◎午後3時退社して買い物を?

 通商産業省や日本経団連は、来年2月から月末の金曜日を「プレミアムフライデー」と位置づけ、働く人々に午後3時ころをめどに退社を呼びかけ、消費を促すという。

 買い物したり、食事をしたり、週末に旅行に出かけてもらうなどしてカネを落としてもらおうという算段だ。株高、円安の“アベノミクス”で輸出大企業は大儲けしたが、GDPの6割を占める個人消費はまったく伸びていない。

 大企業を中心に3年連続賃上げはあったものの、中小零細企業で働く人々や非正規労働者には及んでいない。そこで「プレミアムフライデー」で、せいぜい消費してもらおうというねらいだ。

 しかし、安倍政権が年金カット法案を強行採決するなど、若い世代にも社会保障がどうなるのかという将来不安は大きく、おいそれと財布のひもはゆるまないだろう。

 金曜日の午後3時退社といえば、時短先進国ドイツに先行例がある。1990年代前半にドイツを訪れた時、もう実行されていた。しかし、ドイツ人は買い物を楽しむのではなく、さっさと自宅に帰り、家族だんらんを楽しむ。

 閉店法があり、夕方には店は閉まっているのだ。サービス業で働く人々も時短がおよぶように、日本の百貨店や店のように、夜遅くまで開店などしていない。その徹底ぶりに驚いたものだ。

 ドイツの総労働時間は、年間1400時間台を切っている。日本は、パートなど短時間勤務を除くと1900時間台で、ドイツよりも500時間も長い。トヨタ自動車も1900時間台で推移している。

電通 ビフォー
(電通本社ビルの午後10時前=東京都港区汐留)

電通 アフター
(電通本社ビルの午後10時過ぎ=東京都港区汐留)

 先日、東京へ行った際に、サラリーマンの街、新橋で飲む機会があった。帰り、思い立って同じ新橋にある汐留の電通本社ビルへ行った。24歳の新入社員の女性が過労自殺して大問題になった広告大手だ。

 48階建ての巨大ビルの下の方や上の方は、飲食店がたくさん入っていた。どの店もおしゃれな高級なレストランが多い。午後10時ジャスト、電通ビルの各階の窓の明かりがいっせいに消灯した。

 汐留周辺の巨大高層ビルは、明かりが輝いているのに、電通ビルだけは真っ黒になった。異様な光景だった。電通の入り口からは、社員たちがいっせいに出てきた。

 社会的批判を受けて、午後10時消灯をせざるを得なくなった電通だ。東京では、通勤時間が1時間は短い方で、1時間半が普通、2時間も珍しくない。午後10時に退社しても家に帰ったならば12時前後になる。午後10時退社も異常なのだ。

 午後5時に退社して家族いっしょに食事のだんらんを――90年代にいわれたことがいまだに夢物語の日本。「プレミアムフライデー」で、午後3時に退社しても、通常の退社時間までの2時間ほどの時間はどのような扱いになるのか?

 年休を使う? それとも年12回で24時間。所定内労働時間を減らす時短にする? ドイツに少しでも追いつこうよ。まだ500時間もの差があるんだから。
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その他 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2016/12/09 10:37
コメント
No title
午後3時退社:
・夜学に通ってる人には朗報。
・家族そろって夕食を食べ、その後、子供が塾に行っている 間、夫婦交歓。妊娠促進で、少子化克服。
No title
トヨタで皆が午後3時に退社したら・・・
関連企業も帰宅するので、道路は大渋滞
結局、自宅に帰りつくのに普段の倍以上の時間を
要して、思い描くほど早くは帰宅できない。

妻は介護施設で働いているので、金曜日だからと
いって早くは帰宅できないし、子どもの習い事の
送り迎えが私の担当になりそうです。

ドイツししたって、公共交通機関まで休業!
ってことはないんですよね。
No title
VWが大規模リストラ、最大2万3000人削減へ---ドイツ
http://response.jp/article/2016/11/28/286022.html

ドイツの後追いするの?
No title
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2336.html
トヨタは、日本国内やアメリカで生産が減る見通しをたてている。円安、株高を煽った“アベノミクス”が破たんし、円高に加えてGDPの6割を占める個人消費が伸びにないために、プリウスをはじめ国内販売がさえなくなっている。


1か月後

株高、円安の“アベノミクス”で輸出大企業は大儲けしたが、GDPの6割を占める個人消費はまったく伸びていない。


破綻したはずのアベノミクスがいつに間にか復活してますね。

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