◎トランプ氏 TPP離脱表明

 トランプ次期米大統領は11月21日、来年1月20日の就任後の100日で行う政策の概要を、ユーチューブで発表しました。このなかで、環太平洋連携協定(TPP)交渉からの撤退通告を就任当日に行うと表明しています。

 この発表を安倍首相が知ったのは、南米を訪問中のことでした。しかも、「TPPは米国抜きでは意味がない」と記者会見した後のことでした。世界の指導者で最初にトランプ氏と会談し、「信頼できる指導者」と最大限に持ち上げたばかりでした。

安倍・トランプ会談
(トランプ次期米大統領と握手する安倍首相。11月17日、ニューヨーク=ネットから)

 安倍政権は臨時国会で、TPP承認案・関連法案を衆院で強行採決し、参院の審議の真っ最中です。何が何でも成立させ、発効にこぎつけようと会期延長までねらっています。国会審議はただちにやめるべきです。

 TPPは、多国籍企業が、市場開放と規制緩和を求めて圧力をかける仕組みがいたるところにあります。トランプ氏は、ユーチューブの演説で、「アメリカ・ファースト」=アメリカを第一に考える、と強調。TPPは、「米国に壊滅をもたらす可能性がある」などとして脱退を表明したものです。

 今後は「2国間貿易協定」を重視し、多国籍企業の利益をもっと図ろうとの考えを示しました。さらに、シェールガスなどの分野での規制緩和をはじめ、「1つ規制をつくったら2つ撤廃する」とのべました。

 これには、米株式市場でダウ工業株30種平均や投資家が運用の目安とするS&P500種株価指数、ハイテク株を主体とするナスダック総合株価指数の3指数が過去最高値を更新(日経新聞、22日付夕刊)したといいます。

 いかに多国籍企業が、トランプ氏の政策に期待しているかを示しました。安倍政権がすすめるTPPは、多国籍企業のために、農業や食の安全ばかりか、労働者の雇用や賃金を抑えたり、医療など国民の暮らしを脅かすものです。

 トランプ氏は選挙中に、日本からの輸入車の関税が2・5%と低いことにふれ、「日本から何百万台も自動車が流れ込んでいるが、ほとんど関税がかかっていない」とのべ、「日本が牛肉に38%の関税をかけるのであれば、われわれも日本車に同率の関税を請求するつもりだ」と主張したことがあります。

 トランプ氏は、大統領選挙に勝った後では、これまでの主張を引っ込めたり、手直しをするなど混乱・迷走しています。しかし、不動産王らしく、多国籍企業の利益を守ることでは“不動”の姿勢のようです。
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その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/11/24 13:23
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