◎他の企業にはない労使関係 豊田章男社長

 トヨタ自動車労組が創立されて2016年で70周年になります。労組はこの1年、記念式典や年史編纂、記念品作成・販売、記念イベントなどを計画しています。

 その1つ、記念式典が1月28日に組合の事務所のカバハウスで開かれました。豊田章男社長ら会社幹部も出席しました。組合の「評議会ニュース」によると、鶴岡光行委員長は、昭和25年(1950年)の大争議を経てつくられた「労使宣言」(1962年)などを次の世代に引き継がねばならないとあいさつしました。

 大争議とは、労働者の5人に1人にあたる1600人の希望退職募集のことを指しています。当時の組合は、断続的に2カ月にわたってストライキでたたかいました。トヨタの大番頭といわれた石田退三・元社長が組合対策で動き、アメリカ占領軍(GHQ)の介入でストは終結しました。

 トヨタグループ発祥の地につくられたトヨタ産業技術記念館(名古屋市西区)で、2012年に購入した漫画『豊田喜一郎』を読んで驚きました。石田元社長が労組幹部を料亭に呼び出して懐柔するなど労組に介入したことを生々しく描いていたからです。

 「労使宣言」は、「労使関係は相互信頼を基盤とする」「生産性の向上を通じ企業の繁栄と、労働条件の維持・改善をはかる」などを柱にして社長と労組委員長が調印したものです。

労使宣言50周年記念碑


 労働組合とは、労働者1人ひとりばらばらでは、会社に対抗できないために、労働者の要求で団結し、賃金、労働時間など労働条件の向上をはかる組織です。会社や政党から独立した組織であることが大原則です。

 「労使宣言」の内容は、こうした大原則に照らして問題があるのではないでしょうか。日本の労働運動は、労使協調主義と組合員に政党の支持を押し付けるという2つの大きな弱点を持っています。

 実際、トヨタ労組が加盟する労働組合の全国組織、連合は弁護士らの有識者7人でつくる「連合評価委員会」を設置しました。同委員会は2003年9月、最終報告を提出しました。

 連合傘下の大企業労組に対し、「労使協調路線のなかにどっぷり浸かっていて緊張感が足りない」と厳しく指摘。「労働組合が担う労働運動の根本的な使命は、社会の不条理に対して異議を申し立てることにある。不条理に対して闘う姿勢を持ち、行動することが労働組合という組織の使命なのである」と強調しています。
 https://www.jtuc-rengo.or.jp/about_rengo/data/saishuuhoukoku.pdf

 記念式典であいさつした豊田社長は、「日本の他の企業を見渡しても、これほどの信頼で結ばれた労使関係は見当たらず、『当社の競争力の源』として誇るべきものだと強く思っている」と労使関係をほめたたえました。

 2つの弱点を克服することは、組織率が2割を割った日本の労働運動を強くし、再生する上でも重要なことです。安倍政権が、残業代ゼロ法案をねらったり、憲法違反の集団的自衛権の行使などを盛り込んだ安保法制(戦争法)を強行するなかで、立憲主義を取り戻すために労働組合の役割はいっそう重要になっているからです。

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労働組合 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/03/18 09:08
コメント
No title
労働組合が組合員に特定候補の後援会に
強制入会させることに日頃は反対しておいて
ここでは、立憲主義を取り戻すために
労働組合の役割は大きいって・・・・
これって、統一候補に投票しようぜ!って
ことだよね。

何かおかしくないですか?
それが共産党ですよ

だから嘘臭い

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