◎米国は軍事的選択肢をとるな――志位委員長が見解を発表

 4月14日朝、NHKは、米軍が13日、アフガニスタンで「大規模爆風爆弾」を実戦で初めて使用したというニュースを流しました。シリアへのトマホーク59発による空爆(6日)に続いて、レッドラインを越すトランプ大統領に凍り付く思いでした。

 ニュースでは、核兵器以外の通常兵器で最大の破壊力があるとされる「大規模爆風爆弾」を、アフガニスタンでの過激派組織ISに対する空爆で使用したというのです。

 同爆弾は、「GBUー43B・大規模爆風爆弾」と呼ばれ、全長およそ9m、重さがおよそ9800㎏で、核兵器以外の通常兵器では最大の破壊力があるといわれています。精密誘導装置も備えていて、「すべての爆弾の母」とも呼ばれているといいます。

縮小 NHK 大規模爆風爆弾
(「GBUー43B・大規模爆風爆弾」=NHKから)

 前オバマ政権でも使用しなかったものに、ゴーサインを出したのです。トランプ大統領は、「また見事に任務に成功した。アメリカ軍を誇りに思う」とたたえたといいます。「いずれ、核兵器のボタンを押すのではないか?」と暗澹たる思いになりました。

 シリアやアフガンだけではありません。北朝鮮に向けても、シンガポールに寄港していたカール・ビンソン空母打撃群を北朝鮮の近海にむけて北上させることを発表するなど「軍事対軍事」「力対力」の対決を示しています。

 同じ13日、日本共産党の志位和夫委員長は、「米国は軍事的選択肢をとるな――外交交渉のなかで北朝鮮の非核化を」と題する「見解」を発表。「見解」を速やかに日本政府に届け、関係各国に伝達すると表明しました。救われる思いでした。「見解」の全文を紹介します。

……
(1)
 米国トランプ政権によるシリアへのミサイル攻撃にかかわって、北朝鮮に対する軍事力行使につながりかねない、きわめて危険な動きがおこっている。

 トランプ大統領は、6日、安倍首相との電話会談で、北朝鮮の核・ミサイル開発への対応として、「全ての選択肢がテーブルの上にある」とのべ、軍事力行使も選択肢とすることを表明した。さらに、11日、自身のツイッターに、「もし(中国が)協力しないのなら、米国が中国なしで問題を解決する」と書き込み、米国単独で北朝鮮への軍事力行使に踏み切る可能性を示唆した。

 ティラーソン米国務長官は、9日、米ABCテレビのインタビューで、「シリアに対するミサイル攻撃から北朝鮮が受け取るべきメッセージは何か」と問われ、「国際規範や合意に違反し、約束を実行できず、他国への脅威となるならば、いずれかの段階で対抗措置が取られるだろうというメッセージだ」とのべ、北朝鮮への公然たる軍事的威嚇を行った。

 米海軍第3艦隊は、9日、シンガポールに寄港していたカール・ビンソン空母打撃群を北朝鮮の近海にむけて北上させることを明らかにした。米国家安全保障会議(NSC)が在韓米軍への核兵器再配備を提案したとの報道がなされている。

 米国トランプ政権が、北朝鮮に対する軍事力行使を公然と選択肢とし、軍事的威嚇を強めていることは、きわめて危険な動きである。これに対して、北朝鮮がさらなる挑発行為で応じ、軍事対軍事の危険なエスカレーションが起こることを、強く憂慮する。

(2)
 重大なことは、安倍首相が、トランプ政権のこうした動きを手放しで歓迎する姿勢をとっていることである。
 安倍首相は、6日、トランプ大統領との電話会談で、「全ての選択肢がテーブルの上にある」との大統領の発言を「力強い発言」と歓迎した。

 また、安倍首相は、7日、トランプ政権によるシリア攻撃への支持を表明したうえで、「東アジアでも大量破壊兵器の脅威は深刻さを増しています」とあえて強調し、「国際秩序の維持と同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ大統領の力強いコミットメントを日本は高く評価します」と表明した。

カールビンソン
(カールビンソン=ネットから)

 米国のシリア攻撃への支持と一体に、「東アジアでの大量破壊兵器の脅威」=北朝鮮の核・ミサイル開発にあえて言及し、米国の対応を「高く評価」する。安倍首相のこの姿勢は、米国が北朝鮮に対して軍事力行使を選択肢とすることを容認、支持するものとして、きわめて重大である。それは、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とした日本国憲法にてらして許されない。

(3)
 トランプ政権は、オバマ政権時代の「戦略的忍耐」といわれる、北朝鮮が非核化の意思を示さなければ交渉に応じないという従来の方針の破たんを認め、北朝鮮に対する「政策の変更」について検討を進めてきた。

 私は、この動きに注目するとともに、「問題は『政策の変更』の方向だ」と指摘し、「一部に先制攻撃などの軍事的選択肢が言われるが、これは絶対にとるべきではない」と強調し、「米国は、北朝鮮との外交交渉のなかで非核化を迫る方針をとるべきだ。そういう方向に向かうように、日本政府は働きかけるべきだ」との提唱を行った(2月19日、NHK「日曜討論」)。この方向こそ、いま強く求められていることを強調したい。

 米国のカーター前国防長官は、最近、米ABCテレビのインタビューで、「米国が北朝鮮を先制攻撃すれば、北朝鮮は韓国を攻撃するだろう。その戦争は、朝鮮戦争以来、見たこともないきわめて破壊的なものになるだろう」と強く警告している。

 米国が、北朝鮮に対し、シリアで行ったような先制的な軍事行動という選択肢をとった場合、韓国、日本を巻き込んで深刻な武力紛争に発展し、おびただしい犠牲が出ることは避けられない。地域と世界の平和の破壊につながる軍事力行使は、絶対に許されない。

 米国は、国際社会と協調して、経済制裁の厳格な実施・強化を行いながら、北朝鮮との外交交渉に踏み切り、外交交渉のなかで北朝鮮の核・ミサイル開発の手を縛り、それを放棄させるという選択肢こそとるべきである。

 安倍政権は、軍事力行使を選択肢とすることを歓迎する姿勢をただちにあらためるべきである。米国に対して軍事的選択肢をとるなときっぱり要求すべきである。北朝鮮問題の外交的解決の立場にたつよう、強く働きかけるべきである。
……
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戦争と平和 | コメント(8) | トラックバック(0) | 2017/04/14 15:41
コメント
No title
共産党はシリアや北朝鮮の大量破壊兵器の拡散を止める積もりが無いのかな?

核兵器禁止条約は声だかに言うけれど、シリアや北朝鮮の化学兵器への言及ゼロ
シリアでは実際に大量虐殺に使われておりEUの委員長も支持を表明している。

https://mainichi.jp/articles/20170408/k00/00m/030/092000c
欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長も同日声明を発表し、米側から今回の軍事行動について「化学兵器による残虐行為の抑止が目的の限定的なもの」との説明を受けたと述べた。「(化学兵器を使った)さらなる攻撃を抑止するための努力は理解する」と述べ、米国を支持する姿勢をみせた。


共産党は国際社会の大量破壊兵器拡散防止の流れに反し、更にはシリアで毒ガスにより虐殺される一般市民を見殺しにしてまで米国や日本政府批判ありきの行動を続けるのかな?

共産党は何故、化学兵器を無視するの?

化学兵器でいくら人が死んでも無視するの?

ロシアや中国がバックについてるシリアは批判出来ないの?

共産党が何故か隠蔽しようとするシリアの化学兵器使用
http://www.afpbb.com/articles/-/3125072?act=all
【4月14日 AFP】化学兵器禁止機関(OPCW)は13日、シリアの反体制派支配地域にあるハンシャイフン(Khan Sheikhun)で化学兵器が使用されたとする疑惑について、「信用できる」という見解を示した。

 4日に発生したこの攻撃では、少なくとも87人が死亡。OPCWは、これまで集まった情報を専門家らが分析し「これは信用できる疑惑だと初期評価を下した」と発表した。
No title
この爆撃で36人が死亡・・すごい威力です。
これならトンネルも破壊出来そうで・・
米軍にとっては強みですね!
No title
オバマ政権時代から空爆の賛成は求められていた?

http://www.asahi.com/sp/articles/ASK2G3JX3K2GUTFK008.html
シリア空爆巡り、首相「証拠見せて」 オバマ前大統領に
2017年2月14日11時56分

■安倍晋三首相
 (2013年9月に主要20カ国・地域首脳会議が行われたロシアの)サンクトペテルブルクで(米国の)オバマ前大統領から「シリアを空爆するから支持してもらいたい」と私は言われました。その時には「(シリアが)化学兵器を使ったという証拠を見せてください」と申し上げた。米国は非常に不愉快だったと思います。それで首脳会談では私は「支持する」とは言わなかった。

 向こう側はそれはなかなかナショナルセキュリティーに関わることだから示せない(と言った)。示せないのであれば、私は「(日本では)イラクでの経験がありますから、国民に説明できませんよ」という話をしたら、最終的には、初めてと言っても良いと思いますが、ハードエビデンス(証拠)を我々に示したので、私は支持する(と伝えた)。結果として(米国は)空爆はしませんでしたけれど。(14日の衆院予算委員会で)
No title
志位さんの意見も分かるが・・北朝鮮は6か国協議を何回やっても妥協しなかった。その間に北朝鮮は核兵器技術を増強させ、国連を無視して、ミサイル、核兵器、サリン等の化学兵器を作り・・周辺国を脅威に陥れてる。
対話で分かるような相手なら何の苦労もしない。
志位さんが中国共産党に働きかけをするなる評価しよう。
No title
トヨタ系各社は、在韓従業員およびその家族に対して、帰国命令を出したのでしょうか?
ブログ主様は、トヨタ系企業に働く仲間のことも考えて欲しいですね。
No title
「化学兵器の使用は、誰によるものであれ、人道と国際法に反する重大で許されない残虐行為」


 日本共産党の志位和夫委員長は4月7日、トランプ米政権によるシリア攻撃について、次の談話を発表しました。

 一、シリア北西部で、化学兵器とみられる攻撃で多くの犠牲者が出たと報じられるなか、米国のトランプ政権は6日(日本時間7日午前)、シリアの空軍基地へ数十発のミサイル攻撃をおこなった。

 化学兵器の使用は、誰によるものであれ、人道と国際法に反する重大で許されない残虐行為である。しかし、国連安保理の決議もないまま、米国が一方的に攻撃を強行したことは、国連憲章と国際法に反するものであり、厳しく抗議する。軍事攻撃は、シリア内戦をさらに悪化させることにしかならない。

 一、米英仏は5日に提示した安保理決議案のなかで、シリアでの化学兵器使用について、国際的な真相究明を求めていた。米国の一方的な攻撃は、自らの主張にも反するものといわなければならない。国連を中心に、国際社会が一致協力して、化学兵器使用の真相をつきとめ、使用した者に厳しい対処をおこない、二度と使われることのないよう取り組みを抜本的に強めることこそ必要である。

 一、とりわけ憂慮されることは、米国トランプ政権が、今回の攻撃を、「米国の安全保障上の死活的な利益にかかわる」と合理化していることである。「米国第一」の立場で一方的な軍事攻撃を合理化する態度はきわめて危険であり、絶対に認められない。
No title
志位委員長「国連を中心に、国際社会が一致協力して、化学兵器使用の真相をつきとめ、使用した者に厳しい対処をおこない、二度と使われることのないよう取り組みを抜本的に強めることこそ必要である。」

http://www.bbc.com/japanese/39586021
フランソワ・オランド仏大統領
アサド氏を守り続け国際社会の一致団結した反応を阻止し続ける、ロシアの「責任は重い」と述べた。

国際社会の一致を乱し、一方的に拒否権を行使して決議案を廃案にしたロシアには何も言えないのかな?

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