◎続続続 あまりにもひどい 政治家の“美学”、検察の判断

 安倍首相の盟友といわれる自民党の甘利明・前経済再生相(衆院議員)の口利き疑惑。検察は8月16日、市民が入った検察審査会が元秘書2人について「不起訴不当」と議決し、再捜査を求めていたが、ふたたび不起訴にした。甘利氏の不起訴も決まっており、捜査は終結した。

甘利事務所は、「不起訴に安堵した」とのコメントを出した。甘利氏や元秘書だけでなく、捜査をした検察もあまりにもひどいではないか。甘利氏本人も、建設会社から2回にわたって50万円ずつ受け取っていたことを認め、元公設秘書は500万円もらっていた。

 それでも不起訴である。この国に正義はあるのか? どうなっているのだ、この国は。こうした前例をつくれば、「甘利さんも秘書も無罪になった。これからは、いくらでもできる」と大臣や国会議員などが大手を振って動くことができるだろう。

12 甘利氏 HP
(口利き疑惑の報道以来、甘利明氏のホームページはほとんど更新されていません)

 検察審査会の議決は、元秘書がアポイントも取らずに都市再生機構(UR)を訪問し、補償交渉への対応を確認した経緯について指摘した。「有力な国務大臣の秘書で、URの判断に影響を与えうると判断しているからだ」と強調した。UR側が応対したのも、「不利益を受ける恐れがあると判断した」とのべ、再捜査を求めていた。

 ところが検察は、「総合的に判断」して、ふたたび不起訴にした。市民らが求めたのに、こんな判断では検察がいかに政治家に甘いかを示した。国民のだれもがやりきれないだろう。

 週刊「文春」が1月に報道すると、甘利氏は経済再生相を辞任(1月28日)した。説明責任を果たすといいながら、2月15日付で「睡眠障害」の診断書を国会に提出してから3カ月以上国会に出席しなかった。

甘利氏 構図
(甘利明氏の金銭授受構図=日経新聞、5月31日付から)

 参院選が終わった後の臨時国会に、「睡眠障害」が治ったとして出席し、安倍首相と談笑する写真が新聞に掲載された。辞任記者会見では、「秘書に責任転嫁することはできない。それは政治家としての美学、生きざまに反する」などとのべ、“矜持”という言葉まで使った。

 病気が治ったのであれば、黙して語らずでは済まない。約束していた調査結果を明らかにするために、国会で質問に答えたり、記者会見して、名前の通り真実を明らかにすべきだ。それが、自ら語った政治家の“美学”、“矜持”のはずだ。
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安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/08/19 10:01
コメント
No title
ご主張は大変に理解できるし、その通りだと思いますが、「検察官は政府の一員であって、かつての左翼の言い方を借りれば『権力の走狗』」(小室直樹)なのであって、検察官に正義を求める考え方が間違っているともいえます。「検察=性悪説が近代刑事裁判の大前提」(同)なのです。「小室直樹なんて」と思われるかもしれませんが、小室先生がお書きになられた『日本人のための憲法原論』は伊藤真弁護士が「憲法や法の役割を学ぶには最高の本」と絶賛しています。

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