◎固定費の増加 株主配当の増加

 少し前のトヨタ自動車の労使懇談会(6月6日)のことで恐縮ですが、気になることがありました。16年3月期の決算と17年3月期の決算見通しのなかで、「収益構造の状況」についての会社側の発言です。

 労組の「評議会ニュース」(6月30日発行)によると、04年3月期からの13年間のうちで、この数年、「固定費総額(労務費・減価償却費・試験研究費・経費等)は、増加を続けており、リーマン前を大きく上回るレベル」とのべ、図表を掲載しています。

8080 労使懇 固定費
(トヨタ労組の「評議会ニュース」、16年6月30日発行から)

 図表の縦軸は、具体的な数字が省かれているために、固定費の総額や1台当たりの固定費がどれくらいかはわかりません。しかし、増加していることは図表から読み取れます。

 その上で、「組合員へのお願い」として、「『1台・1円・1秒』にこだわった改善活動をやり抜いて頂きたい」とのべています。

 この図表を見ながら、16年3月期決算のプレゼンテーション資料、「株主還元」の図表を思い起こしました。16年3月期は、過去最高の2兆8000億円を超える営業利益を上げたことから、株主配当も過去最高の1株当たり210円、総額6455億円という莫大なものでした。

株主配当 201603期
(トヨタの16年3月期決算プレゼンテーションから)

 赤字となったリーマン・ショック後の10年3月期は、1株45円でしたから、16年3月期は4・6倍にもなっています。株主配当の増加ぶりは、固定費の増加よりはるかに増加しています。

 トヨタの株主は、「個人その他は」は約18%にすぎず、金融機関や外国法人などが残りの大部分を占めています。組合員ら労働者が汗水して働いて稼いだ利益が金融機関や外国法人などに持っていかれるのです。

 固定費の大きな部分を占めるのは、組合員の賃金など労務費です。株主配当の増大にはふれず、労務費など固定費の増大に問題があるかのようにのべるのは、ステークホルダーのあり方としては一方的ではないでしょうか。

 そうでないと、「1台・1円・1秒」にこだわった改善活動に、身が入らなくなる、と思いますがどうでしょうか?
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決算・経営計画 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/08/01 16:39
コメント
No title
トヨタの販売台数の6割が海外で外国法人や海外の個人は3割以下
➡海外で儲けたお金は国内に多く還元(逆に日産は6割が海外の株主)
トヨタの株主の多くは年金関連
➡公的年金のGPIFや個人年金関連の金融会社が大半で国民に年金で還元

先日、公的年金を運用するGPIFが1兆5千億円分もトヨタ株を保有しているとニュースになったけど共産党には不都合なんでこの手の内容は書いてないようなので補足しときますね。

あと、東京都知事選では性犯罪者疑惑の候補を野党相乗りで以前の候補をポイ捨てしてまで応援したのに前回以上の大敗北したんですけど
流石に恥ずかしいのか何も書かれて居ませんね。

共産党って自民党以上に「過ちを反省しない」政党ですよね。
株主配当は、業績に応じて上げ下げは可能だけど、給与は・・・・

どっちが固定費の増加か一目瞭然だよね。
No title
トヨタ株も保有で1位でGPIFに貢献しているならトヨタも国益に沿って優秀な企業の証でもある。

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