◎在宅勤務 トヨタの「現地現物」が失われる?

 トヨタ自動車は、労使で在宅勤務について議論しています。問題の1つとして、トヨタ生産方式の「現地現物」が失われるのではないか、という懸念が出されています。

 先行している日産自動車の在宅勤務について、日経新聞(1月16日付)がまとめています。それによると、2006年度に仕事と育児・介護の両立をめざして導入されました。

 利用対象が年々拡大され、14年からは目的を問わず最大月5日(40時間相当)に拡大されました(生産工程を除く)。利用者は、管理職をふくめ3427人に広がっています。

 利用当日は、勤務開始・終了メールを上司に送ります。上司や同僚のパソコン画面には、家で勤務する社員のリアルタイムの顔を映し、本人は仕事の状況ごとに、「連絡可能」「取り込み中」「応答不可」「一時退席中」と表示を切り替えます。在宅勤務社員の姿を、ある程度は把握できる、といいます。

在宅勤務 日産自動車
(日産自動車の在宅勤務について伝える日経新聞=1月16日付)

 トヨタの第4回「事技職の働き方変革 労使検討委員会」(15年12月16日)についての報告(トヨタ労組の評議会ニュース)では、労組が行った指導職以上の組合員約1000人のアンケート結果をもとに議論しています。

 組合側からは、トヨタ生産方式の要(かなめ)の1つである「現地現物」について、▽問題が起きた時に原因にたどりつける機会が減る、▽仕事の進捗が見えづらくなる、▽チークワークが難しくなる、▽当事者意識が希薄になる、▽教え、教えられる風土の機会が減ってしまう――などの懸念が出されました。

 また組合は、勤務ルールについても高い遵守意識と正確な知識を持ち続けることが必要と主張しました。会社側は、在宅勤務者は「いつでも連絡を取れる状況にしておくこと」や自宅勤務のトライアルを行う、パソコンのログオン・オフ時間の表示での勤務時間管理をすすめる――などと回答しています。

 総務省の調べでは、日本の在宅勤務者は2013年で720万人ですが、企業の導入率は2010~13年の4年間は、10数%で推移しており、増加する傾向にないといいます。

 在宅勤務を導入しない理由として、「必要性を感じない」「勤務時間があいまいになる」「自宅では集中できない」「打ち合わせなどのコミュニケーションがとりにくい」などをあげています。
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職場は今 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/01/18 09:31
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