◎「同一労働同一賃金」というが

 安倍首相は1月22日の施政方針演説で、「本年取りまとめる『ニッポン1億総活躍プラン』では、同一労働同一賃金の実現に踏み込む考えであります」とのべました。

 歴代首相が「同一労働同一賃金」を主張するのは初めてのことで、反響を呼んでいます。日経新聞はさっそく23日付で、「同一賃金 見えぬ具体像」の記事を掲載しています。

 注目するのは、「正規・非正規社員の格差解消に関する首相と主な団体の考え方」という表を掲載し、安倍首相や経団連、連合とともに民主党、共産党の考え方を取り上げていることです。

 日本共産党は、「『同一労働同一賃金』の法定化」を掲げていること、具体的には「正規雇用を基本にし、非正規や女性への不当な差別をやめ、均等待遇を保障」と簡潔に紹介しています。

 日経が取り上げたように日本共産党は、「同一労働同一賃金」をはじめとする均等待遇を長年にわたって掲げてきました。たとえば2014年12月の総選挙政策では、次のように主張しています。

 「ヨーロッパでは、有期雇用は、臨時的・一時的業務、合理的理由のある場合に限定し、正社員との均等待遇を保障しています。日本共産党は、正社員が当たり前の社会をめざし、有期雇用については、臨時的・一時的業務、合理的な理由がある場合に限定し、賃金や有給休暇などの労働条件について正社員と均等待遇にするよう法改正をおこないます」

日経 同一労働同一賃金
(日経新聞、1月23日付から)

 私たちが働くトヨタ自動車には、7万37人の社員とともに9947人の臨時従業員(期間従業員、パートタイマー、派遣社員)が働いています(2015年3月期の有価証券報告書)。

 非正規労働者の割合は12・4%にのぼります。正社員と期間従業員は、同じ仕事をしています。期間従業員の日給は、経験回数によって9500~1万300円です。

 社員の昨年の賃金は、EX級、技能4等級、技能職で月35万7030円です。1日当たり約1万7000円です。単純に比較しても、期間従業員の1・7倍です。

堤工場 期間従業員
(トヨタのバスで独身り寮へ帰る期間従業員ら=堤工場で)

 また、60歳以降の再雇用者(スキルド・パートナー、SP)は、定年前と同じ「1人工」扱いで、同じ仕事をしていても賃金は6割ほどです。正社員と期間従業員、SPとはこれだけの差があります。

 「同一労働同一賃金」とは、期間従業員などの賃金と正社員の賃金を同じにするということです。ヨーロッパでは、正社員と非正規労働者も時給換算で同じ賃金を支払うことは一般的です。

 日本共産党は、「雇用は正社員が当たり前」にし、ヨーロッパと同じように同じ仕事なら同じ賃金を支払うことを法律で決めるとしています。

 日経は、萩生田光一副官房長官が、「何をもって同一(労働)とするかなど、検討すべきことが数多くある。直ちに法案作成や制度設計に入るわけではない」として、具体策は今後としています。

 安倍首相が施政方針演説で口にしたのなら実行すべきでしょう。トヨタ自動車など大企業は、コスト論、国際競争力論などを口実に抵抗するでしょうが、非正規労働者が4割に達した日本で、「同一労働同一賃金」はまったなしです。
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安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/01/24 10:37
コメント
同一労働同一賃金になれば、労働者の賃金は当然、下がりますよね?


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