◎働くうえでドイツに学ぶこと 在住ドイツのジャーナリスト

 電通の過労自殺は、日本の労働者の働きすぎの実態を改めて見せつけました。元NHK記者で、ドイツに住んで20数年になるジャーナリストの熊谷徹さんが、安倍政権が「働き方改革」なるものを打ち出すなかで、読売オンラインに日本とドイツの働き方の違いを掲載しています(10月11日)。

 それによると、ドイツの14年の労働生産性(労働時間あたりの国内総生産)は64.4ドルで、日本(41.3ドル)を約56%上回っています。これは、ドイツの労働時間が短いからだと熊谷さんは指摘します。

 実際、OECDによると、14年のドイツでは、労働者1人あたりの年間平均労働時間が1371時間で、日本(1729時間)に比べて約21%も短いといいます。

 なお、OECDの日本のデータには、パート労働者も入っていますから、日本の労働者の労働時間は、トヨタ自動車と同じように1900時間台です。

三河豊田
(出勤するトヨタの技術労働者ら=三河豊田駅で)

 ドイツでは、法律によって最低24日間の有給休暇を社員に取らせるよう義務づけられていますが、大半のドイツ企業は社員に30日間の有給休暇を与えていると指摘します。これは日本とあまり変わりはありません。

 しかし、ドイツでは有給休暇と病休は、「厳密に区別されている」と熊谷さんは強調します。ドイツ企業は、法律によって社員が病気やけがで働けなくなった場合、最高6週間まで給料を払うといいます。「つまり、毎年30日間の有給休暇のほかに、6週間まで病休を取ることができる」というのです。

 熊谷さんは、日本では「2週間の有給休暇のうち、本当に休暇を取るのは1週間だけで、残りは病気になった時のためにとっておく」という話をよく聞くといいます。

 その通りですね。日本では6週間まで病休をとることができて、しかも100%賃金が支払われるような仕組みはないからです。だから、日本の労働者は病気に備えて有給休暇を残しているのです。

 熊谷さんは、ドイツと日本の労働観の違いなどをあげながら、日本がドイツに近づくように、いくつもアドバイスしています。参考になることがたくさんありますが、次の指摘は日本の労働組合に突き刺さるものです。

 「ドイツの労働条件の良さは、労働組合が1970年代から政府や経営側と粘り強く交渉することによって勝ち取った成果である。ドイツの労働組合は、日本とは比べものにならないほどの影響力と自主性を持っており、今でも航空会社や鉄道会社、郵便局などがストライキを行うことがある」

 「何十年もストライキをやっていないような日本の労働組合に、そこまでの影響力を期待することはできない」

 ドイツ金属労組(IGメタル)が賃上げでストライキをしているのは、よく知られています。日本の大企業からストライキがなくなって30年以上になります。労使協調主義の日本の労組幹部は、熊谷さんの指摘にどう答えるのでしょうか?
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その他 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/11/06 14:59
コメント
No title
>それによると、ドイツの14年の労働生産性(労働時間あたりの国内総生産)は64.4ドルで、日本(41.3ドル)を約56%上回っています。これは、ドイツの労働時間が短いからだと熊谷さんは指摘します。

共産党「日本よりも平均労働時間の長いアメリカの労働生産性はドイツよりも遥かに高いのは黙っとこ、おっとイタリアも日本より労働時間長いけどドイツ以上なのも黙っとこ」

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