◎メディアの役割は権力監視

 この3月、骨のあるテレビキャスターが相次いで降板する。テレ朝「報道ステーション」の古舘伊知郎、NHK「クローズアップ現代」の国谷裕子、TBS「NEWS23」の岸井成格の3氏だ。

 古舘キャスターは3月18日の放送で、民主的といわれたワイマール憲法のもとで、ヒトラーがなぜファシズム独裁を実現できたかに肉薄した。ドイツへ1泊3日で取材した。

 「ヒトラー独裁への経緯というのを振り返っていくと、まあ、日本がそんなふうになるとは到底思わない。ただ、いま日本は憲法改正の動きがある。立ち止まって考えなきゃいけないポイントがあるんです」

 ヒトラーが演説した同じ場所から迫真のリポートをする古館キャスター。安倍首相の改憲の入り口の「緊急事態条項」と重ね合わせるような口調は、“古館、最後の反撃”とまでいわれるほどだ。

 安倍政権にすり寄ってきた籾井勝人会長のもとで、完全にスポイルされたNHKでは、絶対にできない古館キャスターのリポートだった。

 高市早苗総務相は国会で、テレビ局が政治的公平性を欠く放送をくり返した場合、電波停止を命じることができるとまでのべた。放送法で定められた放送局の自律をねじ曲げる高市発言は、テレビ局に圧力をかけるもので、局側を萎縮させる効果をねらったものだ。

 朝日新聞は、長年にわたる従軍慰安婦問題の記事の一部を誤報だと認めたり、東電福島第一原発の吉田昌郎所長の調書による「命令違反で撤退」記事を取り消した(14年9月11日)。

 読売、産経をはじめとする新聞、メディアの“朝日バッシング”はすさまじく、護憲・リベラルが社是だった朝日の紙面、論調は変質し、精彩を欠いている。

 朝日新聞のベテラン記者は語る。「甘利明経済担当相の政治資金規正法とあっせん利得処罰法違反の疑いについてスプークしたのは週刊誌の文春だった。文春は、その後も自民党の宮崎謙介衆院議員の不倫を暴露するなど週刊誌が権力の腐敗を追及している。新聞は何もできないでいる」

朝日 太平洋戦争
(『太平洋戦争開始の日・終戦の日』(大空社)から)

 新聞、テレビなどメディアの最大の役割は何か? それは権力監視である。日本では、71年前に日本を破滅に追い込んだ侵略戦争に、新聞が手を貸した。320万人の日本人と2000万人を超えるアジア・太平洋などの人々を死に追いやった侵略戦争を2度と繰り返えさせないのがメディアの役割だ。

 アジア・太平洋戦争開始した日(1941年12月8日)のことを報道した朝日新聞の記事は、侵略戦争を煽り立てている。メディアの役割は歴然としている。

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その他 | コメント(10) | トラックバック(0) | 2016/03/25 07:20
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共産党は自民党といっしょになって放送法違反で朝日を糾弾していた
椿事件

経緯

1993年6月の衆議院解散(嘘つき解散)後、7月18日に第40回衆議院議員総選挙が行われ、与党自由民主党が解散前の議席数を維持したものの過半数を割り、非自民で構成される細川連立政権が誕生。自民党は結党以来初めて野党に転落した。

9月21日、日本民間放送連盟の第6回放送番組調査会の会合が開かれ、その中でテレビ朝日報道局長の椿貞良は、「『ニュースステーション』に圧力をかけ続けてきた自民党守旧派は許せない(山下徳夫厚生大臣が「同番組のスポンサーの商品はボイコットすべきである」と発言した、と椿は主張している[1])」と語り選挙時の局の報道姿勢に関して、

「小沢一郎氏のけじめをことさらに追及する必要はない。今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」
「日本共産党に意見表明の機会を与えることは、かえってフェアネスではない」

~中略~

10月13日、産経新聞が朝刊一面で椿発言を報道[6]、各界に大きな波紋を広げる。これを受けて、郵政省放送行政局長の江川晃正は緊急記者会見で、放送法に違反する事実があれば電波法第76条[7][8]に基づく無線局運用停止もありうることを示唆、自民党・共産党は徹底追及の姿勢を明確にする。直後に椿貞良は取締役と報道局長を解任されている。10月25日、衆議院が椿を証人喚問。その中で椿は民放連会合での軽率な発言を陳謝したが、社内への報道内容の具体的な指示については一貫して否定。あくまで偏向報道は行っていないとしている[9]。
No title
今回のブログ記事意訳

共産党「俺を批判する放送局は放送法違反で徹底追求してやる!」
共産党「でも自民党だけを批判するなら問題無いよ」
椿事件での共産党 矢島議員の証人喚問での糾弾の様子
○矢島委員 あなたの言っていることは、まさに共産党を排除することは社の方針なんだと言わんばかりの言い方ですね。
 というのは、私申し上げます。あなたの方に何回か抗議しているということはあります。もちろん何回かというよりは、数が多くて全部を時間内に申し上げられるような数ではございませんが、九三年六月二十七日、昼のニュース、東京都議選の投票風景、ここで各党が出ていますが、不破委員長を排除した。あなたのやったのは、こういう「ニュースステーション」ですね、あなたが関係した、いわゆる椿前報道局長の答弁というのは、九一年一月二十五日「ニュースステーション」、日本共産党を除いて、「中東国会第二ラウンドはじまる」こういう番組をやったんですよ。そのときに他の党は、委員長、書記長がインタビューを受けている。あなたは、今後バランスのとれた報道を行うよう注意する、こういう発言をされている。にもかかわらず、その後一連の報道の中で、我が党を除いたり、あるいは公正、公平に反するであろうと思われる報道が次々となされているわけです。
 私が言いたいのは、憲法でうたわれているところの言論の、あるいは報道の自由、こういうものは、真実を隠したり、あるいは放送しないという自由ではないということ。つまり、事実を隠ぺいして国民を特定の政治目標に誘導するということは、民主主義を否定する放送である。そのことをあなたはやったと、こう発言していらっしゃるわけです。まさに、放送の自由どころか、放送の自由に逆行するものだ、私はこのことを指摘しまして、さらに質問したいのですが、時間がありませんので、以上で終わります。
No title
椿事件や細川氏による政権奪取ってまんまナチスの手法ですよね?

朝日新聞の元社員の細川氏を国のトップに据えるために朝日新聞系の
テレビ局がプロパガンダを行い国民の支持を集めて選挙で与党を倒し
政権を奪取する。

むしろ椿事件における追及で自民党はナチスの手法から日本を守ったのでは?
No title
岸井とか鳥越とかは、視聴者の会の
公開討論に出てきて、とことん意見交換を
すべきで、それで視聴者が白黒をはっきり
させたらいいのに、逃げてばっかりだからなぁ。

昨日の日本外国特派員協会での会見も
ぐだぐだで、特派員の質問にまともに
答えられませんでしたよね。

質問の趣旨とは違う意見ばっかりでした。
No title
話題が変わって恐縮ですが、安倍総理は、残業規制や三六協定の見直しをするそうですね。本来、民主党(いまの民進党)が問題提起しなければならないのに。安倍政権の善政の一つでしょうか?
古舘キャスター「画面上、圧力があったかのようなニュアンスを醸し出す間合いを、 僕がつくった感はある」
共産党も朝日新聞に相乗りして政府の圧力があったという演出をしていたとバレてしまいましたね。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160609-00010002-jindepth-sci
古舘氏は朝日新聞がキャンペーンとして伝える、「テレビ局に政府・自民党の政治的圧力がかけられている」という趣旨の主張を完全に否定しただけではなく、自分自身が画面上でその政治的圧力があるかのような演出をしていたと認めたからだ。圧力がないのに圧力があるかのようにみせかけていた、と、当の本人が告白したのだ。
メディアが政府によるメディア弾圧を演出?
佐藤記者「政治からの圧力は本当になかったのですか」

古舘氏「僕に直接、政権が圧力をかけてくるとか、どこかから矢が飛んでくることはまったくなかった。圧力に屈して辞めていくということでは決してない」

佐藤記者「この春、NHK『クローズアップ現代』の国谷裕子さん、『NEWS23』の岸井さんも相次ぎキャスターを降りました」

古舘氏「岸井さんも国谷さんも、会ったことはありません。同時多発に辞めたのは不思議ですね。通底する何かがあるんですか? むしろ朝日新聞にお聞きしたい」

いやはやなんとも信じがたいような真実の発覚だといえよう。
No title
◎海外メディア東京特派員らが語る 日本「報道の自由」の危機
毎日新聞2016年2月12日 東京夕刊

 春の番組改編を機に、NHKと民放2局の報道番組で、安倍晋三政権に厳しいコメントをしていた看板キャスターらが、降板したり、レギュラーから外れたりする。テレビ局側は政治的圧力による降板説を否定するが、海外のメディアや言論団体は「民主主義への挑戦」と警鐘を鳴らす。「そもそも自主規制が問題」とお叱りを受けるのは覚悟のうえで、海外メディアの東京特派員らを訪ねた。「日本の報道の自由、どこがどう問題ですか?」【堀山明子】

【政府の口出し自体が大問題】

 「安倍政権を批判したキャスターがそろって去るのは偶然とは思えないね。背景に何があったのか、団結して3人で会見したらどうか」

 こう話すのは、英経済誌「エコノミスト」記者のデビッド・マクニールさん(50)。3人とは、NHK「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスター、テレビ朝日「報道ステーション」の古舘伊知郎メインキャスター、TBS「NEWS23」の岸井成格アンカーのことだ。背景とは?

 「利用価値のあるメディアの取材には応じ、批判的なところには圧力をかける『アメとムチ戦略』。そうやってリベラル勢力の排除を徹底しているのが安倍政権だと思います」

 「アメとムチ」の対象には海外メディアも含まれる。安倍首相は、例えば米紙では、保守系のワシントン・ポストやウォール・ストリート・ジャーナルの単独会見には応じたが、慰安婦問題で安倍首相の歴史観を批判するニューヨーク・タイムズとは会見したことがない。

 「エコノミスト」は2014年11月、安倍首相に単独インタビューをした。アベノミクスを評価する特集は何度か組んだが、慰安婦問題や憲法改正問題では厳しい見方を報じている。

 マクニールさんは3氏の交代劇に関する記事を書き上げたばかり。安倍政権のアメとムチ戦略の問題点とともに「政治家と戦わない日本メディア」にも疑問を投げかける内容だ。「アメとムチで海外メディアを縛るのは簡単じゃない。宣伝ばかりの記事は説得力がないから。でも、国内メディアには、『戦略』は効いているようだね」

 「フランスだったら、与党が公然と放送局幹部を呼び出しただけで問題化するね」と言うのは仏紙「ルモンド」のフィリップ・メスメール東京特派員(43)だ。自民党情報通信戦略調査会が昨年4月にNHKとテレビ朝日の幹部を呼び、番組について事情聴取したことに「なぜ他のテレビ局や新聞、雑誌がもっと抗議しなかったのか不思議でならない」と疑問を投げかける。

 「報道ステーション」のコメンテーターだった元経済産業官僚の古賀茂明氏が安倍政権からのバッシングを訴え降板した直後の昨年4月、「日本メディアは政治的圧力に直面している」という見出しの記事を配信した英紙「ガーディアン」東京特派員のジャスティン・マッカリーさん(46)も政権の高圧的な姿勢を懸念する。高市早苗総務相が、政治的な公平性を欠くと判断した放送局に電波停止を命じる可能性に触れた発言にも「なぜ今発言したか、文脈を考えると、単なる法解釈の説明とは言えない」とみる。「イギリスでも選挙報道で放送局は不偏不党を義務づけられているが、政治的な公平性は定義があいまいで、不偏不党とは違う。もしイギリスで同じ発言が出たら野党は相当批判するだろう」と語った。

 メスメールさんらが重視するのは「圧力があったか」を巡る安倍政権とテレビ局の認識ではなく、政府・与党が介入した事実そのもの。報道内容に口だしすること自体が大問題なのだ。

【安倍政権で低落、世界61位に】

 日本の「報道の自由」は外国人記者から見ると、どんな水準なのか。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が02年から発表を続ける「世界報道自由度ランキング」を見てみよう。

 日本は小泉政権時代に26〜44位で上下した後、政権末期の06年に51位にダウン。民主党政権時代の10年に11位と西欧諸国並みの水準まで上がったのに、13年に53位と急降下した。

 昨年3月の発表では61位まで落ち込み、先進国では最下位だ。ちなみに韓国は60位。産経新聞ソウル支局長が朴槿恵(パククネ)大統領の名誉を傷つけるコラムを書いたとして14年10月に在宅起訴された後、昨年12月に無罪判決が出たのは記憶に新しいが、その韓国より海外から見ればランクが低いのだ。

 13年に急落したのは、民主党政権時代も含め、福島第1原発事故に絡む情報統制と秘密保護に関する法制定の動きが理由だ。民主党時代にランクが上がったのは、フリーランスや外国人を制限していると国際的に批判される記者クラブの運用で、改善があったことが影響したと見られる。

 マクニールさんは民主党政権誕生後の09年9月、岡田克也外相の会見に出た時の驚きを今も覚えている。会見時間を延長して外国人記者やネットメディアの質問に答えたのだ。「2カ月前の麻生太郎首相の最後の会見で、外国人記者は挙手しても指名されなかったからね。時代が変わったと感じた」と振り返る。

 しかし、12年の第2次安倍政権で状況は逆戻り。昨年9月、首相が自民党総裁に再選された直後の会見で「新三本の矢」なる構想が発表された時、質問は自民党記者クラブの所属記者だけに限られた。「新三本の矢のゴールは、どうみても非現実的。外国人記者が質問できたら、ゴールが間違ってませんかと聞いたのに」とメスメールさん。「外国人記者外しは、逆に言えば、日本人記者の質問は怖くないと政権・与党になめられているということ。それに対して、なぜもっと怒らないのですか」

 昨年11月、外国人記者が驚く“事件”が起きた。国連で「表現の自由」を担当するデビッド・ケイ特別報告者が昨年12月1〜8日に訪日調査する日程が決まっていたにもかかわらず、日本政府は2週間前になって予算編成期であることを理由に延期した一件だ。

 ケイ氏はブログで、国連自由権規約委員会が日本の特定秘密保護法制定に懸念を表明した経緯を指摘し、その評価を行う「重要な機会だった」と戸惑いを示した。その後、4月12〜19日に訪日することで再調整されたが、海外には、日本は逃げ腰の対応をしたという印象を与えた。マクニールさんは「批判を恐れたのかもしれないが、説明責任を果たさなければ、日本の信用はもっと落ちるのに」と首をかしげた。

【事実掘り起こす調査報道を】

 東京・有楽町駅前の日本外国特派員協会。老舗ホテルのバーのような趣のある入り口の壁には、記者会見をした主な首相や閣僚、外国要人の写真が並ぶ。1974年10月、金脈疑惑が文芸春秋で報じられた直後に会見に臨んだ田中角栄首相が疑惑を追及され渋い顔をした写真が、一番上の列に誇らしげに飾られていた。

 01年に講演した小泉純一郎首相の写真はあるが、安倍首相のはない。第2次安倍政権以降の閣僚では10人が会見したが、14年9月に相次いで会見した山谷えり子国家公安委員長、松島みどり法相が最後。両氏がヘイトスピーチを先導する「在日特権を許さない市民の会」との関係や認識をただす質問攻めに遭い、以後は閣僚会見が途絶えたのだ。

 昨年5月の憲法記念日、協会は「報道の自由推進賞」を創設し、最優秀出版賞の第1号に原発政策などで安倍政権を批判した東京新聞を選んだ。番組を降板させられた古賀氏にも「報道の自由の友」という称号を与え敬意を表した。

 審査委員の選定に関わった米紙「ロサンゼルス・タイムズ」記者のジェイク・エーデルスタインさん(46)は「日本のマスコミが安倍政権に屈服しつつある状況で、調査報道と知る権利を大事にしているメディアや個人を励ます」と狙いを語り、「賞によって、日本の勇気ある記者の記事に海外メディアが目を配るようになる」と効果を期待する。外国人記者は安倍政権批判を強め、戦う日本人記者と連帯している。なぜ日本メディアは抗議の声が弱いのか。

 昨年7月までNYタイムズ東京支局長だったマーティン・ファクラーさん(49)は「サラリーマン記者が多い日本メディアは横のつながり、共通の倫理観が弱い」と分析する。また、番記者制度のように担当政治家にベッタリ接近する取材手法も問題だと指摘する。「権力に近づく取材手法は米国では、批判的にアクセスジャーナリズムと言われます。与野党が競っていた時は、野党政治家にもアクセスしてバランスある紙面ができたかもしれませんが、安倍首相1強時代になって機能しなくなった。こういう時は調査報道を通じて、事実を掘り起こす取材手法に力を入れるべきです」とジャーナリズムの構造変革を訴える。

 強い政府の時こそ、権力に対するメディアの監視機能が試される。特派員らは日本メディアをそう叱咤激励しているように感じた。
No title
調査報道どころか「圧力があった」と「偏向報道」を「メディアがメディア各社に圧力」かけて報道の自由をねじ曲げてるんだから報道の自由度なんて下がりますわ。
海外からの指摘にも「記者クラブ」の排他性が挙げられているのに日本の報道機関に不利益だからと隠蔽されちゃってるし。

政府よりも報道機関の信頼性が低いってのがインターネットの自由度ランキングで一桁順位なのに
報道の自由度ランキングが低い最大の理由でしょう。

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