◎2重課税という理屈は通用しません

 昨日のこのブログ、「トヨタで生きる」では、「豊田市の法人市民税、トヨタ最高益なのに減っているナゾ」をアップしました。

 すると、「共産党が隠したい事実」という常連コメント者から、「共産党『受け取り配当金非課税は海外子会社が現地で納税した後の利益への二重課税を防ぐ当たり前の制度だけどその点は黙っとこ』」というのが寄せられました。

 また、また“2重課税論”ですね。何度も同じコメントを寄せています。では、元国税調査官の大村大次郎さんに語っていただきましょう。大村さんは、『なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?』という著書を6月に出版(ビジネス社)されています。

 税の専門家である大村さんは、コメント者の“2重課税論”を完膚なきまでに反論しています。その部分を著書から引用させていただきます。

……
 トヨタが5年間も税金を払っていなかった最大の理由は、「外国子会社からの受取配当の益金不算入」という制度にある。
 これは、どういう制度か。外国の子会社から配当を受け取った場合、その95%は課税対象からはずされのだ。

 たとえば、ある企業が外国子会社から1000億円の配当を受けたとする。この企業は、1000億円の配当収入のうち、950億円を課税収入から除外できるのだ。つまり950億円の収入については、無税ということになるのだ。

 なぜこのような制度があるのか?
 現地国と日本で2重に課税されることを防ぐために、という建前である。
 外国子会社からの配当は、現地で税金が源泉徴収されているケースが多い。もともと現地で税金払っている収入なので、日本で税金を払わなくていい、という理屈である。

『なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?』


 現地国で払う税金と日本で払う税金が同じならば、その理屈も納得できる。
 もし現地国で30%の税金を払っているのであれば、日本の法人税を免除しても問題はない。

 が、配当金の税金というのは世界的に見て、法人税よりも安い。
 つまり現地で払う税金は、日本で払うべき税金よりもかなり少なくてすむのだ。

 たとえば1000億円の配当があった場合、現地での源泉徴収額はだいたい100億円程度である。
 しかし、日本で1000億円の収入があった場合は、本来、約300億円の税金も払わなければならない。

 つまり現地で100億円の税金払っているからという理由で、日本で約300億円の税金を免除されているのだ。実際は、もう少し細かい計算が必要となるが、ざっくりいえば、このような仕組みになっている。

 配当に対する税金は、世界的にだいたい10パーセント前後である。途上国やタックスヘイブンと呼ばれる地域では、ゼロに近いところも多い。
 対する法人税は、世界的に見て20%~30%である。日本も23・4%(国税のみの場合)である。

 だから、「現地で配当金の税金払ったから、本国の法人税を免除する」ということになれば、企業側が儲かるのは目に見えている。
……

 常連コメント者は、「トヨタが儲かるのは隠したいから黙っとこ」ということですね。

 税金の仕組みは、大変、難しいものです。大村さんの『なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?』は、その点で大いに参考になります。ぜひ買って勉強しようではありませんか。
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決算・経営計画 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/09/27 11:41
コメント
No title
完膚なきまで反論したつもりだったかな?

残念、この反論には重大な欠陥があります。

共産党「A国の企業が日本に配当金を払う場合はA国の配当金の税率がかかるつまり利益100億で法人税率30%でも利益全てを配当すれば配当の約10%税金だけですまされてしまう全世界での支払いはたった10億で20億もトヨタは税金を得してる!」

現実「A国からの配当金は利益100億に法人税がかかって30億減った残り70億が配当に充てられる、そこから現地での配当金課税10%で残り63億だが受け取り配当金は非課税だからトヨタは全世界で37億円の納税。」

共産党案を日本に適用すると?
→A国で30億の法人税支払い7億円の配当金課税支払い、日本でも63億円の配当から追加で課税の二重課税


残念だったね。

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