◎独裁者、秀吉の最期

 NHKの大河ドラマ「真田丸」で、天下人・豊臣秀吉の「終焉」(第31回)が8月7日、放送された。「秀頼のことをよろしく」と徳川家康などに何度も頼みこむ一方で、側近に「家康を殺せ」と命令する。

 しかし、この日の放送をふくめ病に侵された秀吉の最期を、脚本家の三谷幸喜がこれでもか、これでもか、と描く。秀吉役の小日向文世の演技は秀逸だ。権力者の冷酷さと失禁する哀れさとを演じ分けた。

 それにしても、明の支配を夢見て2度の朝鮮出兵、千利休への切腹命令、後継者として関白の地位を譲っていた、甥の秀次を謀反の疑いで切腹を命じ、一族を三条河原で斬首…。

 石田三成や真田信繁(幸村)ら側近の諫めも何の効果もなく、これが農民から登りつめた権力者かと思うとぞっとした。一度権力を手にすると、自分の息子、幼い秀頼のために盲目的になれるのかー。

70 ステラ 真田丸
(NHKの大河ドラマ「真田丸」。秀吉の臨終の場面=MHKの雑誌「ステラ」から)

 時代は、16世紀の封建時代であり、1人の最高権力者の一言で、どんなこともできる。それを止める人間も組織もない。自由も民主主義も、かけらもない時代であり、支配する者、支配される者が画然と分かれていた。

 この16世紀、明でもフランスでもイングランドでも、世界は皇帝や王が人々を支配していた。人間は生まれながらに自由であり、平等という思想は、18世紀後半のフランス革命を待たねばならなかった。

 日本では戦前、絶対主義的天皇制が人々を支配し、明治維新から1945年の終戦までの78年間は、日清、日露、アジア・太平洋戦争など戦争に次ぐ、戦争の暗黒時代であった。1銭5厘の召集令状(当時のハガキの郵便料金)で、命を奪われた。

 人々が自由と民主主義を獲得したのは、主権在民、恒久平和、基本的人権の保障、議会制民主主義、地方自治などの原則を織り込んだ現憲法を手にしたこのわずか70年間にすぎない。

 憲法を守るのは、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」(憲法99条)とあるように、政治家や公務員であり、国民ではない。ところが安倍政権は、憲法違反の集団的自衛権を盛り込んだ戦争法(安保法制)を昨年9月、国会で強行した。

 憲法にしたがって政治を行う―という立憲主義を破壊すれば独裁者になり、王や皇帝の時代にさかのぼることになる。自民党は、改憲草案(12年4月)で、天皇の元首化や9条2項(戦力の不保持)を全面削除したうえで、自衛隊を「国防軍」にしようとしている。

 安倍首相は、衆院に続いて先月の参院選で改憲勢力が3分の2を獲得したことで、9条などの改憲をねらっている。自民党総裁の任期(2期6年)を延長し、「3期9年」を視野にしている。

 仮にこれが実現すると、安倍首相の任期は、東京オリンピックの翌年の21年9月末となる。長期政権をにらんでいる。安倍独裁政治への道を歩ませてはならないと思う。
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戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/08/08 10:03
コメント
No title
天皇陛下が生前退位をされて上皇となると憲法の制限から離れた皇族が誕生することになる。
そうなると現行憲法の体制を維持するには憲法99条に条項を加える憲法改正が必要に。

さて共産党は憲法から解き放たれた条項を認めるのか
それとも憲法改正に舵をとるのか、これから大変ですね。
No title
「秀吉がチンケに見える戦後の大虐殺国家トップ3は共産党による独裁国家だったのは黙っとこ」
No title
集団的自衛権のための組織である中国語で「連合国」って書かれる「国際連合」に加盟してるのは国民にだまっておかないとね。

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