◎トヨタ労組大会 技能発揮考課、2時間残業、投票済証…

 トヨタ自動車労組の第82回定期大会が10月17日、豊田市内の労組事務所、カバハウスで開かれました。論議の様子をまとめた「評議会ニュース」が職場に配布されました。

 それによると、来年1月から工場の技能職に導入される技能発揮考課の問題や、12月に発売される新型プリウスなどによる生産増に対応した残業・休日出勤増の問題、選挙毎にくり返される投票済証の提出の問題など職場と選挙の問題などが代議員から出されました。

カバハウス
(トヨタ労組が入っているカバハウス)

 新設される技能発揮考課によって、組合員は6段階で評価されます。最高と最低では最大2万5000円の差が出ます。上司から毎月評価され、毎月賃金が変わるという成果主義賃金の背骨にあたるものです。

 本社工場の代議員からは、「運用に対して不安を抱く人は少なくない。…公平・公正を伴う運用が大切。執行部のフォローをお願いする」と注文しました。職場では、評価に対する不安・不満が多いことを示しています。

 これに対し執行部は、「評価者・被評価者のへのヒアリングなどで、公平・公正な評価の課題・問題点を継続して確認していく」と答弁しました。

 トヨタでは、10月から来年3月まで、1日当たり最大2~2・5時間の残業、1カ月に2~4直の休日出勤(1人当たり月1~2回)の特別生産体制に入っています。

 高岡工場の代議員は、「10月から、直間拡大、そしてタクトも下げた上で、日当たり2時間の残業プラス月4回の休日出勤という『要員ねん出のための特別な稼働対応』が始まった」とのべました。

 その上で、「ひんぱんな人の入替え負担や継続する高負荷にともなう心身の疲労が絶えないのも事実」と強調。「『要員不足を理由に、生産が優先され、安全や年休がおろそかにされるのではないか』といった懸念の声が数多く寄せられており、こうした声は、高岡工場だけではなく、すべての工場であがっていると考える」と生産第一主義への不安、懸念を訴えました。

 これに対し執行部は、「『職場に問題があっても、来年3月まで無条件で実施する』と約束したものではないので、問題があればすみやかに伝えてほしい」と答弁しました。

 来年夏には参院選があり、トヨタ労組は引退する現職議員に代わって新たな候補者を推薦しています。これに対し、衣浦工場の代議員は、「期日前投票や、済証(選管が発行する投票済証)の持ち寄りについての不満の声、フォロー対応が多すぎる事もあり、活動について効率よく取り組む方法が必要なのではないか」と注文をつけました。

 労組の特定政党支持の押し付けと、その具体化である投票済証を、家族をふくめて労組に提出させ、チェックするなどの組合の態勢について強い不満が出されました。こうした意見が出るのは異例です。

 政治課題では、もっとも大きな問題が安倍政権と自民党、公明党が9月19日に強行成立させた安保法制(戦争法案)です。国民の6割以上が「今国会での成立に反対」という世論と憲法学者のほとんどが違憲という法案です。

国会行動 自動車総連
(安保法制に反対して国会行動をする自動車総連の組合員ら=8月23日)

 トヨタ労組の上部団体の自動車総連や連合は、これに強く反対。トヨタ労組出身の相原康伸会長は9月の自動車総連大会で、「立憲主義をゆるがせにし、国のあり様を極めて短期に、かつ、曖昧なまま、決定しかねない政府の対応に強い懸念と政府の安保法案への反対を表明しておきたい」とのべました。

 8月23日の連合の国会前行動には、全トヨタ労連の旗が立つなど多くの組合員が反対行動に参加しました。

 しかし、トヨタ労組の大会議案書には、安保法制についてはふれておらず、大会のあいさつ、討論でも出なかったようです。組合員はもちろん、国民全体の平和にかかわる重要な課題であり、残念でなりません。
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労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/10/30 20:15
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