◎ルモンド紙 稲田防衛相任命は安倍首相の権力強化

 このブログ「トヨタで生きる」では、「侵略戦争と言えない稲田防衛相」をアップ(8月6日)しました。そこで書いた稲田氏の侵略戦争についての歴史認識や靖国神社参拝問題などは、フランスのルモンド紙(8月3日付)の内容と大筋で一致していることに驚きました。

 内田樹・神戸女学院大名誉教授は、ルモンド紙の記事を翻訳して同名誉教授のホームページに掲載し、こうのべています。

 「こういうごく当たり前に『鳥瞰的』な記事がどうして日本の新聞は書けないのでしょう。報道内容そのものに誤りはないけれど、それだけ読んでも文脈がわからない記事で紙面は埋め尽くされています」

 内田名誉教授が翻訳した、ルモンド紙の記事の要約は次の通りです。

30 自民 憲法改正案
(自民党の憲法改正草案。天皇を元首にしようとしています)

……
 日本の首相安倍晋三は側近を彼の政府に登用したが、とりわけナショナリスト的立場で知られる女性を防衛相に任命することによって彼の権力掌握を一層強化しようとしている。

 稲田氏にはこの分野での経験がないが、自衛隊の海外派遣についての新しい枠組みを定めた2015年採択の安全保障関連法を運用するというデリケートな仕事を委ねられることになる。

 経験不足にもかかわらず稲田氏が登用されたのは、彼女が首相の側近であり、「お気に入り」だからである。安倍氏は彼女を後継者候補とみなしているようであるが、それは二人のイデオロギー的な近接性による。

 彼は稲田氏を自民党の政調会長に2014年に任命した。通常経験豊かな議員が任ぜられるこのポストに、稲田氏は2012年から14年まで行政改革担当相を勤めたあとに就いた。

 2005年に福井県から初当選したこの57歳の弁護士は安倍氏に近いそのナショナリスト的立場によって知られている。政界に入る前、彼女は1945年の沖縄戦の間の日本兵士のふるまいについての作家大江健三郎の著書によって名誉を毀損されたと感じた日本軍将校たちの弁護活動をしていた。

 議員になってからは歴史修正主義の立場を繰り返し表明し、1937年の日本軍による南京大虐殺や、『慰安婦』の存在を否定している。2015年、終戦70年に際しては、謝罪しないと繰り返しアピールした。

 ウルトラナショナリストの組織である日本会議のメンバーであり、日本のアジアでの行動を「侵略」とすることを否定しており、戦争犯罪人を含む戦死者を祀っているために当否について議論の多い靖国参拝を擁護している。

 稲田氏はまた憲法改定についても意欲的である。こういった言動は中国、韓国との外交関係を必ずや紛糾させるであろう。
……
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戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/08/09 09:47
コメント
No title
経験不足どころかイデオロギーも全然違う鳥越候補を都知事選挙で支持していたのに
少なくとも国会議員の経験がある稲田氏が経験不足扱いって共産党の上層部は痴呆状態なんですか?
No title
都知事選は、イデオロギーで野党共闘をしているわけではありません。2代続けて「政治とカネ」の問題で知事が辞職するという異常な状態を改めるために、政策で一致した鳥越氏と野党4党、市民団体が推したのです。稲田氏の問題は、「侵略戦争」とも言えない人物を、こともあろうに防衛相に任命したことにあります。世界から見ても異様です。ルモンド紙が指摘するのは当然でしょう。
No title
「ルモンド紙が取り上げたことを前面に出して共産党や野党が選んだ責任はウヤムヤにしよう!」

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