◎吉永小百合・坂本龍一 原爆詩の朗読会

 詩はこんなに力を持って迫ってくるのか――吉永小百合と坂本龍一の朗読会が2017年12月に大阪・フェスティバルホールで開かれ、その様子をNHKがBSプレミアムで放送(2月19日、3月13日再放送)した。

 女優、吉永小百合は、原爆詩の朗読を、この30年続けている。ヒロシマ、ナガサキに、福島第一原発事故(2011年3月11日)でのフクシマの人々の詩が加わった。

 音楽家の坂本龍一は、アカデミー作曲賞を授与されるなど世界で活躍している。「吉永さんに頼まれて断る人はいませんよね」と語り、吉永といっしょにオックスフォード大学などで吉永の詩の朗読に合わせてピアノを弾いてきた。

 大阪で吉永は、フクシマの1年の女子高校生の詩を朗読する。

 さんてんいちいち/たった8文字の言葉に/私たちからどれくらいのものを/奪っていったんだろうか/ふくしまがゆれた/私がゆれた/今/立ち上がれ前を向け/手をつなげ/これが私の第1歩

 吉永は、白い清楚な服を着て、まっすぐ前を見つめ、静かに、つぶやくように読む。時々、目をつむり…。

 坂本は、鍵盤に頭(こうべ)を垂れるかのようにして、静かに、あくまでも静かに奏でる…。

 NHKは、2人の映像を重ねる。真っ黒な背景に、この3月で72歳になるとは思えないほどの吉永の真剣な顔が浮かぶ。抑えて、抑えて読む詩の力。2人のコラボの力なのか。

30 吉永 坂本 1
(NHKから)

 今も原発という戦車は/放射能という弾をうち/人々の心をうちぬく

 吉永は、終戦の年の1945年に生まれた。彼女の年齢は、そのまま戦後と重なる。日本人は、ヒロシマ、ナガサキ、ヤイズ、フクシマと何度も、何度も核に脅かされた。

 吉永小百合と坂本龍一の朗読会の映像は、人々の心のなかに、あくまでも静かに、静かに、核への怒りを注ぎ込む。吉永が朗読会で最初に読むのがヒロシマで被爆した峠三吉の詩だ。

 ちちをかえせ/ははをかえせ/としよりをかえせ/こどもをかえせ/

 2人の朗読会の響きは、私の心のなかに深く、深く、届いていく。
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原発ゼロへ | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/03/17 09:08
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