◎憲法学者が安倍政権にふたたび喝!

 安倍政権が提出した安保法制(戦争法)を国会で審議中の昨年6月、衆院憲法審査会で、自民党が推薦した3人の憲法学者は、同法が集団的自衛権の行使を認めていることについて憲法違反と断定し、同党にショックを与えました。

 その1人の長谷部恭男・早稲田大学教授が「しんぶん赤旗」日曜版(8月28日号)のインタビューに応じ、安倍政権がすすめようとする憲法改悪を厳しく批判しています。

日曜版 長谷部教授
(長谷部恭男教授のインタビューが掲載された「しんぶん赤旗」日曜版、8月28日号)

 長谷部教授は、安倍政権は参院選中に憲法にふれず、もっぱら「アベノミクス」を訴えていたことをあげ、改憲勢力が3分の2を占めたからといって、「改憲に向けて有権者のマンデート(信任)を受けたなどとはとてもいえません」と強調します。

 その安倍首相が開票日の翌日に、「いかにわが党の案(自民党改憲案)をベースにしながら3分の2を構築していくか。これがまさに政治の技術だ」とのべたことについて長谷部教授は、「民意とは尊重すべきものではなく、操作の対象だ」という国民を見下した考えがうかがえると指摘します。

 さらに、日本国憲法は「すべて国民は、個人として尊重される」(13条)とあるのは、「国民1人ひとりを、どう生きていくかを考える存在として国は扱いますよという考えです」と憲法のなかでも重要な条項だと強調します。

 ところが自民党の改憲草案は、「個人」を「人」に変えたように、憲法の「大事な原理を骨抜きするもの」だと批判しています。

 長谷部教授は、オーストラリアに本部を置く経済・平和研究所(IEP)が世界163カ国の安全度をランク付けした「2016年の世界平和度指数」を発表したことを紹介。

 日本は安全な方から9番目なのに、自衛隊が派遣されている162番目の南スーダンに、安倍政権は「駆けつけ警護」などの新たな任務を課し、武器使用の拡大をしようとしていることについて、痛烈に批判します。

 「安保法制で世界中に自衛隊を派遣してアメリカの戦争に協力するなんて愚の骨頂です」

15 集団的自衛権批判
(長谷部恭男教授らが共同執筆した『集団的自衛権の何が問題か 解釈改憲批判』=岩波書店)

 その上で、「憲法の平和思想、9条の思想は国民に根付いています」とのべ、新聞の世論調査でも憲法9条を変えるべきだという人がだんだん少なくなり、守るべきだと言う人は増えて、「朝日」(5月3日付)では約7割ですと指摘。「そう簡単に、安倍首相の思い通りにはいきません」とのべます。

 長谷部教授は、東大で21年間教鞭をとった後、早稲田大へ移りました。元・国際憲法学会副会長で「立憲デモクラシーの会」の呼びかけ人です。いわば憲法の大御所が、憲法9条を変えようとする安倍政権に、安保法制を違憲だと断じたのに次いで、ふたたび喝を入れたものです。
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戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/09/01 14:33
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