◎ふたたび、ベア要求「3000円」でいいのでしょうか?

 トヨタ労組の機関紙「評議会ニュース」の「16ゆめW要求案 特集号」が職場に配られました。執行部が提案した要求案は次の通りです。

 ▼賃上げ EX級、技能4等級、技能職の賃金を36万1820円とする。組合員1人平均で1万300円を要求する。内、賃金制度維持分は7300円とする(つまり、賃上げ(ベア)は3000円)。

 ▼一時金 年間一時金として基準内賃金の7・1カ月。

 ▼シニア期間従業員の日給を150円引き上げる。

 これは1月28日の評議会に提案されたもので、職場討議を経て2月12日(金)の評議会で採決されます。

つつみ トヨタ
(トヨタ堤工場)

 3000円というのは、15春闘の半分です。なぜ、昨年の半分になったのか? わかりません。理解できません。朝日新聞の編集委員は、「頑張れ労組 頑張れ経営者」のコラム(2月7日付)で、生産性が飛躍的に伸びていることに触れてこう指摘します。

 「現場の改善努力に見合った賃上げは実現していない。もうけは、内部留保として会社の中に蓄積されていった。…春闘相場のリード役、自動車業界労働組合は昨年の半分の『ベア月3000円以上』という控えめな要求を提出した。…会社の懐事情への労組の物わかりは良すぎる感がある」

 “物わかりは良すぎる”などと痛烈に批判されていいのでしょうか。トヨタは、2月5日の2016年3月期第3四半期決算発表で、この3月期の決算では、史上最高の2兆8000億円の営業利益を見込むとしています。

 内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、わずか9カ月間(15年4~12月)で、前期より7777億円増やし16兆3697億円もの巨額になっています。この7777億円がどれほどすごいものか?

 日本経団連会長会社の東レの利益剰余金は、15年3月期決算で5445億円です。トヨタは、わずか9カ月間で東レが長年蓄積してきた内部留保をあっさり上回っているのです。

 その東レ出身の榊原定征・経団連会長は、労使トップ会談(1月29日)で、「収益が拡大した企業に、昨年を上回る(ボーナスを含む)年収ベースの賃上げを呼びかけている」とのべました。

 これに対しトヨタ労組が加盟する労組の全国組織、連合の神津里季生会長は、「月例賃金(月給)の引き上げこそが重要だ。ボーナスは収益次第で、持続的な賃上げにはつながらない」と反論しました。

 ボーナス(一時金)ではなく、賃上げ(ベア)の引き上げを求めたのです。トヨタ労組の一時金要求案は、08年のリーマン・ショック以来、最高の7・1カ月です。ベア要求案は昨年の半分の3000円。これでは、榊原会長のいうように「年収ベースの賃上げ」と同じではないでしょうか?

 神津会長の主張するように、「持続的な賃上げ」のためには賃上げ要求「3000円」について再考する必要があるのではないでしょうか?
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16春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/02/09 10:48
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