◎トランプしてババを引いたのか

 アメリカ大統領選挙(11月8日投票)で、大方の予想に反してトランプ氏が勝利したことで、“トランプ・ショック”に全世界は襲われています。英国のEU離脱を問う国民投票と同じように、メディアの事前予測は完全にはずれました。

 ある人は、「トランプしてババを引いた気分」などと冗談交じりに語っていました。クリントン、サンダーズ、トランプ氏ら候補者のなかで最悪の人物が大統領になるという驚きの表現です。

 実際の国民の得票は、クリントン氏が5988万票、トランプ氏が5966万票(10日午前10半現在)で、クリントン氏が22万票で勝っています。しかし、わかりにくい選挙人の総取りの仕組みで、トランプ氏が選挙人の過半数を取って勝利しました。

 22万票といえば、わずか0・18%です。これで勝敗が決まったことになり、アメリカ社会が真っ二つに分断されたことになります。トランプ氏の勝利を認めない人々が各地でデモをくり広げています。

 メディアの出口調査では、トランプ氏に投票したのは、男性、45歳以上、白人、大卒未満、所得5万ドル以上が多い傾向です。過激な発言で「強いアメリカ」を訴えたトランプ氏に期待したといわれています。

 民主、共和の2つの政党の大統領候補が、だれになるのかという予備選挙からの長い、長い選挙戦で、メディアから伝わったのは、政策論争ではなくクリントン氏のメール問題やトランプ氏の女性問題など中傷合戦ばかりでした。

 これが大統領選挙か、とうんざりしました。トランプ氏は、日米軍事同盟について、「膨大な費用を払わないのであれば、一方的な防衛関係を続けることはできない」などと発言し、安倍政権をあわてさせました。

トランプ抗議デモ (2)
(アメリカでのトランプ氏への抗議デモ=11月11日、NHKから)

 トランプ氏は選挙戦最終盤で、100日で経済改革をすすめることを明らかにしました。日経新聞(11日付)によると、TPPからの離脱や北米自由貿易協定の再交渉、中国を為替操作国に認定する、法人税を35%から15%に下げる、企業の海外移転阻止の税制改革…などといいます。

 具体的には、「アップルやグーグルなど米大企業高税率を嫌って海外に2兆ドル(約210兆円)もため込んだ資金を米国に還流させる」(日経新聞)ことなどに手を付けるのではないかといわれています。

 強いアメリカを取り戻すために、多国籍企業に手厚い政策を加えようとする姿が浮かんできます。議員の経験もなく、不動産王といわれるトランプ氏は、多国籍企業第一の政策へと大きく舵を切るのでしょうか?

 日本共産党の志位和夫委員長はトランプ氏の当選を受けて、次のようにコメントしました。

……
 トランプ氏の勝利は、格差と貧困の拡大、中間層の没落などに苦しむアメリカ社会の矛盾と行き詰まりの一つの反映にほかならない。それはまた、多国籍企業中心のグローバル資本主義の陥っている深い矛盾を示している。

 トランプ氏は、移民問題などいくつかの危惧される発言を行っているが、新大統領として、今後どのような政策を提示するのか、注視していきたい。
……
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その他 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/11/12 07:09
コメント
No title
共産党「反差別やリベラル派をうたう人たちが反トランプデモで暴力行為を引き起こしてトヨタの販売店などを襲撃してることは黙っとこ」
No title
日本共産党は、60年安保デモでも、核マルなどの暴力に反対してきたことは、よく知られていることです。今でもデモの暴力化は絶対に許していません。それをまったく知らず、あたかも隠しているかのようにコメントするのは許せませんね。

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