◎自民党結党60年で何が起きたのか

 自民党が11月15日に結党60年を迎え、新聞などは特集を組んでいます。日経新聞は14日付で、安倍政権の「首相1強」体制ができたと指摘しています。

 安倍首相は、人事権、衆院小選挙区制の公認権、政党助成金の配布権を握っているとしています。

 人事権では、自民党税調のトップ交代を電話1本で済ませたといいます。6年間会長を務めた野田毅会長を最高顧問に祭り上げ、宮沢洋一前経済産業相を会長にすげ替えたことをあげています。

 野田氏は、公明党が要求する消費税の軽減税率に消極的だったからです。公明党は、戦争法に賛成して安倍首相に貸しをつくっており、来年の参院選を前に首相に軽減税率の導入を飲ませようとしています。

 小選挙区制の公認権では、昨年12月の総選挙で、現職の若手3人を「活動が足りない」として差し替えたことをあげ、「首相官邸に目をつけられるのが1番怖い」(若手議員)という話を紹介しています。

11月19日 名古屋市で (2)
(安倍政権の戦争法強行後も、アベ政治への怒りは続く=9月27日、名古屋市で)

 政党助成金の配布権では、170億円を握っており、安倍派につながる派閥の細田派はわずか2億円ほどにすぎないことをあげています。

 国民の約8割が戦争法の成立に疑問をいだいたことについて、自民党の衆参の議員のほとんどが、力を握った安倍首相に異議を申し立てられず、賛成してしまいました。

 日経新聞では、元幹事長の古賀誠氏が、「強固な指導力をもったリーダーだからこそ、独裁政治につながる危険性があれば党が抑えなければいけない」と危惧をのべるほどです。

 安倍自民党に、もっとも手厳しい批判を加えているのが日本共産党の不破哲三・元議長です。11月24日、東京都内の日本記者クラブで「戦後70年 語る・問う」のゲストスピーカーとして講演したなかで次のように語っていることを「しんぶん赤旗」から紹介します。
……
 不破氏は自民党について、▽目先の財界・大企業の利益に奉仕▽治外法権をもった米軍基地を全国に置き、アメリカに「ノー」を言えない従属体質▽過去の日本の侵略戦争への根本的反省がない―という「資本主義国の中でも異常な特質を持って発足した世界でも例外的な政党だ」と指摘しました。

不破 日本記者クラブ
(日本記者クラブで語る不破哲三・元議長=11月24日)

 同時に、「以前の自民党は保守総連合的な性格を持ち、政策にも一定の幅を持っていた」として、田中角栄、福田赳夫内閣が不破氏の批判をある程度受け止める懐の深さがあったことを語りました。

 「ところが、現在の自民党はモノカラーの政党となった」と述べた不破氏は「安倍さんのもとで三つの特質の異常性がすべて極端化した」と強調。▽過去の戦争の性格については曖昧な答弁から侵略戦争の積極的肯定へ▽経済では大企業・財界の利潤の増大を直接、政府の公然の政策目標に▽対外政策ではついに憲法を踏みにじって世界的規模での海外派兵というアメリカの要求に応じるところまできたことを挙げました。

 何が自民党をこの異常な状況に追い込んだのか。不破氏が第一に指摘したのが小選挙区制です。同党の得票は1972年総選挙の2456万票(47%)から2014年総選挙の1766万票(33%)へ、有権者比では34%から17%へと半減していますが、議席で多数を維持しているのは小選挙区制のおかげです。

 しかも、この小選挙区制で指導部が候補者の任命権を握ることになりました。一方、政党助成金目当てで政党の離合集散が日常化し、日本の政界を弱体化させたことも重大でした。

11月19日 豊田市で (1)
(「アベ政治を許さない」の抗議を突き付けるママたち=11月19日、豊田市で)

 第二は、日本軍「慰安婦」問題で謝罪した「河野談話」(93年)、過去の戦争を「侵略戦争」と明言した細川護熙(もりひろ)首相発言(同年)に危機感を抱き、自民党内でウルトラ右翼が結集したことです。この潮流の中で台頭し、総裁・首相となったのが安倍晋三氏でした。

 不破氏は今の自民党について「『1強』政治といわれるが、文字通りの少数独裁です。自民党自身にとっても危険な瀬戸際政策になっている。国民からも孤立している」と述べ、戦争法、沖縄の米軍新基地建設、環太平洋連携協定(TPP)の強行などを例に挙げ、「大局的に見れば、自民党は結党60年にして最も危険な段階に入りつつある」と強調しました。

 不破氏は、とくに自民党外交の対米従属の典型として日本への核持ち込みを認めた日米の核密約についてくわしく語りました。また、1999年からの日本共産党の野党外交の経験を語り、それとの対比で「アメリカに一度もノーといったことのない国は信用されない」と批判。

 「『価値観外交』というが、今の世界で一番大事なのは『異なる価値観、文明の共存』であり、それに熟達するのが外交の要だ。今の日本の立場・力量にふさわしい役割を国際的に果たすためにも、日本の政治の根本的な転換が必要だ」と力を込めました。

 最後に不破氏は、戦争法に反対する国民の運動に触れ、「この運動は日本に新しい政治を開く第一歩を踏み出したものだ。自民党政治の60年を振り返っても、そろそろこの狭いコースから抜け出さないと日本に未来はない。国民はいよいよその足を踏み出した」と強調しました。

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戦争と平和 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2015/11/29 18:45
コメント
No title
共産党も政党助成金を受け取れば
自民党の額も減るのになぁ。。。。
赤旗を半ば強制的に買わせる必要性も
緩むのに。
No title
地元青年団VS反対派
https://www.youtube.com/watch?v=1ohQah5JliY

反対派、危険すぎて怖いです。
No title
>不破氏が第一に指摘したのが小選挙区制です。同党の得票は1972年総選挙の2456万票(47%)から2014年総選挙の1766万票(33%)へ、有権者比では34%から17%へと半減していますが、議席で多数を維持しているのは小選挙区制のおかげです。

1972年は野党だった公明党の800万票を加えたら
政権与党全体の得票数は大差無いですね。
No title
1972年当時、公明党は日米安保条約に反対していましたね。それが今は、戦争法にも賛成するし、公明党の石井啓一国土交通相は、沖縄・辺野古への新基地建設へ突っ走っています。自民党票の減りを補う醜い政党ですよね。
No title
政党助成金は税金です。国民1人当たり、毎年250円も支払っています。この20年で、実に5000円も支払った! 税金ドロボー 自民党返せ!
そういえば共産党の言ってた国民連合政府って公明党の1979年の
公民連合政権構想の二番煎じなんですね。
共産党が国民連合政府やる条件で日米安保や自衛隊を容認したのも
80年代の公明党の辿ってきた政策変更の歴史と一緒ですし。
No title
日米安保や自衛隊を容認しているのではないんですね。国民連合政府は、立憲主義を守るために、戦争法廃止の1点で共同しようというものです。それが終わったら、総選挙して各党がそれぞれの政策で国民の支持を問うことになります。日本共産党は、当然、日米安保や自衛隊に反対を掲げます。 管理人

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