◎シリーズ「無期雇用への転換」③ トヨタが「無期雇用転換」逃れ?

 トヨタ自動車では、期間従業員という労働者が正社員といっしょになって車づくりに携わっています。2000年代には、1万人を超え、生産現場の3人に1人が期間従業員でした。

 文字通りトヨタの“基幹工”の役割を果たしてきました。しかし、雇用期間は、入社時は3カ月で、1回目の契約更新が3カ月、2回目から5回目が6カ月で、6回目が5カ月で最長2年11カ月です。細切れの雇用です。

 生産があると次の契約まで1カ月の期間を開けて、ふたたび2年11カ月働くことができました。しかし、2008年のリーマン・ショック時のような大不況になると、6カ月や1年で契約終了を告げられ、6000人以上が雇い止めされました。

期間従業員バス 201405
(期間従業員らを乗せたトヨタのバス。堤工場前で)

 最近、5年以上にわたって期間従業員として働いてきたAさんが、トヨタのやり方は不可解だと言って、こう話してくれました。

 「これまで2年11カ月の雇用期間が終われると再雇用されてきた。次の契約期間までの1カ月間は、独身寮に荷物を置いてもよかった。ところが昨年、『6カ月開けてくれ』といわれ、荷物も持ち出すようにいわれた」

 次の契約期間までの1カ月間が、突然、6カ月間になったというのです。このシリーズの1回目で、2012年の労働契約法の改定で、「同じ企業で短期契約を更新して働き、雇用期間が通算して5年を超えた労働者にたいして、無期雇用への転換を企業に求める権利を与える」という無期雇用(正社員)転換が来年4月から発生することを書きました。

 ところが、有期契約を通算する期間の間に、契約が途切れている期間が「6カ月の空白期間」があるとリセットされ、通算5年という条件が満たされない「クーリング」という方法があるのです。

 トヨタは、このクーリングを使って、期間従業員の無期への転換ができないようにしている可能性があるのです。いわば労働契約法の抜け穴を巧妙に使った脱法行為です。こんな手法を、日本最大の企業のトヨタが行っていいのでしょうか。

 日本の非正規労働者は4割に迫るほど増えてきました。低賃金で使い捨ての労働者を増やし続ければ、社会保障や年金、子育てなど日本社会が成り立たなくなるでしょう。5年を超えた有期雇用労働者を、無期雇用へ転換させるべきです。それは企業の社会的責任として当然です。

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 この記事は、4月21日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
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期間従業員 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/04/20 13:53
コメント
通算で社員…とかなって来て、抜け道が無くなると、慈善事業団体じゃ無いから、恐らく期間工制度が無くなる。

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