◎トランプ次期米大統領がトヨタを批判

 トランプ次期米大統領が1月5日、得意のツイッターでメキシコに新工場を建設するトヨタ自動車を批判しました。同日、トヨタの豊田章男社長は、経済3団体の新年祝賀パーティーで、「行く以上は社会貢献したい」とメキシコでの工場建設に意欲をのべていたばかりです。

 「Toyota Motor said will build a new plant in Baja, Mexico, to build Corolla cars for U.S. NO WAY! Build plant in U.S. or pay big border tax.」(トランプ氏のツイッター)

トランプ ツイッター トヨタ批判


 「トヨタ自動車は、メキシコのバハに米国向けカローラの新工場を建設するそうだが、とんでもない。米国に工場を建設するか、さもなければ多額の関税を支払ってもらう」

 ロイターは、「トヨタは2015年4月にメキシコのグアナファト州での工場建設計画を発表している。トランプ氏の投稿はバハ・カリフォルニア州にある既存の生産拠点とグアナファト州での新工場を混同したとみられる」と伝えました。

 メキシコのグアナファト州の新工場では、主力小型車カローラの生産を2019年に開始する計画です。

 「アメリカ第一」をかかげ、米国での雇用増を主張するトランプ氏。米企業が国外に移転した工場から製品を輸入する場合には、35%の関税をかけると警告し、フォードやGMなどを批判してきましたが、外資系自動車メーカーを批判したのは初めてです。

 フォードは、メキシコに小型車を生産する工場を16億ドル(約1900億円)で建設する予定でした。トランプ氏に批判され1月3日、米ミシガン州内の既存工場に7億ドルを投じ、700人の新たな雇用を創出すると発表しました。

 トランプ氏に批判されたトヨタは、NHKの取材に「アメリカに10の工場と13万6000人の工場をかかえている。現在のアメリカ国内の生産規模や雇用が減ることはない。トランプ新政権と協力していくことを楽しみにしている」などとのコメントを発表しました。

 2016年に1755万台の新車を販売し、過去最高を2年連続更新した米国市場。フォードやトヨタなど自動車メーカーは、人件費の安いメキシコで生産し、関税がかからない北米自由貿易協定(NAFTA)を利用して、米国に輸出してきました。

 トランプ氏は大統領選挙で、五大湖周辺の白人層から大きな支持を得たといわれています。ラストベルト(錆びた)地帯といわれ、自動車や鉄鋼産業などが栄え、衰退し、リストラされた労働者が多数住む地域です。

 それにしても、次期大統領の一声で大企業が右往左往し、フォードのように海外移転を撤回する事態にまでになっています。空調大手の米キャリアもトランプ氏の批判によって、メキシコへの生産移転をストップ。米インディアナ州で約1000人の雇用を維持することを明らかにしています。

 日本でも1980年代以降、自動車や電機メーカーが安い賃金を求めて海外に移転しましたが、歴代自民党政権の首相は、大企業に海外移転のストップを求めませんでした。

 トランプ氏の言動には受け入れがたい差別、偏見があります。資本主義の枠内でも、政治が主導すれば大企業の一方的な海外移転について、抑えられることを示した一例といえるでしょう。
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海外トヨタ | コメント(2) | トラックバック(0) | 2017/01/06 09:43
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No title
トランプが言うようにアメリカ向けの車はアメリカで作るのであれば自動車業界は輸出分をもっと海外移転しますね。
日本は今回の事例で言うメキシコの立ち位置なんですし。

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