◎安倍政権があわてた

 3月10日(金)、日本国内で大きな動きが2つあった。1つは、安倍政権が、南スーダンから自衛隊を撤収すると発表したこと。1つは、「森友学園」(籠池泰典理事長)問題で、理事長が大阪府に求めていた小学校の認可申請を取り下げたこと。

 南スーダンで、仮に自衛隊員が1人でも死ぬようなことがあれば、「森友学園」問題で、仮に安倍首相にかかわるようなことが明らかになれば政権が吹っ飛ぶ可能性すらあった。

 実際、安倍政権の支持率はこのところ20%以上も急落したというデータさえある(日経電子版の読者調査=4~7日=で内閣支持率は36.1%となり、不支持率は63.9%。支持するは前回調査の63・7%よりも27.6ポイントの大幅ダウン)あわてた安倍政権が手を打ったという見方がある。

 安倍政権は10日、国家安全保障会議(NSC)を首相官邸で開き、南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派兵している陸上自衛隊を5月末に撤収させることを決めた。

 唐突ともいえる決定だった。安倍政権は、南スーダンについて、「紛争当事者間の停戦合意」などPKO参加5原則は維持されていると説明してした。しかし、昨年7月に首都ジュバで発生した大規模な武力衝突について記した日報に「戦闘」と明記していたことが判明した。

 日報そのものも一時隠ぺいしていたこととあわせ、稲田朋美防衛相は厳しい批判にさらされ、まともな答弁ができず安倍首相がしゃしゃり出て答えるという醜態を見せた。

 菅義偉官房長官は撤収について、「治安の悪化を理由とするものではない」と強弁した。憲法違反の安保法制(戦争法)を強行成立させ、南スーダンの自衛隊に「駆けつけ警護」の新任務を付与したが、ジュバの情勢悪化について、国会で野党から次々と追及を受け、国民の世論と運動の盛り上がりの中、ついに撤収に追い込まれた。

南スーダン 外務省 レベル4
(南スーダンへについて、「退避してください。渡航は止めてください」と最高のレベル4の赤表示をする外務省の「海外安全ホームページ」)

 「森友学園」問題では、籠池理事長が10日、記者会見し大阪府に小学校新設の認可申請を取り下げた。4月に予定していた小学校の開校できなくなり、国は契約に基づき土地を買い戻すことになる。

 これも急転直下の動きだった。前日に大阪府教育庁の調査を受けた時は、籠池理事長は開校に向けて強気だった。学校建設の契約書が3通りあることなど、毎日のように新事実が明らかになっていたが、それだけでは腑に落ちない。

 自民党、公明党は野党の籠池理事長の国会への参考人招致に強硬に反対していた。連日、新聞、テレビで報道され、安倍政権や自民党が政治家の介入を隠そう、隠そうとしているがありありだった。

 何があったのか? 自民党の二階俊博幹事長は、「早く問題が収まることを期待する」と語り、自民党幹部は「理事長を辞めれば国会へ参考人として呼ぶ必要もなくなる」とのべていたという(朝日新聞、3月11日付)。明らかに自民党は、「森友学園」問題の幕引きをねらっている。

 内田樹神戸女学院大学名誉教授が週刊誌「アエラ」(3月13日号)に、「森友学園」問題にふれながら安倍政権について、次のように書いている。

 「劇的な成功を遂げた政治家たちは例外なくイエスマンを周りに集め、ついにはその中で最も臆面もなく阿諛(あゆ)追従するものを『具現の士』(注、物事の本質を見抜く見識を持っていること)とみなすようになる。そして、手厚い褒賞でその炯眼に報いようとする。そのプロセスは歯車仕掛けの悲劇のように進行する。私たちは今その終幕近くに立ち会っている」
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安倍政権 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/03/12 20:35
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