◎寺島実郎氏が辺野古新基地について語る

 世界を飛び回り、各国の実態をリアルに見て、時代の情勢を大きくとらえることで知られている日本総合研究所理事長の寺島実郎さんが、「しんぶん赤旗」日曜版(11月1日号)のインタビューで、沖縄辺野古の新基地問題について語っています。

 寺島氏は、この5年間で沖縄を取り巻く情勢が大きく変わったと指摘し、2点をあげています。1つは、翁長知事を誕生させた沖縄の決意は、「普天間基地を日本の別のところに移転するという程度の発想」ではなく、「東アジアの相互理解と協調を促す拠点に変えたい」ということだと語ります。

 もう1つの変化は、尖閣諸島をめぐる問題が先鋭化するなかで、「日米安保条約の本質が見えてきたこと」と強調します。

 その上で、中国が尖閣諸島を攻撃したならば、沖縄の米軍基地などが守ってくれると期待するならば間違っていると断定します。オバマ政権は尖閣諸島の日本の施政権を認めるが、領有権にはコミットしないという態度であり、日米安保の責任は果たすが、「米中戦争になるような事態は何としても避けたい」と考えているといいます。

 その理由として、米中は戦略・経済対話を今年6月までで7回も積み上げていることをあげ、日米同盟の責任を果たすという意味は、「米中軍事衝突」ではなく、「『除く戦争』というカードでサポートする意味です」といいます。

15 日曜版 寺島実郎


 アメリカにしょっちゅう出かけ、要人たちと対話を重ねている寺島氏。オバマ政権の奥深い情報を持ち合わせているだけに説得力があります。寺島氏は、日米同盟への「過剰期待、過剰依存では時代認識を捉えられない」と強調します。

 よく中国の海洋進出に対し、「話し合って分かり合える相手ではない」と中国脅威論を居丈高に唱える論調がありますが、寺島氏はそうした時代認識では米中関係は捉えられないと警告しているのです。

寺島著作
(寺島実郎氏の著作の一部)

 寺島氏はさらに、日本が米国の「周辺国」と位置付けられているかぎり、「日本は世界からまともに相手にされません」と語ります。「そもそも、戦後70年たっても外国の軍隊が『占領軍』のまま存続していることに問題意識すら持たない国が独立国といえるのか」という問いは強烈です。

 安倍首相がアメリカ議会(4月29日)で、戦争法(安保法制)を夏までに成立させると演説しことを思い起こします。日本の国会で議論もしないうちにアメリカに約束するという卑屈な姿勢――寺島氏が指摘するように、「問題意識すら持たない」のが日本の首相なのです。

 ではどうするのか? 寺島氏はアジアの平和と繁栄をどう築くのかの展望を語ること、仮に襲いかかってきそうな隣人がいるとしても、「賢く制御し、決定的衝突にならないようにしておく」ことと語り、軍事中心ではなく外交力をつけることだと指摘します。

 翁長知事は、沖縄に新基地を建設するのではなく、「東アジアの相互理解と協調を促す拠点に変えたい」という思いで安倍政権に向かい合っていること、そして21世紀の日本と東アジアの安全保障の在り方を問うていると強調し、そのことに沖縄県民は共感しているのだと指摘します。

         ◇

 この記事は、11月4日にアップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。
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沖縄 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2015/11/03 19:41
コメント
ゴメン。
主義が先導されてるよね?
流れで行ったら、日本も軍隊を持とう!
って流れの内容じゃないかな。

安保賛成!!9条破棄!!沖縄から米軍叩きだして日本軍を要し、頼りにならねぇ米はいらない…じゃないの?
No title
寺島が何を言おうが、翁長知事が何を言おうが
彼女の国連での演説https://www.youtube.com/watch?v=eE1d7Lh_Y3s
の方が、遥かに素晴らしい。
No title
石垣市民からは、このような貴重な意見も
http://www.sankei.com/west/news/150918/wst1509180076-n1.html
No title
オール沖縄VSチーム沖縄
今後の対決が楽しみです。

http://seiron-sankei.com/9338

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