◎三菱電機を書類送検 社員に違法残業

 重電大手の三菱電機が、研究部門で働く社員に労使協定(労基法36条に基づく協定)を超える違法な長時間労働をさせていたとして、神奈川県藤沢労働基準監督署は1月11日、労働基準法違反容疑で、法人としての同社と、社員の労務管理をしていた当時の上司の男性1人を横浜地検に書類送検しました。

 最近の労基法違反容疑での書類送検は、大企業では電通(16年12月)に次ぐものです。容疑は、三菱電機情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)の研究職の男性(32)に、14年1~2月に月60時間の労使協定の上限を超える78時間9分の残業させていたというものです。

 男性は、大学院博士課程を卒業後の2013年に三菱電機に入社。音響・映像機器の部品の開発などを担当していました。14年1月から仕事量が増加。同4月にうつ病と診断され、16年6月に解雇されました。

 藤沢労基署は16年11月、男性が月100時間を超える残業させられ、精神障害を発症したとして労災認定し、労基法違反容疑で捜査を進めていました。

 厚労省が16年に発表した「過労死白書」によると、精神障害による労災申請は年々増え、15年度は1515件にのぼり、うち支給が認められたのは472件です。

 このうち技術・事務部門が207件で、約44%を占め、80時間以上の残業をしていたのは192件で約41%を占めました。

60 精神障害による支給決定件数
(精神障害による労災の支給決定件数の推移=厚労省の「過労死白書」から)

 トヨタ自動車では、1万人以上が研究・開発部門で働いています。自動車の激烈な国際競争で、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車、さらに人工知能(AI)を利用した自動運転などの研究・開発に追われています。

 「1分1秒たりとも決してムダにしない」「有限の時間で極限の成果を追求(個人の生産性)」するなどといって成果と賃金を連動させる動きが出ています。徹底したコスト削減と生産性向上を要求されています。

 厚労省は2001年に、労働時間管理を企業の責任とし、タイムカードやICカードによる客観的記録を原則とする通達(4月6日に出されたので「ヨンロク通達」と呼ばれています)を出しました。

 トヨタは2003年にカードリーダーを導入し、出退勤の労働時間管理を行っています。しかし、仕事があまりにも多く、しかも成果を求められるために「1時間ルール」を使ってみずから残業をしている実態が、このブログ「トヨタで生きる」に寄せられています。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2375.html

 三菱電機広報部は、「すべての事業所で労働時間を客観的に把握するシステムを導入しており、従業員の自己申告時間と照合して管理している。改めて適切な労働時間管理を徹底していく」(日経、11日付)としています。

 電通や三菱電機での違法残業の実態が明るみに出た現在、カードリーダーなどによる労働時間管理のあり方を抜本的に見直すとともに、残業時間の上限を労使で決めるのではなく、「月45時間」などと法律で定めることが不可欠になってきました。

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職場は今 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/01/13 11:16
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