◎被爆国の首相なのか

 オバマ米大統領が初めて米大統領として広島市の平和記念公園を訪れた5月27日。寄り添うように安倍首相がいました。今度こそ核廃絶をと願う被爆者や日本国民。その願いを安倍首相は裏切りました。

 安倍首相は8月20日、リオデジャネイロ・オリンピックの閉会式に向かう羽田空港で、記者団に質問に答えました。オバマ大統領が検討している核兵器の先制不使用政策について、「抑止力を弱める」として反対する意向を、ハリス米太平洋軍司令官に伝えたとする米紙報道について、「アメリカの核の先制不使用についてのやりとりは全くなかった」などと否定しました。

 ワシントン・ポスト紙が15日報道し、日本のメディアが16~17日にいっせいに伝えました。こんな重大なことを、記者団に問われて数日後に否定するという理解しがたい態度です。

 外務省高官も、「米国の抑止力は弱体化する」とのべており、安倍政権が核兵器の先制不使用政策に懸念を持っていることには変わりありません。日米安保条約で、アメリカの“核の傘”の元にいることを当然視する姿勢では、核廃絶のイニシアチブを取ることはできないでしょう。

 それを明確に示したのが、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開かれていた核軍備の縮小・撤廃に向けた多国間交渉の前進を図る国連作業部会です。最終会合の19日、国連総会に対し、核兵器禁止条約の交渉を2017年に開始するよう「幅広い支持をもって勧告した」との報告を、賛成多数で採択しました。

 ところが日本は、棄権したのです。賛成はメキシコなど68カ国、反対は米、露、英、仏、中をふくむ核保有国など22カ国、棄権は日本など13カ国でした。日本が棄権するのは、アメリカに配慮した段階的な核軍縮という立場からです。

 これが唯一の被爆国の姿勢でしょうか? 広島でオバマ大統領に寄り添っても、ポーズだけだったといわれてもしかたないでしょう。なぜ、被爆者の願いにこたえて日本が核兵器廃絶のイニシアチブをとれないのでしょうか? 情けなくなります。

平和行進・豊田
(豊田市での平和大行進=6月2日)

 地球上にある約1万6400発の核兵器。核兵器の廃絶をめざす2016平和大行進が、5月6日に東京・夢の島を出発した後、6月2日に豊田市に入り、広島に向かいました。

 広島で開かれた原水爆禁止世界大会では、「被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」(ヒバクシャ国際署名)に取り組むことを決めました。日本被団協が今年3月に呼びかけたものです。

 署名用紙に添えられた「被爆者の訴え」では、「核兵器は、地球を死の星にする悪魔の兵器です」「あなたの署名が、核兵器廃絶を求める何億という世界の世論となって、国際政治を動かし、命輝く青い地球を未来に残すと確信します」と呼びかけています。

 国際署名の提出先は毎年の国連総会です。次回の核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれる2020年8月までに、世界数億人を目標にしています。2020年8月といえば東京オリンピックが開かれる時です。核廃絶に向けて、草の根からの運動を強めましょう。
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戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/08/21 11:28
コメント
一方その頃ドイツでは核兵器の保有を2040年まで延長に
http://business.newsln.jp/news/201608170854190000.html
ドイツ軍、B61-12核爆弾の実戦配備計画に着手・核攻撃能力を2040年まで延長
Posted 4 days ago, by Joseph Hoffman
ドイツ軍(Bundeswehr)が米軍の核兵器近代化改修計画に合わせて、核攻撃能力の刷新事業に着手したことが15日、ドイツのDer Spiegel誌の報道で明らかとなった。

米軍は現在、B61(自由落下型核爆弾)の近代化改修版となるB61-12の生産準備を進めているが、Der Spiegel誌によると、ドイツ軍に関しても、米軍の核兵器近代化改修事業に合わせて保有するトーネード攻撃機にB61-12が搭載できるようにマガジンを改修する計画に着手したとしている。


※ドイツはアメリカからレンタルの形で核兵器を保有しています。

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