◎残業上限規制 「月60~80時間」では

 広告大手電通での過労自殺事件など、労働者の長時間労働に焦点があたっていますが、安倍政権の「働き方改革実現会議」は、残業の上限を「月60~80時間」を軸に法律で定める方向だといいます。

 日経新聞(1月20日)が伝えているものです。毎日新聞(1月25日)も「『月80時間』を軸に調整」と報道しています。

 労働基準法は、1日の労働時間を8時間、1週間で40時間としています。しかし、「さぶろく」協定といわれる同法36条にもとづいて労使協定を結べば、残業や休日労働が認められます。

 この協定に、さらに「特別条項」を付ければ残業時間は青天井で延ばすことができます。トヨタ自動車では、たとえば1カ月では45時間としていますが、特別条項では80時間まで可能です。

トヨタ36協定
(トヨタの36協定)

 80時間は、厚労省が“過労死ライン”としている時間です。日経が伝えるような「月60~80時間」では、果たして長時間労働をなくし、世界に例のないような過労死をゼロにすることができるでしょうか?

 日本共産党の志位和夫委員長は、2年前の2015年2月20日の衆院予算委員会の基本的質疑で、残業の限度は「月45時間」とする厚生労働大臣告示を法制化するよう安倍首相にせまりました。

 トヨタの2つの過労死事件を取り上げ、厚労省の通達では、「月45時間」を超えると、健康障害のリスクが徐々に高まると強調し、「月45時間」までとするよう求めたものです。

 しかし安倍首相は、「慎重に検討すべき課題」とのべるにとどまりました。安倍政権のこうした残業野放しの状態が電通での悲惨な過労自殺を引き起こしたのです。

 安倍政権や「働き方改革実現会議」の本気度が問われるのは、「月45時間」を打ち出せるかどうかでしょう。

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安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/01/25 08:22
コメント
No title
取り締まる側が人手不足で現状でも違反を見つけられないのに法規制を強化してもザルからこぼれ落ちる水が多くなるだけでは?
No title
.労働基準監督官の定年延長、退職した副検事・検察事務官を労働基準監督官として雇用すれば、取締法規を実効あらしめることが出来る。
・罰金刑を増額して、その一部を過労死した人の遺族に支給。
・書類送検された役員は、永久に叙勲申請を不可とする。



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