◎内部留保を活用し3%の賃上げを

 「内部留保を活用し3%の賃上げを」――こう書くと、「また、お前たちがいいだした」と批判されかねないのですが、実は安倍政権の経済財政諮問会議が真剣に議論しているのです。

 11月4日、その経済財政諮問会議が開かれ、甘利明経済再生担当相は会議後の記者会見で、賃上げについて年3%程度をめざすべきだとの考えを示しました。甘利担当相は「賃上げすれば消費が伸び、景気が良くなるのはみんな知っている。そこまで踏み込めるかどうかだ」と財界に求めたのです。

 先月10月16日の経済財政諮問会議では、榊原定征日本経団連会長ら民間4議員が「アベノミクスの第2ステージに向けて」との資料を提出。このなかで、「活用されていない内部留保を、人的投資、将来利益の源泉となる投資、取引先を含めた経営力強化に振り向けて好循環拡大を図るべき」とのべています。

 内部留保を活用して、賃上げや取引先――下請け単価の引き上げに使うべきだというのです。これは、ブログ「トヨタで生きる」で、くり返し主張していたことではありませんか。朝ドラの「あさが来た」の主人公・あさのセリフではありませんが、「びっくりポン」ですね。

 同じ日の会議で、麻生太郎副総理兼財務相は「企業収益等の動向について」の資料を提出。「経営陣には、過去最高水準の企業収益を、更なる収益力の向上に向けた投資や従業員の給与などに振り向けることが求められているのではないか」と踏み込みました。

 その上で、「現金・預金と内部留保の推移」というグラフを示しました。内部留保は、2002年の188兆9000億円から14年の354兆4000億円にまで積み上がっているという表です。

12 経済財政諮問会議 麻生資料

35 経済財政諮問会議 麻生資料
(経済財政諮問会議で、麻生太郎財務相が提出した内部留保の資料。下は、それを拡大したもの)

 こうした表も、「トヨタで生きる」で示してきた表です。ちなみに「現金・預金等」も14年で210兆2000億円までに積み上がっているといいます。

 トヨタ自動車には、内部留保の大きな部分を占める利益剰余金は、15兆8449億円(2015年4~6月決算)もあり、ダントツの日本1です。甘利経済再生担当相のいうような3%の賃上げはいくらになるでしょうか?

 15春闘の基本賃金ベースは、EX級、技能4等級、技能職で35万7030円でした。仮にこれを使うと、1万711円になります。甘利担当相は、トヨタに1万円の賃上げを求めていることになります。

 15春闘の賃上げ実績は、トヨタ労組が6000円を要求して4000円でした。16春闘では、甘利担当相に応えて1万数千円の要求をかかげ、1万円を獲得しようではありませんか。

 トヨタは、「内部留保たっぷり」ですから。
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内部留保 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/11/05 11:18
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