◎非核「神戸方式」と潜水艦

 港町・神戸はおしゃれな街といわれる。先日、飲み仲間と訪ねた。繁華街の三ノ宮から中華街の南京町、港のメリケンパーク、ハーバーランドなどを歩いた。真夏の港はさすがに暑かった。

 阪神・淡路大震災から21年目の神戸の街は、高速道路が倒壊するという衝撃的な大震災の爪痕はほとんど残っていなかった。唯一、メリケン波止場の一角に震災メモリアルパークに、破壊された岸壁がそのまま残されていた。

 大きく傾いて波に洗われるままの岸壁を見ながら、いつ起きてもおかしくないといわれる南海トラフ地震とそれによる大津波を考えた。しかし、港の繁栄を見ていると、自分の想像力が欠如しているのがよくわかる。

非核「神戸方式」の碑 2
(「非核『神戸方式』の碑」)

 そこから歩いて10分ほどのところに神戸華僑歴史博物館がある。その建物の前に「非核『神戸方式』の碑」があった。非核「神戸方式」とは、1975年3月に神戸市会(市議会)で、「核兵器積載艦船の神戸港入港拒否に関する決議」が全会派によって決議されたことに始まった。

 神戸港に入港しようとすれば、核兵器を積んでいないことを証明する文書を市長に提出しなければならない。米艦船は、これを拒否しているために40年以上にわたって一度も入港していない。

 神戸港は、非核3原則を国是とした日本で、平和のために大いに貢献してきた。このあと神戸港を一周するクルージング船に乗って、もう1つの神戸港の顔を見ることになった。

神戸と川重、三菱
(川崎重工業の工場と後方には神戸三ノ宮のビル群)

 船は、出航するとすぐ川崎重工業や三菱重工業の工場の裏手を走る。工場の正面からは絶対にうかがうことができない裏面を見せてくれる。巨大なクレーンが並び、それをはるかに凌駕するドックが目の前に見える。

 その時、川重の工場から海に半分沈んだ潜水艦が見えた。黒く光る潜水艦は、今までいたメリケン波止場の華やかさを一瞬のうちに打ち消す迫力をもって迫ってきた。

12 川重 潜水艦
(川崎重工業の工場にあった潜水艦)

 三ノ宮からの至近距離に、潜水艦があるという非日常にうろたえた。三菱重工業の工場では、潜水艦特有の大きなマストが見えた。非核「神戸方式」と潜水艦が同居するという神戸港。おしゃれな街、神戸に潜水艦は絶対に似合わない、と思った。
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戦争と平和 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/07/21 09:38
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