◎部品値下げ要請して「相互繁栄」?

 トヨタの16春闘をめぐり、3月2日に開かれた第2回労使協議会では、「トヨタグループ全体」の競争力についての議論が行われました。組合の「評議会ニュース」によると、このなかで増井敬二専務役員は次のようにのべました。

 「車両の外注部品は数万社にも及ぶ仕入れ先殿の協力を得て成り立っている。創業以来、仕入れ先殿との相互信頼に基づく相互繁栄を共に目指す関係を継続し、苦難も乗り越えてきた」

 この発言で考えさせられたのが中日新聞の社説、「トヨタと春闘 格差是正の取り組みは」(3月4日付)です。社説は、「同社は通常、1%程度の値下げ要請を半年ごとにするが、下請けの賃上げに協力するため、14年秋から2期にわたり要請を見送った」と指摘。ところが、16春闘と並行して、トヨタが部品値下げ要請を再開したことについて批判をのべているのです。

 トヨタが過去最高の営業利益が見込まれるもとで、組合が賃上げ要求を昨年の半額の3000円に抑えたなかで、下請けに部品値下げを要請するのは、格差是正の流れに逆行し、「下請け企業から賃上げへの余力をも奪う」と痛烈です。

 社説の指摘は正論でしよう。このブログ「トヨタで生きる」(3月3日アップ)でも、「トヨタなど大企業の利益を中小・零細企業に回し、下請け労働者の賃上げのために使うことが必要だ」「仮に、賃上げ要求を半分にした分の3000円を下請け単価の値下げ要請をしないことに使うという手もある」と主張してきました。

トヨタ総行動 下請け単価を改善せよ
(「トヨタは下請け単価を改善せよ」などをかかげて開かれたトヨタ総行動=2月11日)

 しかし、先の増井専務役員の発言では、部品値下げなどには触れず、「相互繁栄」を継続してきたとのべるにとどまっています。「相互繁栄」というのなら、最高益のこの時こそ、部品値下げを要請せず、その分を下請けの賃上げに使うべきでしょう。

 そうあってこそ大企業の社会的責任は果たせるというものです。次回の労使協議会は3月9日(水)に開かれます。労組は踏み込んで会社に要請して欲しいと思います。

 連合や自動車総連は16春闘を、大手は引っ込む形で、下請けの賃金を底上げし、底支えする春闘と位置付けています。実のある16春闘にするためには、労使協議会での真剣な議論が期待されます。
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16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/03/08 09:45
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