◎Nスぺ 原発事故のコストは13・3兆円 国民負担に


 NHKスペシャル「廃炉への道2016 調査報告 膨らむコスト ~誰がどう負担していくか~」(11月6日放送)を見た。ジャーナリズムの重要な仕事である調査報道をふまえた見ごたえがある番組だった。

 東京電力福島第一原発事故から5年8カ月。メルトダウンした3つの原子炉を同時に廃炉にするという負の作業がすすめられている。いまなお9万人が避難生活を強いられている。

 その一方で、安倍政権は原発の再稼働を強行し、川内原発(鹿児島県)、伊方原発(愛媛県)で3基が動いている。福島第一原発事故の後始末である「賠償」「除染」「廃炉」の3つにどれだけの費用がかかるのか、まったくわからなかった。

 Nスぺでは、東電や原子力賠償損害支払機構などのデータを独自取材で丹念に調査し、3つの総額=原発事故のコストが約13・3兆円にのぼることを突き止めた。天文学的な金額に驚くばかりである。

Nスぺ 13・1兆円
(NHKが独自取材で明らかにした原発事故のコストは約13.3兆円にものぼる=Nスぺから)

 原発の「安全神話」をふりまいてきた歴代自民党政府、電力会社、原発メーカーなど原発に群がる「原発ムラ」の無責任さに、あらためて怒りがわく。そのばく大な費用をだれが負担するのか?

 東電の広瀬直己社長は、東電が責任を負うことについて、「債務超過になって(東電は)倒れてしまう」と語る。倒産したら元も子もない、という脅しの論理だ。「原発ムラ」の論理もこれに貫かれている。

 番組では、安倍晋三首相が東京オリンピック誘致に向けて語った、「福島の状況はコントロールされています」という発言に焦点をあてる。民主党政権から自民・公明連立政権の復活になって、「東電の全責任がくつがえされた」と明言する。

 NHKは、“アベチャンネル”と揶揄されるほど安倍政権を批判しなかったが、福島原発事故の報道ではまともな番組が多い。今回のNスぺも気骨ある編集になっていた。

Nスぺ 中間貯蔵施設
(福島第一原発の数倍もの広さが必要な中間貯蔵施設の建設予定図=Nスぺから)

 このなかで廃炉費用について、溶け落ちた燃料デブリを取り出す費用を東電は2500億円と見積もっていることに鋭く切り込む。米スリーマイル島の事故を参考に割り出したその数字は、技術の進展などで7割に減らしていること。スリーマイル島の事故は、燃料デブリは炉内にあったのに、福島第一原発事故では炉を突き破っていることをあげ、2500億円について問題を投げかける。

 ふくらみ続ける原発事故のコストは、結局、電力料金の上乗せという形で国民負担になっていくことを明らかにした。コストを切り口に原発事故迫った力作だった。

 原発は他の発電より安いという論理を調査報道の力で打ち破っている。ただもう一歩、原発が人間と共存しえないことを、地震・火山列島日本で迫って欲しかった。
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原発ゼロへ | コメント(5) | トラックバック(0) | 2016/11/10 17:53
コメント
原発停止の代替に掛かった燃料費は15兆円以上
http://lite.blogos.com/article/140366/
(1)原子力発電の停止分の発電電力量を、火力発電の焚き増しにより代替していると仮定すると、東日本大震災前並み(2008~10年度の平均)に原子力を利用した場合に比べ、15年度の燃料費は約2.3兆円増加(国民一人当たり2万円弱、3円/kWhの負担増)。累積での燃料費増加額は14年度末までに12.4兆円、15年度末までに14.7兆円に達する〔資料1〕。
No title
はぁ? NHKが報道していることを紹介したのに、なぜ、「共産党が隠したい事実」? 笑いますね。しかも、「14・7兆円」なる数字を持ち出していますが、NHKも現時点で試算した13・3兆円。これからどれだけ原発事故のコストが膨れ上がるかわからない。何でも共産党が隠したいというというタイトルは、返上したらどうですか。わからずやさん!
No title
共産党「原発停止で燃料調整費などの名目で毎年何兆円も追加で燃料費が国民に電気代の形のし掛かって居てどれだけ今後も増えるか分からなけど党上層部の意向に逆らえないから黙っとこ」
No title
いまだに避難している9万人のことなど、関係ないから黙っとこ、ですね。
No title
共産党「大多数の国民の電気代や燃料代などの生活への影響は関係無いから黙っとこ」

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