◎日本国民全体に呼びかけた 翁長沖縄県知事の陳述

 安倍政権は、沖縄県の翁長雄志知事が、名護市辺野古の埋め立て承認を取り消したことについて、撤回を求めて同知事を訴えていました。その代執行訴訟の第1回口頭弁論が12月2日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で開かれました。

 翁長知事の冒頭意見陳述は、安倍政権の訴えの不当性を明らかにするばかりではなく、「日本には、本当に地方自治や民主主義は存在するのでしょうか。沖縄県にのみ負担を強いる今の日米安保体制は正常と言えるのでしょうか。国民の皆さますべてに問いかけたいと思います」とのべたように、国民全体に呼びかけたものです。

 「しんぶん赤旗」は、3日付で全文を掲載しました。その内容は格調高く、人々の心を打つものです。なぜ、辺野古に基地をつくることに反対するのか? 沖縄の未来をどう描いているのか? どうしたら日本の平和を守れるのか? 全文を是非、読んでください。

50 翁長知事 口頭弁論の後 ネットから
(裁判で意見陳述した後、県民に報告する翁長知事=ネットから)

……
 沖縄県知事の翁長雄志でございます。本日は、本法廷において意見陳述する機会を与えていただきましたことに、心から感謝申し上げます。

 私は、昨年の県知事選挙で「オール沖縄」「イデオロギーよりアイデンティティー」をスローガンに、保守・革新の対立を乗り越えて当選をいたしました。本件訴訟の口頭弁論にあたり、私の意見を申し上げます。

                ◇

 歴史的にも現在においても、沖縄県民は自由・平等・人権・自己決定権をないがしろにされてまいりました。私はこのことを「魂の飢餓感」と表現しています。政府との間には多くの課題がありますが、「魂の飢餓感」への理解がなければ、それぞれの課題の解決は大変困難であります。

 簡単に沖縄の歴史をお話ししますと、沖縄は約500年に及ぶ琉球王国の時代がありました。日本と中国・朝鮮・東南アジアを駆けめぐって大交易時代を謳歌(おうか)しました。琉球は1879年、今から136年前に日本に併合されました。これは琉球が強く抵抗したため、日本政府は琉球処分という名目で軍隊を伴って行われたのです。

首里城
(再建された琉球王国の首里城)

 併合後に待ち受けていたのが70年前の第2次世界大戦、国内唯一の軍隊と民間人が混在しての凄惨(せいさん)な地上戦が行われました。沖縄県民約10万人を含む約20万人の人々が犠牲になりました。

 戦後は、ほとんどの県民が収容所に収容され、その間に強制的に土地を収用され、収容所からふるさとに帰ってみると、普天間飛行場をはじめ、米軍基地に変わっていました。その後も、住宅や人が住んでいても「銃剣とブルドーザー」で土地を強制的に接収されました。

 1952年、サンフランシスコ講和条約による日本の独立と引き換えに、沖縄は米軍の施政権下に置かれ、日本国民でもアメリカ国民でもない無国籍人となり、当然、日本国憲法の適用もなく、県民を代表する国会議員を1人も国会に送ったことはありませんでした。犯罪を犯した米兵がそのまま帰国することすらあった治外法権とも言える時代でした。

 ベトナム戦争のときは、沖縄からB52爆撃機の出撃をはじめ、いろいろな作戦が展開されており、沖縄は日米安保体制と、日本の平和と高度経済成長を陰で支えてきたわけです。

嘉手納基地が建設される前の模型
(嘉手納基地がつくられる前の集落模型)

嘉手納基地 模型
(銃剣とブルトーザーでつくられた巨大な嘉手納基地の模型)

 しかし、政府は一昨年、サンフランシスコ講和条約が発効した4月28日を「主権回復の日」として式典を開催し、そこでは万歳三唱まで行われたのです。沖縄にとっては悲しい、やるせない式典でした。全く別々の人生を歩んできたような気がします。

 1956年、米軍の施政権下で沖縄の政治史に残ることが起きました。プライス勧告といって、銃剣とブルドーザーで強制接収した土地を、実質的な強制買い上げをするという勧告が出されました。当時、沖縄は大変貧しかったので、喉から手が出るほどお金が欲しかったはずですが、県民は心を一つにしてそれを撤回させました。これによって、基地のあり方に、沖縄の自己決定権の主張できる素地(そじ)がつくられ、私たちに受け継がれているのです。

 沖縄が米軍に自ら土地を提供したことは一度もありません。そして戦後70年、あろうことか、今度は日本政府によって、海上での銃剣とブルドーザーを彷彿(ほうふつ)させる行為で美しい海を埋め立て、私たちの自己決定権の及ばない国有地となり、そして、普天間基地にはない軍港機能や弾薬庫が加わり、機能強化され、耐用年数200年とも言われる基地が造られようとしています。

 今、沖縄には日本国憲法が適用され、昨年のすべての選挙で辺野古新基地反対の民意が出たにもかかわらず、政府は建設を強行しようとしています。米軍基地に関してだけは、米軍施政権下と何ら変わりありません。米軍施政権下、キャラウェイ高等弁務官は沖縄の自治は神話であると言いましたが、今の状況は、国内外から日本の真の独立は神話であると思われているのではないでしょうか。

 辺野古新基地は、完成するまで順調にいっても約10年、場合によっては15年、20年かかります。その期間、普天間基地が動かず、危険性が放置される状況は固定化そのものではないでしょうか。

 本当に宜野湾市民のことを考えているならば、前知事の埋め立て承認に際して、総理と官房長官の最大の約束であった普天間基地の5年以内の運用停止を、承認後、着実に前に進めるべきではなかったでしょうか。

 しかし、米国からは当初からそんな約束はしていない、話も聞いたこともないと言われ、前知事との約束は、埋め立て承認をするための空手形ではなかったのか、それを双方承知の上で埋め立て承認がなされたのではないか、いろいろな疑問が湧いてきます。

辺野古海
(新基地の建設予定地、辺野古の海)

 日本政府に改めて問いたいと思います。普天間飛行場は世界一危険だと、政府は同じ言葉を繰り返しているが、辺野古新基地ができない場合、本当に普天間基地は固定化できるのでしょうか。

                ◇

 次に基地経済と沖縄振興策について述べたいと思います。一般の国民もそうですが、多くの政治家も、「沖縄は基地で食べているんでしょう。だから基地を預かって振興策をもらったらいいですよ」と沖縄に投げかけます。

 この言葉は、「沖縄に過重な基地負担を強いていることの免罪符」と、「沖縄は振興策をもらっておきながら基地に反対する、沖縄は甘えるな」と言わんばかりです。これくらい真実と違い、沖縄県民を傷つける言葉はありません。

 米軍基地関連収入は、終戦直後にはGDP(=国内総生産)の約50%。基地で働くしか仕方がない時代でした。日本復帰時には約15%、最近は約5%で推移しています。経済の面では、米軍基地の存在は今や沖縄経済発展の最大の阻害要因になっています。

 例えば、那覇市の新都心地区、米軍の住宅地跡で215ヘクタールありますが、25年前に返還され、当時は軍用地料等の経済効果が52億円ありました。私が那覇市長になって、15年前から区画整理を始め、現在の街ができました。経済効果としては52億円から1634億円と32倍、雇用は170名程度でしたが、今は1万6000名、約100倍です。税収は6億から199億円と33倍に増えています。沖縄は基地経済で成り立っているというような話は今や過去のものとなり、完全な誤解であります。

 沖縄は他県に比べて莫大(ばくだい)な予算を政府からもらっている、だから基地は我慢しろという話もよく言われます。年末にマスコミ報道で沖縄の振興予算3000億円とか言われるため、多くの国民は47都道府県が一様に国から予算をもらったところに、沖縄だけさらに3000億円上乗せをしてもらっていると勘違いをしてしまっているのです。

 沖縄はサンフランシスコ講和条約で日本から切り離され、27年間、各省庁と予算折衝を行うこともありませんでした。ですから日本復帰に際して沖縄開発庁が創設され、その後、内閣府に引き継がれ、沖縄県と各省庁の間に立って調整を行い、沖縄振興に必要な予算を確保するという、予算の一括計上方式が導入されたのです。沖縄県分は年末にその総額が発表されるのに対し、他の都道府県は独自で予算折衝の末、数千億円という予算を確保していますが、各省庁ごとの計上のため、沖縄のように発表されることがないのです。

 実際に、補助金等の配分額で見ると、沖縄県が突出しているわけではありません。例えば、地方交付税と国庫支出金等の県民一人当たりの額で比較しますと、沖縄県は全国で6位、地方交付税だけで見ると17位です。

 都道府県で国に甘えているとか甘えていないとかと、言われるような場所があるでしょうか。残念ながら、私は改めて問うていきたいと思います。沖縄が日本に甘えているでしょうか。日本が沖縄に甘えているのでしょうか。ここを無視してこれからの沖縄問題の解決、あるいは日本を取り戻すことなど、できないと確信をします。

 沖縄の将来あるべき姿は、万国津梁(ばんこくしんりょう)の精神を発揮し、日本とアジアの架け橋となること、ゆくゆくはアジア・太平洋地域の平和の緩衝地帯となること。そのことこそ、私の願いであります。

               ◇

 この裁判で問われているのは、単に公有水面埋立法に基づく承認取り消しの是非だけではありません。戦後70年を経たにもかかわらず、国土面積のわずか0.6%しかない沖縄県に、73.8%もの米軍専用施設を集中させ続け、今また22世紀まで利用可能な基地建設が強行されようとしています。日本には、本当に地方自治や民主主義は存在するのでしょうか。沖縄県にのみ負担を強いる今の日米安保体制は正常と言えるのでしょうか。国民の皆さますべてに問いかけたいと思います。

 沖縄、そして日本の未来を切り開く判断をお願いします。
……
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戦争と平和 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/12/03 10:07
コメント
No title
中国海警局の艦船3隻が11月23日に沖縄尖閣諸島の領海内に挑発侵入したため、警戒監視体制の海上保安庁の巡視船が再三退去命令を発した。NHKテレビが報じた。NHKによれば、中国艦船による尖閣領海内侵入(接続水域ではない)は、今年すでに31件に上る。それより1週間前、沖縄の那覇に近い久米島沖(当然日本の領海内)に中国の海軍軍艦1隻が出没して、海洋調査活動を展開した。

 尖閣海域など東シナ海における最近の中国の艦船および軍艦の活動状況をみると、日本の領海と、国際法上の公海に接する接続水域の範囲をはるかに超えて、堂々と日本の領海内を侵犯するのが特徴的になっている。日本、あるいは日米同盟に対する挑発行為が日増しにエスカレートしてきた感が強い。

 日本の国家主権および国家防衛の視点でみると、中国の動きは南シナ海の人工島構築同様、既成事実化をめざして「力による現状変更」を企図しているのはまちがいなく、沖縄のみならず日本全体にとって極めて危険な兆候、挑発といえるだろう。

 実際にこのような危機的状況が現実に尖閣諸島を抱える八重山、そして那覇に近い久米島に押し寄せているにもかかわらず、では、わが沖縄県の翁長雄志知事や、世論を健全にリードするはずの新聞など沖縄マスコミはどう対応しているか。

 彼らは何も対応していないし、何も考えていない。現実に降りかかる各離島の危機的状況の現状認識すらないのではないか。まさしく「いま、目の前にある沖縄問題」であるはずだが、なにか意図をもって現状無視か「だんまり」を決め込んでいるのではないか。

 だから琉球新報と沖縄タイムスといった新聞マスコミは、中国軍艦の久米島沖領海侵犯や尖閣海域のそれを報道しない。仮に報道しても目に見えないほど扱いが小さい。

 翁長県知事はどうしているかといえば、中国軍艦、海警局艦船の領海侵犯にはまったく無関心を装い、普天間基地の辺野古移設作業に対して、共産党や過激派活動家ら左翼勢力と徒党を組んで連日、「新基地反対」運動を繰り広げるのみである。挙げ句の果ては「日本国の法律は守らない。国の法律がおかしい」といいだして、国を相手に訴訟に乗り出す始末だ。

 一地方自治体の長=責任者が国の法律を守らないでその先どうしようというのか。地方自治体の長が国の法律を変え、作りなおそうというのか。現実ばなれした感覚でしかなく、理解に苦しむ。

 しかも、翁長知事本人は「日米安保条約の必要性は認めている」と強調し、公言している。

 そうであるならばいま現在、本人がやっている反対運動とか法廷闘争は結局、日米安保を不利に導き、日米同盟の弱体化を意図する行為以外のなにものでもないのは自明である。安保云々の知事の公言は、はなはだ論理矛盾するといっておこう。いや、論理破綻である。

 日米同盟の弱体化をもっとも歓迎するのはどの国だろうか。東シナ海の海洋権益、海洋覇権を着々とねらって日本の領海、沖縄の領域を日々侵犯する中国にちがいない。これも自明であろう。

 いまさらいうまでもなく、普天間基地の辺野古移設は、翁長知事が求める基地の負担軽減になり、生命、生活が脅かされる普天間住民(沖縄県民)の危険性除去になる。同時に日米安保が掲げる日本の国防と平和につながる。

 先だって翁長知事は、国連の人権委員会で「2分間」発言した。沖縄の人々の人権や自己決定権を述べたとされるが、国際政治学や国際法上の「自己決定権」は一つの民族(国家)を規定する概念であって、日本の一地方県である沖縄県を想定しない。翁長知事の発言は、「沖縄の基地問題を前面に出せばなんでも許される」という手前勝手で狭小な解釈にすぎない。

 また、日本と米国が平和と安定をめざして国同士で対等に結んだ条約に基づく基地の提供・運用は、国際政治学や国際軍事情勢のなかではすぐれて安全保障の問題であって、一地方の人権問題にスリ変えられない性質を有する。翁長知事は現今の緊迫した世界の軍事情勢=無差別テロ、内戦、軍事衝突の連続、中国の脅威、北朝鮮の核=などに鈍感なのか。

 中国を利する翁長沖縄県知事の基地反対闘争のあおりで、同じ沖縄県民である離島の八重山、久米島住民、そして普天間に住む人々の生命と財産は危うくなりつつある。また、肝心の沖縄振興策もこのままでは10年、20年も遅れるのではないかと危惧される。

 翁長知事の反基地応援団で、かつ「同じ穴の狢(むじな)」といえる沖縄マスコミの琉球新報・潮平編集局長は、翁長知事と同行・同席した国連人権委の琉球独立に関するシンポジウムで、あろうことか「沖縄は日本の領土ではない」と言い放った。さすがに編集局内や有識者その他から非難を浴び、後に謝罪はなく「言い間違い」と訂正している。

 尖閣や久米島など沖縄海域における中国の領海侵犯が一切報道されない。


この点にも、きっちりとやってくれたら
評価はするけど・・・・

共産党も同様です。
もう無視して、大規模に埋め立てて基地造ろう!
沖縄県外で♪
そしたら戦後の保証がー
苦しんだ補償金がー
軍にされた何々がー
って感じなんだろうな~と思う。

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