◎ふたたび「過労社会」の連載 東京新聞

 中日新聞系の東京新聞が、電通での過労自殺事件を扱った「過労社会 電通ショック」の連載(10月29日から)を始めています。2012年7月には、同じタイトルの「過労社会」の連載で、トヨタ自動車のカムリのチーフエンジニアの過労死を扱っています。

 1回目は、電通で徹夜、土日出勤をくり返し、月200時間以上も残業したあげくに体を壊し、休職したものの再発して退職した元社員が登場しています。過労自殺した高橋まつりさんと同じように36協定の上限の70時間までしか残業は付けられなかったといいます。

 1991年に過労自殺した男性社員と同じように、社内の飲み会では、先輩の皮靴に注がれたウイスキーを飲まされたといいます。「殺されても放すな」などモーレツ社員の心得を記した電通の「鬼10則」を暗記させられ、テストまでされたといいます。

 電通は、1991年から高橋さんが過労自殺した15年までの24年間、何も変わっていなかったことを東京新聞に登場した元社員は証言します。これが広告最大手の電通なのです。

60 東京新聞 電通連載


 記事は、リアルに電通の職場を描いています。連載は2人の記者が担当していますが、そのうちの1人、中沢誠記者は、『ルポ 過労社会-8時間労働は岩盤規制か』(ちくま新書)を15年8月に出版しています。

 この本は、ブログ「トヨタで生きる」で、以前にも紹介したことがありますが、安倍政権がねらう「残業代ゼロ制度」法案に鋭く切り込んだ労作です。労働者が過労に追い込まれる実態を克明にルポしています。このなかにトヨタのカムリのチーフエンジニアの過労死の実態を書き込んでいます。

 あとがきで、「勝利至上主義のアベ・ジャパンは、高度経済成長という過去の栄光が忘れられず、『成果』『成果』と国民を追い立てる。ラフプレーが横行する試合を正当化するかのようなルール撤廃で、試合は成り立つのだろうか」と警告しています。

 電通やトヨタなどでのワークルールの厳守とともに、本からは「残業代ゼロ制度」法案を成立させてはならないという強いメッセージを発しています。電通過労自殺事件が起きた今、是非とも読んでみてほしい本です。
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過労死 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/11/02 05:59
コメント
No title
ブログ主様は、東京新聞の切り抜きをアップロードされておられますが、中日新聞には、同じ記事は、掲載されていないということでしょうか?中日新聞は、トヨタ批判記事をかけないから。組合は何もしなかったということについての追及は必要でしょう。

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