◎トヨタ、賃上げわずか1500円を回答

 トヨタ自動労組など金属労協(JCM)に加盟する労働組合の16春闘は、会社側が3月16日、いっせいに回答を示しました。

 賃上げ(ベア)では、トヨタは労組が要求していた3000円に対し1500円を回答しましたが、組合員が願っていた満額の半分という定額回答でした。昨年の4000円回答(要求は6000円)を大きく下回りました。

 定昇分にあたる賃金制度維持分の7300円を加えると8800円です。

 年間一時金は、要求の7・1カ月(約257万円)の満額回答でした。昨年(約246万円)より0・3カ月増です。

 また、組合員である2年目のシニア期間従業員と非組合員の期間従業員の日給を150円引き上げることを求め、回答は満額回答でした。昨年の回答(300円)、1昨年の回答(200円)に続くものです。

 人手不足で、期間従業員が集まらない実態があることも満額回答に結びつきました。

 トヨタの3月期決算(連結)は、過去最高の2兆8000億円の営業利益をあげる見通しです。もちろん、日本企業でダントツの利益です。内部留保も、その大きな部分を占める利益剰余金は、2016年3月期第3四半期まで(15年4~12月)で16兆円を超えています。

 会社のばく大な利益からみると、昨年の回答の半分以下というのは、生活実態からいって組合員が納得できるものでしょうか?

 豊田章男社長ら会社幹部は、労使協議会で、「賃金の引き上げは行うべきではない」「賃金制度維持分を上回る賃金引き上げは1000円に及ばない」などといって賃上げを抑え込みました。

JCM回答
(トヨタの賃上げは1500円に定昇をふくめて8800円です。JCMのホワイトボード)

 他の自動車各社では、ホンダが1100円、三菱自工が1100円、富士重工が1300円、マツダが1200円、日野自動車が1500円でした。

 電機では、日立製作所や三菱電機などの組合が、トヨタ労組と並ぶ3000円の賃上げ要求を求めていましたが、会社側はいっせいに1500円を回答しました。

 新日鉄住金や三菱重工などでつくる基幹労連は、賃上げ要求は2年に1回で、鉄鋼の新日鉄住金やJFEスチール、神戸製鋼は16、17年度に各4000円を要求していましたが、回答は16年度が1500円、17年度が1000円でした。

 三菱重工や川崎重工など造船・重機は16年度に4000円を要求していましたが回答は1500円でした。

 他の産業では、全日空が3000円を要求して14日に出た回答は1500円、日本航空は3000円要求して11日の回答は1000円でした。

 こう見ると、自動車のトヨタや電機の日立、鉄鋼の新日鉄住金、全日空などが1500円で横並びしています。ベテラン労働記者が語っていました。

 「2兆8000億円の過去最高の利益を上げる見通しのトヨタの幹部が、『賃金引き上げは1000円に及ばない』と言ったのが重しになったのではないか。マスコミは、トヨタの賃上げは、『2000円を軸に』との観測があったが、見誤った。1000円から積み上げるのがやっとで、1500円が上限となって横並びした」

 連合やJCMの単産は、16春闘を中堅・中小労組の「底上げ・格差是正」と位置付けました。これから回答が出る中堅・中小労組の回答がどうなるのかが注目されます。

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16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/03/16 23:30
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