定労働時間(週48時間)を大きく下回っている」のです。朝7時に出社し、午後3時に退社する人もいるといいます。

 ドイツでは、2~3週間の長期休暇をとることができるといいますが、それは日常的に共通ファイルをつくっていること。労働協約で仕事の内容を交わしているために、コピーなども「それは私の仕事ではありません」と拒否されるといいます。

 これは、ドイツの使用者、管理職は社員の健康と安全を守る義務があり、労働契約でも最も重要な義務の1つになっていること。熊谷さんは「過労死を防ぐためにも重要だ」と指摘します。

 さぁ、『5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人』を手にし、5時に帰ることができる日本をつくろうではありませんか。

スポンサーサイト
その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/02/12 11:57
コメント
他国と比較してもね…
言いたい、そこだけをね…


他国の事はどーでもいいよ
No title
大幅なリストラを突き付けられたら10%以上の実質賃下げも受け入れるなど、雇用の調整弁を正社員が担えるからでは?

シュレーダー政権下で解雇規制も大幅緩和され儲からない事業を辞めて儲かる分野に人を最適配置とかで今の景気回復を実現してますし。

管理者のみに表示