◎長時間労働規制 安倍政権が動き始めたが…

 安倍政権が、日本の長時間労働の法的規制について、「36協定における時間外労働規制の在り方を再検討する」(安倍首相、3月25日)などと、やっと重い腰を上げ始めました。

 このブログ「トヨタで生きる」では、4月1日アップで、日本共産党の志位和夫委員長が昨年2月の衆院予算委員会基本的質疑で、ヨーロッパ諸国より異常に長い日本の長時間労働問題を取り上げ、このなかで、36協定まかせではなく、残業時間は「月45時間」までと法律で規制するよう求めたことを紹介しました。

 同じ4月1日、塩崎恭久厚生労働相は、1カ月の残業が100時間に達した場合に行っている労働基準監督署の立ち入り調査について「80時間を超える残業のある事業所に対象を広げる」と表明(日経新聞、4月2日付)しました。

 このことは、一歩前進ですが、これまでの月100時間というという残業時間は、どんな時間なのでしょうか? 厚労省や裁判所は、労働者が亡くなる1カ月前に「おおむね100時間」の残業をしていたというのを、過労死認定の目安にしている時間です。

トヨタ総行動 過労死なくせ
(「長時間労働・過労死なくせ!」を掲げたトヨタ総行動=2月11日)

 トヨタ自動車堤工場で働いていた内野健一さんが、名古屋地裁で過労死認定(2007年11月)されたのも、QCサークル活動や創意くふう運動もふくめて月の残業時間が106時間45分だったからです。

 一方、トヨタテクノクラフト(本社・東京、トヨタが100%出資の子会社)の関連会社、テー・エス・シー(同社の100%出資の子会社)で働いていた三輪敏博さんの過労死については、妻の香織さんの訴えを名古屋地裁は認めませんでした(先月16日)。

 厚労省側は、三輪さんの残業時間を85時間と算出。香織さんは、サービス残業を含めて99時間と主張してきましたが、裁判所は過労死と認めなかったために香織さんは名古屋高裁に控訴しました。

 このブログで4月1日にアップした記事は、厚労省の資料をもとに健康障害のリスクは、「月45時間以内」は低いものの、これを超えると徐々に高まること。「月100時間超、または2~6カ月平均で月80時間を超えると」、リスクは高くなることを紹介しています。

 厚労省が立ち入り調査をする場合を80時間超としたのは、一歩前進とはいえ、極めて不十分なものです。日本共産党の志位和夫委員長が提起したように、残業は「月45時間」までとする法的規制の一刻も早い実現とともに、立ち入り調査も月45時間超とすべきでしょう。

 「月45時間」の法的規制があったならば、内野さんも三輪さんも亡くなることはなかったでしょう。世界に類例がないといわれる“過労死”を根絶するために。
スポンサーサイト
過労死 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2016/04/06 10:46
コメント
本当にあほやな
時間やないねん!
月100h遊んだら、死ぬか?
死なんよな、
働きかたやねん。
No title
労働基準監督官が全国的に少なくて立ち入り調査もままならない状況で
基準だけ強化しても監督官の過労が加速するだけ。

人手が足りなくて成果を出せない職場に対して人を増やさずに
ノルマだけ積み増ししても成果は増えないよ。
No title
アイシンの場合、社外監査役(名古屋大学法学部教授)に直訴すれば、何とかしてもらえるのかな?社外監査役が盲腸でなければ、というのが前提ですが。

管理者のみに表示