◎「慰安婦」問題合意の陰で

 1990年代から20数年にわたって日韓の政治問題になってきた、いわゆる従軍「慰安婦」問題で、安倍首相がおわびし、韓国政府が設立する財団に日本が10億円を拠出する、「最終的かつ不可逆的解決」することなどで日韓政府が12月28日、合意しました。

 新聞各紙は29日付で、数ページにわたって特集していますが、そのなかで1段8行の小さな記事(朝日新聞)に目が止まりました。

 安倍首相の夫人の昭恵さんが28日、靖国神社に参拝したという記事です。昭恵さんが自身のフェイスブックに靖国神社の写真とともに、「戦後70年を迎えた平成27年。残すところあとわずか。今年最後の参拝…」と掲載したという記事です。

 夫人が参拝した日は、「慰安婦」問題で日韓が合意した日です。安倍首相は、元慰安婦に対し、「心からおわびと反省の気持ちを表明する」とのべた、まさにその日でした。

 夫人は私人であり、首相とは別人格ですが、釈然としない気持ちが残ります。靖国神社は、明治維新からアジア・太平洋戦争まで、“天皇のために”たたかって死んだA級戦犯など軍人・軍属を祀っています。侵略戦争を「自存自衛」の正義のたたかいだったと描く遊就館を併設する特殊な神社です。

靖国神社
(靖国神社)

 安倍首相は2013年12月に靖国神社に参拝し、中国や韓国など世界から猛烈な批判を受け、それ以降は参拝できないでいます。侵略戦争の遂行のなかで、軍が関与してつくられたのが慰安所であり、性奴隷にされたのが慰安婦でした。

 慶応大学の金子勝教授はツイッターで、安倍夫人の靖国神社参拝にふれ、「こういうことをやるので、絶えず問題が蒸し返されるのです」と批判しています。NHKは、安倍政権が「不可逆的」という用語を、「蒸し返す」と言い換えて、あたかも韓国が蒸し返しているかのような報道をしました。

 慰安婦訴訟に取り組む大森典子弁護士は、「韓国が蒸し返したのではなく歴史を逆行させる日本の勢力が蒸し返した」(「しんぶん赤旗」、29日付)と批判しています。

 日本共産党の志位和夫委員長は談話で、日韓政府が合意したことについて、「問題解決に向けての前進と評価できる」とのべています。同時に、「今回の日韓両国政府の合意とそれにもとづく措置が、元『慰安婦』の方々の人間としての名誉と尊厳を回復し、問題の全面的解決につながることを願う」と語っています。

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戦争と平和 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2015/12/29 10:49
コメント
色々な解釈が間違ってます

金子氏以下、けつのあなの小さいやつばっかり。
No title
確かにこれを見ると蒸し返してるのは韓国じゃなく日本の側かと理解出来ますね。
政府が、じゃなく全てを悪意的にとらえて悪い方向に喧伝する事大主義な困った人達が蒸し返すんですね。

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