◎「月100時間未満」の働き方ではどうなる?

 安倍政権の「働き方改革実現会議」は3月28日、「月100時間未満」までの残業を認めるなどとする「実行計画」をまとめました。「月100時間」までの残業とは、どんな1日なのでしょうか?

 1カ月の出勤日数は、土日休みで月21日前後です。月20日とすると、「月100時間」は、1日5時間の残業をすることになります。

 1日の労働時間は8時間です。最近は、連続2交代や裁量労働、フレックスタイム、在宅勤務などが増え、労働者の出退勤時間はバラバラです。一般的に多い午前9時出勤、午後6時退勤(昼に1時間の休憩)のケースを考えます。

 通勤時間は、電車や自動車などで1時間とすると往復2時間です。労働時間、休憩時間、出退勤時間で1日24時間のうちの11時間がとられます。残る13時間のうちに5時間の残業をすると――。

 午後6時の終業時間以降、休憩なしで働くと午後11時になります。これから家へ帰ると午前0時。残る8時間を、食事、入浴、睡眠などに使わねばなりません。結局、睡眠時間を削る以外にないでしょう。

修 東京 0時前
(ギュウギュウ詰めの東京の駅の風景=午前0時前)

 こんな生活では、食べることと眠る以外のゆとりはまったくなくなります。広告大手の電通(本社・東京都港区汐留)で、入社1年目で過労自殺(15年12月25日)した高橋まつりさんは、15年10月~11月の1カ月で130時間56分の残業をしていました。

 「眠りたい以外の感情を失った」「もう(午前)4時だ。体が震えるよ…しぬ もう無理そう。つかれた」「生きているために働いているのか、働くために生きているのか分からなくなってからが人生」「働きたくない 1日の睡眠時間2時間はレベル高すぎる」――これは、まつりさんの悲痛なSNSの一部です。

 トヨタ系の職場で働いていた三輪敏博さんは、今年2月23日、名古屋高裁で過労死と認められました。亡くなる1カ月前の残業は85時間余でしたが、名古屋高裁はサービス残業があったことやうつ病だったことなどをあげ、「100時間を超える時間外労働をしたのに匹敵する過重な労働負荷を受けたもの」と認めました。

 「月100時間」とは、厚労省が“過労死ライン”としているものですが、それに至らなくても過労死と認めたのです。

 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表は、「月100時間未満」までの残業を認める安倍政権に対し、「過労死ラインの残業を合法化するもの」と厳しく批判しています。

 残業は、月45時間、年360時間までとし、忙しい時などといって「月100時間未満」までなどの「特例」をつくらない法規制こそ必要です。

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職場は今 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2017/03/31 14:17
コメント
No title
共産党「共産党の党職員は労働者ではないので特例です」
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いまだに言っている。超大企業=政党? だれも相手にしない珍論だけれど。
No title
大企業の労働問題に切り込む政党の職員が残業代も出ない賞与や手当は労使交渉無しにカットし放題。
内部告発をしたら問答無用で首切りと言うのはどうなんですかね?

共産党の真似をしたいと考える経営者も多いんじゃないかな。
No title
現に共産党の支持母体であり小池晃さんを輩出した民医連の系列病院は赤旗を購読したり選挙の応援をしたらマタハラで裁判になっても過労死や長時間残業の問題があっても全く取り上げない位だし。
No title
大企業の長時間労働問題をそらすのは、国有地の格安払下げの焦点を、首相夫人が関わっていたことからそらし、籠池氏1人へと持っていくやり方とまったく同じですね。だれが喜ぶのかな?
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共産党の党職員の労働人権を認めない問題をそらすのは、国有地の格安払下げの焦点を、首相夫人が関わっていたことからそらし、籠池氏1人へと持っていくやり方とまったく同じですね。だれが喜ぶのかな?

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