◎10%大増税への目くらまし 軽減税率

 自民党、公明党が、消費税率を8%から10%に引き上げる2017年4月に、軽減税率を導入し、その対象として酒と外食を除く食品全般とすることで合意しました(12月12日)。1兆円もの財源探しは、これからという無責任さです。

 連日の報道で、「毎日買う食品が安くなるのならいいじゃないか」という気持ちになりがちです。待ってください。これは、10%への大増税への目くらまし以外のなにものでもありません。

 14年4月に、消費税が5%から8%へ増税されてどうなったでしょう。私たちトヨタの人間にとっては、車の販売が毎月、前年割れになった苦しい体験を持っています。

 物を買うたびに、増税の重さが身に沁み、買い控えが起きたのです。自動車のような高額商品は当然でしょう。14年度のGDPはマイナスになり、日本経済は深刻な不況に落ち込んでいます。

 賃上げが2年連続ありましたが、消費税増税で吹っ飛び、実質賃金はこれもマイナスです。所得と消費の悪循環が続き、アベノミクスのごまかしは誰の目にも明らかです。

軽減税率 日経
(軽減税率の対象品目=日経新聞、12月13日付から)

 それなのに10%へ増税したらどうなるのか? 軽減税率の議論は、大増税を国民に飲ませるための毒薬でしかありません。この議論のなかで、安倍政権と公明党の役割のひどさが浮き彫りになりました。

 9月に自民党、公明党によって強行成立させられた戦争法(安保法制)は、公明党の助けがなければできないことでした。公明党は、その“貸し”を安倍政権に迫りました。安倍首相は、4000億円以上は譲れないとしていた自民党の谷垣禎一幹事長に、公明党に譲れと指示したといいます。

 しかも、この4000億円は、消費増税に伴う低所得者対策として、医療、介護、保育などの自己負担総額に上限を設ける「総合合算制度」の導入に充てる予定だった財源であり、いわば福祉を削って充てようというものです。

 もう1つは、来年夏の参院選挙対策です。戦争法で身内から反対にまわる学会員が出る事態になってあわてた創価学会は、「参院選挙区から新たに出す候補者は全部外す」などと公明党に軽減税率実施への圧力をかけたといわれています(朝日新聞、13日付)。

谷垣 井上
(記者会見する自民党の谷垣禎一幹事長=左=と公明党の井上義久幹事長、テレビ朝日系から)

 公明党票をあてにしなければ当選できない自民党の幹部からは、「公明党への協力費と考えれば、金額としても大したことない」(テレビ朝日)という発言が出ています。

 この間の自民、公明両党の協議は、国民の税金である消費税を、政治利用、政党間取引に使うとんでもないどたばた劇でした。忘れてはならないのは、与党の「税制改正大綱」で、法人税の減税だけは、ちゃんと認めたことです。

 現在、32・11%の法人実効税率を16年度に29・97%、18年度に29・74%へと引き下げるのです。使われていない大企業の約300兆円の内部留保を、また増やすだけです。

 軽減税率の財源として、たばこ税の増税や社会保障を削る、国債の発行などが対象になるといいます。消費税増税は、社会保障のためといいながら社会保障を削るというとんでもないものです。

 どうすればいいのか? 簡単です。消費税の10%への増税をやめることです。
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その他 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2015/12/14 09:05
コメント
いや、

社会保障を削ればいいんじゃないの?

国民は増税になっても社会保証の充実を
望む人の方が多かったはずですが。
10%は、確かにきついけど、それで社会保証が現状より良くなるなら、喜んで協力しますよ。
No title
上げても債務超過なのに良くなるわけないでしょ。
夢でも見てんのか。

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