◎運転は楽しいですか? 伊勢専務が語るAIと水素

 月刊『文芸春秋』(2017年6月号)で、トヨタ自動車の技術責任者の伊勢清貴専務役員・先進技術開発カンパニープレジデントが同誌のインタビューに応じ、これからトヨタは「AIと水素で勝負する」と率直に語っています。

 100年に一度といわれる自動車業界の大変革の時期に必要なのは、AI(人工知能)とEV(電気自動車)ではなく水素で走るFCV(燃料電池自動車)の2つだと断定しており、これからのトヨタの技術の方向を示す興味深い内容です。

 AIは、車の自動運転に不可欠な技術で、世界の自動車メーカだけでなく、グーグルやアップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、IBMなど主にアメリカのIT大企業が激しく争っています。

 トヨタは、2016年1月にIT技術の集積地の米シリコンバレーに、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)を設立しました。ギル・プラット氏が最高経営責任者に就任します。

 ギル氏は、アメリカのAI研究の第一人者で、伊勢専務は同氏とロボットコンテスト会場の片隅で仮契約のサインを交わした秘話を明かしています。ギル氏がトヨタにとって、それほど必要だったのでしょう。

文春 伊勢専務
(『文芸春秋』6月号で語る伊勢清貴専務役員)

 ここからが面白いところで、伊勢専務はトヨタがめざす自動運転の最終ゴールは、「『無人運転』ではありません」と語り、「自動車を愛のない『道具』にしたくない」といいます。

 うん? トヨタの自動運転の考えは、「ハンドルを握る楽しさ」だというのです。自動運転とは、運転できないとき、疲れたときのサポートをするのがトヨタのコンセプトだというのです。

 トヨタの豊田章男社長は、「モリゾー」の名で自動車レースに参加し、「もっといいクルマを」と社員に呼びかけるなど、常に「ハンドルを握る楽しさ」を語っており、その考え方が色濃く反映しているのでしょう。

 車を単なる移動の手段とするのではなく、運転する喜びを楽しみたいというのです。車はスポーツカーもあれば、高級車、大衆車、軽自動車などと広がっています。

みらい
(トヨタのFCV・ミライ)

 日本では、JRのローカル線廃止が相次ぎ、地方の移動手段は過疎化、高齢化と重なって深刻です。さらに高齢者ドライバーのブレーキとアクセルの踏み間違いなどの事故が社会問題になっています。

 高齢化による免許証の返納運動も強まっています。“買い物難民”という言葉さえ生まれています。喫緊の課題としては、自動ブレーキなどを車の標準装備にするなどして事故を未然に防ぐことが必要ではないでしょうか。

 伊勢専務のインタビューを読みながら、スポーツカーや高級車に乗って運転を楽しむとともに、トヨタが率先して車の事故ゼロをめざしAI技術を磨いて欲しいと思いました。
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決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/06/01 15:19
コメント
No title
ブログ主様は、「伊勢専務のインタビューを読みながら、スポーツカーや高級車に乗って運転を楽しむとともに、トヨタが率先して車の事故ゼロをめざしAI技術を磨いて欲しいと思いました。」と仰せ。
会社が発展存続することが、ご自身の政治・言論活動の前提と理解してもよろしいでしょうか?
退職して年金生活に入ると、会社のありがたさがよくわかります。

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