◎トヨタと電通 「1時間ルール」の問題

 相次ぐ過労自殺で問題になっている広告最大手の電通。トヨタ自動車と同じように出退時間をコンピューターで記録するフラッパーゲート(トヨタはカードリーダーといいます)がありました。

 朝日新聞(10月27日付)によると、「入館と始業、終業と退館の間に1時間以上の開きがあった場合、理由を申告し、上司が確認する」という仕組みがあったといいます。

 電通広報部の説明では、「ラッシュを避けるために早めに出社したり、終業後にサークル活動や自己啓発活動をしてから退館したりするなど、私的な理由で残っているケースがある」からだといいます。

電通 本社2
(電通本社=東京都港区汐留)

 これは、トヨタの「1時間ルール」とまったく同じではありませんか。このブログ「トヨタで生きる」で、10月25日アップでこの問題を扱ったばかりです。

 トヨタでは、勤怠入力システムに業務外(「例外」)である旨のコメントを入力し、上司が承認すれば、無制限に社内にいることができること。駅伝のような「HUREAI活動」などインフォーマル活動の「例外」をつくらず「1時間ルール」を厳守する、インフォーマル活動の負荷を軽減することが必要と指摘しました。

 電通では、「夜遅くまで残業したとき、私的な理由で会社に残ったことにして残業時間の申告を減らしているという。終業と退館に1時間以上の差があれば、「『私的情報収集』『(忘れ物などの)一時的入退館』『自己啓発』などの理由をつけて申告する」という」のです(朝日新聞)。

 さらに、「「勤務時間中の一部を働いていなかったことにして『中抜き』することもある」と明かす。例えば、午前1時に仕事が終わって退館した場合、午後8時から午前0時の間は働いていないことにして申告する」というのです。

企業 カードリーダー
(フラッパーゲート=電通やトヨタのではありません)

 過労自殺した入社1年目の高橋まつりさんは、残業時間を労使協定で決めた月70時間以内に抑えるよう上司から指導されていました。昨年10月は69・9時間、同11月は69・5時間にしていましたが、実際には、10月が130時間、11月が99時間でした。厚労省が過労死ラインとしている月80時間を大幅に上回り、「もう(午前4時)だ。体が震えるよう…しぬ もう無理そう。つかれた」といって自殺したのです。

 これでは、いくらコンピューターで客観的に出退勤の記録をしていても、サービス残業がいくらでもできることになります。トヨタとまったく同じではないでしょうか。

 「トヨタで生きる」で指摘したように、業務量が多すぎる、人が少ないなど根本的な問題の解決とともに、インフォーマル活動の「例外」をつくらず「1時間ルール」を厳守すること、インフォーマル活動の負荷を軽減することなどが必要ではないでしょうか。

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過労死 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/10/28 09:43
コメント
労働法規が自分たちの首をしめた、典型的な人が作った欠落した法規。
1時間ルールが例え30分になろうと変わらない。
変えるならカードリーダーでの勤務時間管理にすべき。

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