◎「ひよっこ」と青春

 NHKの朝ドラ(連続テレビ小説)の「ひよっこ」を見ていますか? 北茨城の農村から出てきた集団就職のみね子(有村架純)が主人公です。高校卒業後の1960年代前半、東京のトランジスターラジオ生産工場で働きながら、失踪した父親を捜します。

 みね子の世代はトヨタの労働者では定年となっていなくなり、それに続く団塊の世代がSP(スキルド・パートナー)となっているくらいになりました。みね子たちは会社の独身寮に住みますが、畳の部屋で雑魚寝です。荷物入れも小さな棚しかありません。

ひよっこ ラジオ組み立て
(トランジスターラジオを組み立てるみね子=左から2人目=たち、NHKの連続テレビ小説から)

 あのころの独身寮にはプライバシーなどはまったくありませんでした。電機のトップメーカー、日立製作所の本社の独身寮で働いていた知人も2段ベッドの6人部屋だったいいます。

 現在では、個室が当たり前です。トヨタの期間従業員の独身寮も、これまでの部屋を3つに仕切ってプライバシーを保てるようにしています。このブログ「トヨタで生きる」では、4年前の2013年3月28日アップで、田中和風寮の取り壊しの記事をアップしました。

 東名高速道路豊田インターチェンジのすぐそばにあった田中和風寮が老朽化で取り壊され、その後が住宅街に生まれ変わった話です。田中和風寮は、みね子たちの世代より数年後の1971年(昭和46年)に、高卒の新入社員を受け入れるためにつくられた11階建ての寮でした。

 周りには、パチンコ店やゲーム店、居酒屋、スナック、喫茶店、寿司店など若者が利用する店がいっぱいありました。ブログでは、同寮に入寮していたことがある社員の話を掲載しています。

 「田中和風寮が壊され、無惨な姿があらわです。1971年に入寮した第1期生です。これからどんな生活が始まるのかとわくわくしていました。一つの部屋に6畳間が3室あり、同郷の先輩と新入社員が2人ずつ入っていました」

 「地方から出て来た若者たちにとって、マイカーを持った先輩は憧れであり、お金を貯めて『俺も車を買うぞ!』と思って毎日、食堂のうどんとただのご飯を食べていたのを思い出しました。寮の取り壊しは、自分の青春も壊されるような気持ちですよ」

田中和風寮
(田中和風寮でギターを持ったトヨタの若者たち)

 みね子たちの楽しみの1つは職場での歌声です。ブログでは、ギターを持った青年たちが独身寮で集まっているセピア色の写真を掲載しています。「ひよっこ」に共感するのは、貧しかったけれども、将来に希望を持っていたみね子の青春とダブルからでしょう。

 一方で、現在の自分たちは、マイカーやマイホームを持つようになったものの、政治が少しも良くならないことに、うつうつとした気持ちをいだいている人も少なくないでしょう。みね子たちの青春は、この先どうなっていくのでしょうか?
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その他 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/05/23 18:17
コメント
No title
田中和風寮は友達がいたんで何回か行った事あるな・・
懐かしい・・トヨタ本社周辺も変わったな・・近くに野球場があってプロ野球もオープンで谷沢を見たのが思い出される。

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