◎「1ミリの不安も無い」と思っている人の「心をのぞき込む」 共謀罪法案の怖さ

 このブログ「トヨタで生きる」で、「共謀罪 衆院での通過、許さない」と名古屋での集会、デモをアップしました(5月22日)。ところが次のような、コメントが寄せられ驚愕しました。

……
 そもそも共謀罪って何? テロ等準備罪の採決の日は近づいているけど。逮捕されたりマークされたりに関して1ミリの不安も無いから問題無し。
……

 とんでもありません。安倍政権と自民党、公明党、日本維新の会が5月23日に衆院本会議で強行採決した共謀罪法案は、あなたのように「1ミリの不安も無い」と思っている普通の一般人を監視する法案なのです。

 このブログでもすでに紹介(4月23日アップ)したように、2014年に明るみに出た「大垣警察市民監視事件」は、一般人を警察が監視していたのです。日本共産党の藤野保史議員が衆院法務委員会で取り上げました。

 豊田市などに電力を供給している中部電力の子会社が、風力発電所を計画していました。これに反対する三輪唯夫さんと住職の松島勢至さんが勉強会を開いたことを機に、岐阜県警大垣署の警備課課長らが子会社に三輪さんらの個人情報を子会社に伝え、住民運動つぶしの相談をしていたものです。

共謀罪反対1
(共謀罪法案を廃案にと開かれた名古屋での集会=5月19日)

 この「大垣警察市民監視事件」にふれながら、「戦前の悪法を思わせる」との社説を書いたのは、中日新聞系の東京新聞です。法案が衆院で強行採決されたのを受けて5月24日の社説でこう指摘しました。

 「市民運動というだけで警察は、なぜだか監視対象にしていたわけだ。この問題は、国会でも取り上げられたが、警察庁警備局長はこう述べた。『公共の安全と秩序の維持という責務を果たす上で、通常行っている警察業務の一環』-。いつもやっている業務というのだ」

 同社説は、さらにこう指摘しています。

……
 1925年にできた治安維持法は国体の変革、私有財産制を否認する目的の結社を防ぐための法律だった。つまり共産党弾圧のためにつくられた。当初はだれも自分には関係のない法律だと思っていたらしい。

 ところが法改正され、共産党の活動を支えるあらゆる行為を罰することができるようになった。そして、反戦思想、反政府思想、宗教団体まで幅広く拘束していった。
……

 社説が指摘するように、「だれも自分には関係のない法律」と思っていたら、とんでもない法律だということが後になってわかったというのです。共謀罪法案が現代版の「治安維持法」といわれるゆえんです。

 「しんぶん赤旗」は、5月20日付の「主張」(社説に当たるもの)で、安倍政権が「テロ等準備罪」と言い換えている共謀罪法案の本質を鋭く突いています。

 是非読んでみてください。参院では必ず廃案に追い込みましょう。それが監視社会ではなく、「1ミリの不安も無い」社会にすることだと考えるからです。

……
【「共謀罪」強行採決 違憲法案を力で押し通す暴挙】

 自民、公明の与党と日本維新の会が衆院法務委員会で、「内心」を処罰対象にする「共謀罪」法案の採決を強行しました。審議をすればするほど人権を侵害する危険な中身が明らかになり、国民の不安と懸念が広がって、今国会で成立させる必要がないという声は世論調査でも多数です。

 世論に逆らい、野党の抗議も無視して質疑を乱暴に打ち切り、数の力で押し切った自公と補完勢力の責任は極めて重大です。思想・良心の自由などを大本から脅かす憲法違反の悪法を、民主主義を破壊する強引な手法で推し進める安倍晋三政権の暴走は絶対に許されません。

<刑法の大原則を覆す危険>
 犯罪が起こっていない段階でも2人以上が犯罪を「計画」し、「準備」したと捜査機関が判断すれば、取り締まり、処罰の対象にする「共謀罪」法案は、日本の近代刑法体系の大原則を覆すものです。

 近代刑法は、犯罪があって具体的な被害が生じた場合に初めて処罰することを基本原則にしています。ところが「共謀罪」は、「犯罪をしようと相談しているらしい」と警察がみなせば、捜査が開始され、処罰されるというものです。対象とする罪は277にも及びます。文字通り日本の刑法体系の大転換につながる悪法です。

 政府は「対象は組織的犯罪集団」「一般人は関係ない」と繰り返しますが、そんな歯止めはまったくないことが、国会審議の中で次々と浮き彫りになっています。

共謀罪反対2
(共謀罪法案を廃案にと開かれた名古屋での集会=5月19日)

 どんな団体や個人を対象にするかを決めるのは警察です。その警察はいまでも恣意(しい)的な判断によって、秘密裏に一般市民に対する尾行や盗撮などを行って、病歴・学歴を含む詳細な情報を収集する人権侵害にあたる違法捜査をしており、そのことを「通常業務の一環」などと正当化しています。

 そんな警察が、「話し合った」「準備をした」ことで捜査・処罰できる「共謀罪」を手にしたらどんな事態になるか。「犯罪を話し合った」証拠を手に入れるために、いまよりはるかに早い段階で範囲も広げた捜査を行うことを可能にします。

 「実行準備行為」は、ATMでお金を下ろすなどの日常行為と違いがないため、その行為の目的を捜査するとして「内心」に踏み込むことは避けられません。「話し合い」を調べるとして電話やメール、LINEなどのやりとりも常に監視される危険もあります。集会やパレードなどの参加者への不当な監視にお墨付きを与え、いっそうの強化につながりかねません。

 憲法が保障する、思想・良心の自由(19条)、集会・結社・表現の自由、通信の秘密(21条)などに根本から反する「共謀罪」法案は廃案にするしかありません。

<政府追い込む世論さらに>
 安倍政権が持ち出す「テロ対策」のためという口実も崩れています。法案を所管する金田勝年法相が法案をまともに説明できないことは、大臣の資質や能力の欠如と同時に、「共謀罪」法案の深刻な矛盾と破綻を示しています。

 「数の力」で強権的にしか押し通せない法案の道理のなさは明白です。世論の高まりで、当初描いていた審議日程を狂わせるなど安倍政権を追い込んでいます。「戦争する国」づくりと一体となった監視社会づくりを許さない「共謀罪」阻止の世論と運動を広げることが急務となっています。
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安倍政権 | コメント(9) | トラックバック(0) | 2017/05/25 08:01
コメント
No title
共謀罪やそれに該当する法律が無いのはソマリアなどの数ヵ国だけ。
No title
http://www.sankei.com/smp/column/news/170305/clm1703050007-s1.html
国連加盟193カ国のうち、実に94・3%にあたる182カ国が締結している「国際組織犯罪防止条約」なるものをご存じだろうか。

 これを締結していない国とは、イラン、南スーダン、ソマリア、コンゴ共和国、ツバル、フィジー、ソロモン諸島、パラオ、パプアニューギニア、ブータン、そして日本を入れた11カ国だ。
言うまでもなく、先進国では「日本だけ」である。

 テロ組織が世界に多数存在し、一般市民の安全が脅かされている今、日本がこの条約を締結していないことには、誰もが首を傾(かし)げるに違いない。
「日本はなぜ入らないのか」「何か都合の悪いことでもあるのか」--国際社会からそんな訝(いぶか)る声が出るのも当然だろう。

 悪質な組織的国際犯罪からどう国民を守るか。そして、平穏に暮らす罪もない一般の人々が無慈悲に殺される無差別テロをどう防ぐか。
それは、世界共通の課題であり、同時に国にとっては、国民の生命・財産を守るという最大使命を意味するものでもある。
そのために各国は情報を提供し合い、あらゆる策を講じようとする。だが、日本はそこに参加できない。なぜか。

 この条約を締結するためには、重大犯罪を行うことを「共謀する罪」か、もしくは、組織的犯罪集団に「参加する罪」のいずれかを国内法で制定しておかなければならない。
しかし、日本では、過去3度も廃案になり、いまだにその法律がないのだ。



国際的に当たり前かつ求められている法律を人権侵害にならないように改正案を出すべきところを全否定して仕事をしない共産党。
No title
世界各国で通信の秘密と共存している共謀罪をあえて紹介しない。

共産党の指導者や支持者は昼寝でもしているのか、国民を騙して煽動しているのかのどちらかな?
No title
社会運動をしていた20代の女性を監禁し、スパイを自白した一緒に暮らしていた男性と一緒に自殺を強要。

戦中の日本共産党が熊沢光子さんに行ったことです。

なお、共産党は自白した男性はスパイだったからリンチで殺しても無罪と主張。
熊沢さんを監禁したこともスパイと一緒に共謀していたとして無罪を主張。
No title
普通にまじめに暮らしてる人にとって共謀罪なんて思いも付かない・・共産党さんの主張は過大解釈しすぎ・・これが普通の日本人の感覚かな。東京五輪はテロが怖いので取り締まりは当然で・・こんなのが無かったら安心して暮らせないな。
No title
「共謀罪」についての朝日新聞の世論調査(5月26日付)

 衆院での審議は「十分ではなかった」60%が「十分だった」16%を引き離した。法案への賛否は「賛成」30%、「反対」35%で、「その他・答えない」が35%に上った。
 法案への国民の理解は、「深まっていない」73%に対し、「深まっている」は13%にとどまった。
 自民、公明両党などが採決を強行して可決した国会での進め方は「よくなかった」58%に対し、「よかった」は23%。今国会成立の「必要はない」は57%で、「必要がある」の23%と差がついた。

 (注)国民の多数は、上記のコメント者のほとんどを否定していますね。
No title
安倍政権の機関紙化となった読売新聞、産経新聞の政治記事は、今やまったく信頼できないです。
No title
共産党の支持者は現実に180ヶ国以上に存在する共謀罪を信用できない位に党批判が出来ない思想統制下にあるんですね。
No title
日本語で読める中国共産党の機関紙化となった朝日新聞の政治記事は、今やまったく信頼できないです。

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