◎厚労省主催で過労死シンポ トヨタ関連の妻が訴え

 厚生労働省が主催して11月23日、名古屋市中村区の名古屋国際センターで、「過労死等防止対策推進シンポジウム」が開かれました。トヨタ自動車の関連会社で働き、過労死した夫について訴えた三輪香織さん(38)やトヨタ堤工場で過労死した夫の労災認定を裁判で勝ち取った内野博子さんらが訴え、報告しました。

 シンポは、NHKや中日新聞などがいっせいに報道。三輪さんの訴えが大きく取り上げられました。こうしたシンポが、厚労省主催で、愛知県で初めて開かれたことに、過労死にかかわってきた遺族や弁護士、医師ら関係者は感慨深く思っています。

 内野さんの過労死も、厚労省豊田労働基準監督署は認めず、博子さんが名古屋地裁に訴えて認められるなど、厚労省は過労死の労災認定や過労死をなくすることに消極的だったからです。

 この厚労省の姿勢を大きく転換させたのが、昨年6月に成立した過労死防止法でした。日本共産党をはじめ自民党、民主党など全政党・会派で成立したのです。

過労死等防止対策推進シンポジウム[1]


 3人の学者・医師が『過労死』(労働経済社)というタイトルの本を出版したのが1982年2月でした。それまで、突然死、急性死、在職死などといわれてきたのが、働きすぎによる死であるという本質の言葉として命名されたのです。日本特有の現象として「カロウシ」という国際語にもなりました。それから32年。国がやっと本格的に過労死の防止に乗り出そうとしています。

 過労死は、2014年度までの5年間で、請求件数は242~302件を数え、うち認定されたのは113、121、123、133,121件と120件前後で高止まりしています。

 過労自殺も、14年度までの5年間で、請求件数は169~213件を数え、うち認定されたのは65、66、93、63、99件を数えます。過労死も過労自殺も減る傾向はありません。

 シンポジウムで訴えた三輪香織さんの夫の敏博さん(死亡当時37歳)は、トヨタテクノクラフト(本社・東京、トヨタが100%出資の子会社)の関連会社、テー・エス・シー(同社の100%出資の子会社)のチームリーダーでした。

中日新聞 三輪香織さん
(三輪香織さんらの訴えを伝える中日新聞、11月24日付)

 敏博さんは、トヨタテクノクラフトの愛知工場(東海市)で働いていました。おもな仕事は、トヨタの救急車の防振ベッドの組立・仮装でしたが、連日、プリウスの試作現場へ応援に行くなど多忙をきわめていました。

 亡くなった2011年は、東日本大震災のばん回生産中で、節電を理由にトヨタと関連会社は、7~9月まで木金休み、土日出勤という変則勤務を実施。敏博さんの生活リズムは大きく崩れ、同年9月27日、自宅で虚血性心疾患で亡くなりました。

 香織さんはシンポジウムで、「夫は仕事に命を奪われました」とのべ、家族が苦しむ過労死をなくしてほしいと訴えました。香織さんは現在、裁判闘争中です。今年2月11日のトヨタ総行動でも訴えました。

 シンポジウムでは、「連合愛知の職員が、去年1年間で、寄せられた相談は948件で、前の年に比べて100件あまり増えたことを明らかにしました。相談の内容は、長時間労働や残業代の不払いについての相談のほか、睡眠時間を削って働く若い世代を心配する親からの相談も増えていると説明しました」(NHK)と連合愛知からも報告がありました。

 連合愛知(52万人)には、全トヨタ労連やトヨタ労組が加盟する自動車総連が加わっています。三輪さんは、トヨタの関連会社で働いていました。トヨタ労組は、「過労死ゼロ宣言」をしています。連合愛知をはじめ労組は、香織さんが裁判で労災認定されるよう支援をしてほしいと思います。


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過労死 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/11/24 11:25
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