◎「びっくりするくらい及び腰」?

 富士通総研の早川英男エグゼクティブ・フェローが朝日新聞のインタビュー(2月18日付)に応じ、前日の17日にトヨタ労組など自動車の労組が、連合の「ベア2%程度を基準」に沿って、3000円の賃金引き上げ要求を会社側にいっせいに提出したことなどを痛烈に批判しています。

 「労働組合がびっくりするくらい及び腰だ…労組は交渉する前に敗北している」

 早川氏は、日銀の理事などを務めたエコノミスト。インタビューで、「賃金が上がっていかないと、前向きな循環につながらない。もうかった分だけ企業が抱え込んでしまったら、経済はまわっていかなくなる」

 早川氏は、すべてを吸収してなにも放出しないというブラックホールにたとえて、「企業のブラックホール化」といいます。そういえば同じ17日に打ち上げられたX線天文衛星「ひとみ」は、ブラックホールの成長過程などを観測します。

 早川氏の瞳(ひとみ)から見ると、「企業のブラックホール化」は日本経済にとって、ゆゆしき問題だと映るのでしょう。内部留保の大きな部分を占める利益剰余金が天文学的な16兆円にも達したトヨタは、「企業のブラックホール化」の最たるものというでしょう。

カバハウス
(トヨタ労組が入るカバハウス=豊田市)

 ブログ「トヨタで生きる」は、富士通総研の元エグゼグティブ・フェロー、根津利三郎氏が、連合での講演を取り上げたことがあります(2011年1月4日アップ)。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-116.html

 根津氏は、1996年~2008年までの各国の賃金を比較すると、日本は先進国(日本、米国、ドイツ、フランス、スイス、イギリス)で一番低いと指摘。一方、日本の企業の遊休資金は1997年10月から2009年12月まで増え続け、その総額は200兆円になっているとのべています。

 そして、「デフレ、円高の原因は賃金の低迷。生産性に見合った賃金を確保することが鍵。それにより内需の掘り起こしが可能となる。成長戦略の達成(名目3%、実質2%成長)のためには毎年4%程度の賃金上昇が必要。民間企業は潤沢な資金を有しており、不可能ではない」

 根津氏が連合で講演したのは、2010年11月1日。それから5年たっています。日本の賃金は先進国で一番低い、賃上げで内需の拡大という主張は、そのまま現在の日本に当てはまります。

 その主張は、富士通総研の根津氏から早川氏へと引き継がれています。連合やそれに加盟する労組の2%程度、3000円という賃上げ要求は、「びっくりするくらい及び腰だ」という指摘に、労組はどう答えるのでしょうか?
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未分類 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2016/02/18 09:32
コメント
今回も有利子負債18兆円には、一切触れないんですね。
No title
少なくともトヨタ系企業の組合は、選挙の時しか動かない。
組合専従は、心身ともに疲労が伴わない、出世コース。組合
専従でウツになったり自殺した人、いる?
先の衆議院選挙で当選したブックオフと揶揄される古本氏が、当選万歳!されているときに笑顔でなかったのは、組
合不信で得票数が往時に比べて大幅に減少していたからだ
と言われています。次回、比例区での当選をお祈り申し上げます。
内部留保にこだわるのやめや

会社の懐、おまえに関係ないし。

為替が影響して給料下がってもいいんか?

内部留保が遊んでる、余った金みたいな表現も、おかしいんじゃない?




No title
カバハウスって立派な建物だね、中にいるひとも立派に働いてくれ。現場並みに、一度QCやったら、賃上げを勝ち取るにはどうしたら良いかと言うテーマで。
No title
何故か、なぜかを5回繰り返してください。組合幹部にお願いします。デミング賞を受審してください!

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