◎羽生3冠と電脳戦

 今年の将棋名人戦は5月31日、羽生善治名人(45)が初挑戦の佐藤天彦八段(28)に1勝4敗で敗れるという波乱の幕切れでした。

 25歳で、将棋界のすべてのタイトルの7冠(1996年)になってからも、多少のじくざくはあるものの、史上最強の棋士といわれてきました。

 親子ほど年の差がある佐藤名人に1勝しかできず、屈辱的な敗北を喫した羽生3冠。何があったのか? 45歳の曲がり角説、世代交代論など、さまざまな解釈が出ています。

 羽生3冠が7冠となったころ、プロ野球のイチロー選手(42歳)が初めての年間200本安打超え(210本)を達成(1994年)し、その後パリーグで7年連続首位打者となりました。

 2人の20代の若者がさっそうと現れた1990年代。その突き抜けた成績に、バブル崩壊後で暗い時代だった日本の未来を感じさせる働きぶりとして注目されました。

 その2人も40代の中年になりました。イチロー選手は、昨年は91安打、2割2分9厘の成績しか残せず、最低の年になりました。スポーツ選手として体力の限界説が盛んに言われました。

 しかし、今年のイチロー選手は復活し、日米通算で大リーガーのピート・ローズの生涯安打4256本を上回り、現在は大リーガー3000本安打にあと3本と迫っています。

将棋


 その点、将棋の世界では体力は関係なく、大山康晴十五世名人は69歳で亡くなるまで、がんとたたかいながら棋士トップのA級を維持。66歳でも棋王戦に挑戦、68歳では名人戦の挑戦へあと1歩まで迫りました。

 羽生3冠が大山十五世名人の年齢にまで達するには、まだ20年以上もあり、名人位を奪取する可能性は十分あるでしょう。その羽生3冠、コンピューターの将棋ソフトと棋士が対戦する「電王戦」に、参戦することを明らかにしています。

 トーナメント形式の予選で羽生3冠が勝ち抜けば、来年の電脳戦で、将棋ソフトと対戦することになります。2012年から始まった電脳戦では、ボンクラーズなど将棋ソフトとのたたかいです。

 将棋ソフトは、人工知能(AI)の急速な進歩で、棋士側が相次いで負ける事態になっています。史上最強の羽生3冠と人工知能とのたたかいで、果たして羽生3冠は勝てるのか? 名人戦と並んで注目されます。

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その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/07/28 13:04
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